この記事ではアンチョビとオイルサーディンの違いについてみていきます。2つともイタリア料理やフランス料理でよく使うイメージがあるよな。違いはずばり加工方法のようですが、味や栄養素など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はそんなアンチョビとオイルサーディンの違いを、そもそもどんな食材なのか確認しつつ、料理好きライター田嶋と一緒に解説していきます。

ライター/田嶋あこ

料理好きライター。最近は健康を意識するようになり、糖質控えめなメニューを勉強中。日頃の料理経験を活かして違いを分かりやすく解説していく。

そもそもアンチョビとオイルサーディンって何?

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アンチョビとオイルサーディンは、イタリアやフランスなどを中心によく使われている食材です。ただ日本の家庭料理ではあまり使われることがないため、よくわからないという方も多いのではないでしょうか?

そもそもどんなものであるのか、まずはざっくりとこの2つの食材について説明していきます。

アンチョビ:イワシの塩漬け

アンチョビはイワシを塩で漬けた食べ物です。発祥地という説のあるイタリアのアンチョビという場所では「アッチューガ」という名前で親しまれています。

アンチョビに使われているのはカタクチイワシという種のもの。カタクチイワシは煮干しに加工されたりと、日本でもよく使われている魚です。他のイワシの仲間はアンチョビとして利用されることはほとんどありません。

カタクチイワシの頭と内臓をとり、塩に漬けて発酵させればアンチョビの完成です。アンチョビを作る過程で出た液体は、魚醤(ぎしょう)という調味料になります。

アンチョビは漬ける期間だけでも最低1ヶ月以上はかかりますが、家で作ることも可能です。ただお店に行くと缶詰やビン詰めになっているものの他、手軽なチューブタイプの商品も売られています。

フィレ状のもの・薄く切られた渦巻き状のもの・ペースト状のものなど種類は様々。使う頻度や料理に合わせて選んでみましょう。

オイルサーディン:イワシの油漬け

オイルサーディンもイワシを使った加工食品です。頭・尾ひれ・内臓などを取った部分を、オリーブオイルなどの油に漬けてあります。作り方だけでなく、アンチョビとは使うイワシの種類にも違いが。

カタクチイワシしかほとんど使うことのないアンチョビと異なり、オイルサーディンは「マイワシ」や「ウルメイワシ」も使われています。お店では缶詰で売られている場合がほとんどです。

アンチョビとオイルサーディンの違いをもっと詳しく!

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アンチョビとオイルサーディンは、加工方法や使っている魚の種類以外にも違いがあります。味・栄養素・食べ方の3つの点から、さらに詳しく違いをみていきましょう。

\次のページで「アンチョビとオイルサーディンの「味」の違い」を解説!/

アンチョビとオイルサーディンの「味」の違い

アンチョビとオイルサーディンはどちらもイワシを使った食べ物ですが、加工方法が異なります。そのため味にも違いがあるのです。

商品や食べた人によって感じ方にも多少違ってきますが、だいたいどのように感じる味なのかを比べてみました。

アンチョビの味
・塩気が強くてしょっぱい
・発酵させているため味や香りが濃厚
・物によっては生臭さを感じる場合がある
・クセはややある

オイルサーディンの味
・アンチョビに比べるとしょっぱさは感じない
・脂が乗ったシーチキンのようなイメージ
・物によっては生臭さを感じるがクセは少なめ

どちらも元の素材はイワシなので、基本的にイワシの風味を感じます。魚ならではの香りはどちらも強いので、魚が好きな方はぜひ試してみてください。

またオイルサーディンは使われている油の種類によっても味が変わります。基本的にオリーブオイルが使われていますが、中には大豆油・綿実油・米油などを使った商品も。

油自体の風味にクセがあまりないので、オリーブオイルが苦手という方は油の種類にも注目してみるといいでしょう。

アンチョビとオイルサーディンの「栄養素」の違い

アンチョビとオイルサーディンは共通している栄養素も多いですが、違いもあります。例えば同じ100gの量でカロリーを比べてみると、アンチョビは160kcal・オイルサーディンは230kcalくらいです。

使われているイワシの種類や加工方法の違いによって、このような差が出てくるのだと考えられます。さっそくそれぞれの特徴的な栄養素をみていきましょう!

