辛さしっかりでサラサラなのがウスターソース
ウスターソースはイギリスのウスターシャー地方が発祥とも言われるソース。酸味が強く、香辛料をしっかりと感じるスパイシーなソースです。他のソースと比べて野菜や果実の繊維は少なく、塩分は若干多めになっています。粘度を表す単位をPa・s(パスカル秒)と言いますが、JAS規格においてウスターソースは「0.2Pa・s未満のもの」とされており、ソースの中でも最もサラっとしているのが特徴です。
ウスターソースは西日本で主流
ウスターソースは、そのさらっとした食感とスパイシーさにより、揚げ物などをさっぱりと食べる調味料として向いています。粘度が低いため、上からかけて食べるよりも、ソースに料理をつけて食べるのがオススメです。そして、このウスターソースは特に西日本で好まれています。串カツを想像してみて下さい。そうすれば、ここまでの特徴すべてが理解しやすいのではないでしょうか。また、料理につけて食べるほかには、隠し味として使うのもコクが出ていいですね。
バランスの取れた中間のソースが中濃ソース
中濃ソースとは、JAS規格で「粘度が0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満のもの」とされています。ウスターソースほどスパイシーでもなく、サラリともしていません。かといって濃厚ソースほど粘度も高くなく、また甘くもないのが中濃ソースです。つまり、ウスターソースと濃厚ソースの中間にあるから「中濃」ソース。よって、甘みと辛さのバランスが取れたソースと言えます。
中濃ソースが主流なのは東日本
中濃ソースが主に食されているのは、北海道を含む東日本です。富山・長野・静岡あたりを境に、中濃ソースからウスターソース文化圏へと切り替わるようですよ。西日本出身の友人からも、最初は中濃ソースの存在に驚き、しばらくは慣れなかったという話を聞いたことがあります。関東人の筆者としては中濃ソースは食卓のお供でしたので、この話はとても意外でした。ウスターソースと違って粘度があるため、揚げ物には上からかける方がおすすめです。ただし、そのバランスの良さから、炒め物でも揚げ物でも何にでもマルチに活躍してくれます。
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