細菌の純粋培養法の確立
細菌が育つように調整された液体培地に固化剤として、コッホはゼラチンを用いました。ゼラチンで固めた固形の培地上で特定の微生物のみを純粋に分離して培養する「純粋培養法」を確立しましたよ。
後に、ヘッセという、コッホの共同研究者が固化剤としてゼラチンではなく、寒天を用いています。固化剤に寒天を用いて寒天培地上で培養するのは、現在でもこの方法はスタンダードになっていますよ。
微生物の純粋培養がバイオサイエンスの発展に貢献
古代の微生物学は、アリストテレスの時代から始まり、16世紀まで微生物は親からなどでなく、自然の中から生まれてくるのものであるという自然発生説が信じられていました。肉眼では観察できない極小の生物だからこそ、得体が知れず、研究も進まなかったのです。
近代微生物学の発展に貢献したのが、1861年のパスツールによる実験でした。微生物が行き来することのできない環境では、微生物が発生することはありませんでした。このことにより、微生物の自然発生説が否定されましたよ。
また、コッホやヘッセによって、培養したい細菌だけ培養する純粋培養法を確立したのでした。
たくさんの科学者たちの研究によって、私たちの暮らしを豊かにする細菌培養を応用したバイオサイエンスがもたらされたのですね。