アンチョビの特徴的な栄養素
・DHA(ドコサヘキサエン酸)
脳の神経を活性化させて記憶力にいい影響を与えてくれると言われている栄養素。脂肪燃焼・動脈硬化・アレルギー疾患などの予防や改善も期待できる。

・EPA(エイコサペンタエン酸)
血液が固まってしまわないように抑えてくれる。脳卒中・心筋梗塞・血栓症の予防におすすめ。

・ビタミンD
カルシウムの吸収を促してくれる。免疫機能の向上のほかに生活習慣病の予防効果も期待できる。

オイルサーディンの特徴的な栄養素
・セレン
細胞が酸化するのを防いでくれる。また老化の原因となる過酸化脂質を分解する働きに関わってくるため、アンチエイジングの効果もあると言われている。
・ビタミンB12
血液をつくるときに必要な栄養素の1つ。貧血(巨赤芽球性貧血)の予防に効果がある。

アンチョビとオイルサーディンの「食べ方」の違い

塩に漬けて加工するアンチョビと、オイルに漬けて加工するオイルサーディン。それぞれの食べ方を確認していきましょう。

アンチョビはそのまま食べてることもできます。ただかなりしょっぱいので、基本的には調味料やトッピングとして使うことが多いです。

少量でも風味を感じることができるので、料理などに使うときは量を調節してみましょう。塩分が気になる方などは、表面についている塩を軽く水で洗うのもおすすめです。

オイルサーディンもそのまま加熱せずに食べられます。塩加減も丁度よく、メインの具材として使う場合がほとんど。

缶ごとトースターやグリルで調理する食べ方も人気があります。時短で美味しく仕上がるので、忙しいときにもぴったりですよ。

\次のページで「具体的にどんな料理に使えるの?」を解説!/

具体的にどんな料理に使えるの?

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アンチョビやオイルサーディンは、DHAやIPAなど体の中では作れないけど必要な栄養素を含む食材です。栄養を摂りつつ美味しく食べるために、おすすめな料理をご紹介していきます。参考にして、ぜひ食卓に取り入れてみてくださいね。

アンチョビを使うのにおすすめな料理

アンチョビはメインで使う食材というよりかは、より料理の風味を豊かにするための調味料的な存在です。アンチョビ自体に強い塩味があるので、他の調味料を沢山使わなくてもしっかりとした味に仕上がりになります。

お家でも気軽にチャレンジできる、おすすめ料理は以下のものです。

アンチョビキャベツ
オリーブオイルでキャベツとアンチョビを炒めたもの。にんにくと黒胡椒を少し加えるだけで完成。

アンチョビポテト
炒め揚げしたポテトに細かく刻んだアンチョビを絡ませた料理。お酒を飲むときのおつまみとしてもぴったり。

アンチョビポテトサラダ
みじん切りしたアンチョビを加えたポテトサラダ。マヨネーズと黒胡椒で味を整えるだけで仕上がる簡単メニュー。

アンチョビパスタ
アンチョビとにんにく、オリーブオイルなどで作ったソースを絡めたパスタ。少ない材料でパパッと作れる。

オイルサーディンを使うのにおすすめな料理

オイルサーディンはそのままでも美味しく食べられる食材です。クセもあまりないので、様々な料理に使えます。時短でできるものを中心にご紹介するので、チャレンジしてみてくださいね。

オイルサーディンにおすすめな料理は以下のものです。

オイルサーディンとトマトのサラダ
トマトとバジルと合わせたサラダ。スライス玉ねぎを加えるのもおすすめ。オリーブオイルベースのさっぱりしたドレッシングと相性抜群。

オイルサーディンのアヒージョ
オイルサーディンが入った缶に、直接にんにくや鷹の爪を入れて加熱するだけで完成。洗い物も少なく済み、サッと作れる時短メニュー。

オイルサーディンのチーズ焼き
オイルサーディンの上からチーズをかけて焼くだけの簡単メニュー。好みで塩を足したり、醤油をかけて食べるのもおすすめ。

オイルサーディンの野菜炒め
キャベツやきのこ、にんにくと一緒にオリーブオイルで炒めた料理。味付けは塩胡椒で整えるだけでOK。

\次のページで「それぞれ代用はできる?」を解説!/

それぞれ代用はできる?

