微生物はどこからやってくるのか
微生物はどこからやってくるのでしょうか。
きれいに掃除していても、しらないうちにカビが生えていたりしますよね。食中毒を引き起こす病原菌(黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌など)も一体どこから微生物は発生しているのでしょうか。
微生物の自然発生説
微生物ついて研究しようとする学問は今からおよそ300年前に確立しました。オランダのレーウェンフックがはじめて顕微鏡を作成し、小さなものを観察することができるようになったことがきっかけです。それまでは、あらゆる生物が親からではなく、自然と個体が発生するという自然発生説が支持されていましたよ。ミツバチやホタルは草の露から、タコやイカなど海洋生物は、海底から生まれると信じられていたのですよ。これは、古代ローマのアリストテレスの時代から16世紀くらいまで普通に信じられていましたよ。
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自然発生説の否定
image by Study-Z編集部
1861年に、フランスのパスツールによって、これまでの生物の自然発生説を否定する実験がなされました。使用した器具は、白鳥の首のようなかたちの口の、スワンネック型のフラスコと肉汁を使った実験でしたよ。
実験内容は、丸底フラスコの口をアルコールランプで加熱して、図のようにフラスコの口に溜まった液体がフラスコ内に逆流したり、フラスコ外の空気に触れないような構造のものを用いました。
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パスツールが行った実験の概要
上記で説明した、パスツールによるスワンネック型のフラスコを用いた実験の内容について紹介しますね。
まず、スワンネック型のフラスコ内に、微生物が好むものである(微生物がいる可能性あり)肉汁を入れました。それを加熱し、肉汁中の微生物を滅菌します。その際、水蒸気が冷やされ水滴となって、細長い首の部分に溜まるので、フラスコ内と外を空気は出入りできますが、微生物の行き来はできないようになりますよ。このような状態でフラスコを放置しても、フラスコ内に微生物の発生は認められなかったのです。
この実験結果により、微生物の自然発生説が否定されましたよ。
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