アンチョビとオイルサーディンは似ている食材なため、代用できるのではないかと考えた方もいらっしゃると思います。実際どうなのかを一緒に確認していきましょう。

使い方次第ではできる場合もある

結論を言うと、代用できるかできないかは作ろうとしている料理によります。例えば、パスタや炒め物を作ろうとしたとき。アンチョビを使いたかったのに家にあるのがオイルサーディンだった場合は塩味を足したりして代用は可能です。

逆の場合も、他の調味料を控えたり量を調整すれば近づけることはできるでしょう。ただ、サラダなど素材の味がハッキリと出る料理のときは難しいケースも。

特にオイルサーディンの代用としてアンチョビを使う場合は、期待していた味にならない可能性が高いです。アンチョビは魚感がより濃厚なので、生臭さや独特な風味が気になってしまうかもしれません。

このように、全く代用できないわけではないけれど難しいこともあります。味が大きく変わってしまいそうなときは、潔く作ろうとしていた料理自体を変えるのも1つの手段と言えるでしょう。

アンチョビとオイルサーディンの違いは加工方法をチェック!

アンチョビとオイルサーディンは似ている食材ですが、加工方法の特徴さえ押さえておけば意外と簡単に違いがわかります。アンチョビは塩漬けにして発酵させているので少しクセがあり風味も濃厚です。

オイルサーディンは、熱を通してからオイルに漬けたものなのでアンチョビほどクセもなく塩気もありません。日頃から使うという方の多い、ツナ缶や鯖缶のような感覚で使えます。

どちらも人間の体に必要な栄養素がいっぱい詰まっているので、ぜひいつものメニューに加えてみてくださいね。

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雑学食べ物・飲み物

3分でわかるアンチョビとオイルサーディンの違い!味や食べ方など料理好きライターが詳しくわかりやすく解説

アンチョビとオイルサーディンの「味」の違い

アンチョビとオイルサーディンはどちらもイワシを使った食べ物ですが、加工方法が異なります。そのため味にも違いがあるのです。

商品や食べた人によって感じ方にも多少違ってきますが、だいたいどのように感じる味なのかを比べてみました。

アンチョビの味
・塩気が強くてしょっぱい
・発酵させているため味や香りが濃厚
・物によっては生臭さを感じる場合がある
・クセはややある

オイルサーディンの味
・アンチョビに比べるとしょっぱさは感じない
・脂が乗ったシーチキンのようなイメージ
・物によっては生臭さを感じるがクセは少なめ

どちらも元の素材はイワシなので、基本的にイワシの風味を感じます。魚ならではの香りはどちらも強いので、魚が好きな方はぜひ試してみてください。

またオイルサーディンは使われている油の種類によっても味が変わります。基本的にオリーブオイルが使われていますが、中には大豆油・綿実油・米油などを使った商品も。

油自体の風味にクセがあまりないので、オリーブオイルが苦手という方は油の種類にも注目してみるといいでしょう。

アンチョビとオイルサーディンの「栄養素」の違い

アンチョビとオイルサーディンは共通している栄養素も多いですが、違いもあります。例えば同じ100gの量でカロリーを比べてみると、アンチョビは160kcal・オイルサーディンは230kcalくらいです。

使われているイワシの種類や加工方法の違いによって、このような差が出てくるのだと考えられます。さっそくそれぞれの特徴的な栄養素をみていきましょう!

アンチョビの特徴的な栄養素
・DHA(ドコサヘキサエン酸)
脳の神経を活性化させて記憶力にいい影響を与えてくれると言われている栄養素。脂肪燃焼・動脈硬化・アレルギー疾患などの予防や改善も期待できる。

・EPA(エイコサペンタエン酸)
血液が固まってしまわないように抑えてくれる。脳卒中・心筋梗塞・血栓症の予防におすすめ。

・ビタミンD
カルシウムの吸収を促してくれる。免疫機能の向上のほかに生活習慣病の予防効果も期待できる。

オイルサーディンの特徴的な栄養素
・セレン
細胞が酸化するのを防いでくれる。また老化の原因となる過酸化脂質を分解する働きに関わってくるため、アンチエイジングの効果もあると言われている。
・ビタミンB12
血液をつくるときに必要な栄養素の1つ。貧血(巨赤芽球性貧血)の予防に効果がある。

アンチョビとオイルサーディンの「食べ方」の違い

塩に漬けて加工するアンチョビと、オイルに漬けて加工するオイルサーディン。それぞれの食べ方を確認していきましょう。

アンチョビはそのまま食べてることもできます。ただかなりしょっぱいので、基本的には調味料やトッピングとして使うことが多いです。

少量でも風味を感じることができるので、料理などに使うときは量を調節してみましょう。塩分が気になる方などは、表面についている塩を軽く水で洗うのもおすすめです。

オイルサーディンもそのまま加熱せずに食べられます。塩加減も丁度よく、メインの具材として使う場合がほとんど。

缶ごとトースターやグリルで調理する食べ方も人気があります。時短で美味しく仕上がるので、忙しいときにもぴったりですよ。

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