
放射性崩壊ってどんな現象?核分裂との違いや放射線のエネルギー、半減期の計算方法を理系ライターが5分でわかりやすく解説!
核分裂と放射性崩壊の違いは?
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放射性崩壊は、ある核種が原子核の一部である放射線を放出しながら変化する現象だと解説しました。では、同じく放射線が生じる現象である核分裂とは何が違うのでしょうか?
放射性崩壊は、基本的に核種の一部を切り離すだけで安定する程度の元素で起こる現象です。しかし、あまりに陽子数と中性子数のバランスが悪い核種では、放射性崩壊だけでは安定することができません。
そのため、核種の一部を切り離すのではなく、核種自体が同程度の質量数を持つ2つの元素に分裂してしまいます。このように、核種自体が分裂してしまう現象が核分裂です。
特に、極めて不安定な原子核に中性子線が衝突してしまうと、状況によっては核分裂を引き起こしてしまいます。また、核種が核分裂するときに中性子も一緒に放出するので、別の核種がまた核分裂するというような連鎖反応を起こしてしまうんです。
原子力発電では核分裂を発電に利用していて、中性子の速度を減速材で遅らせるなど、連鎖反応が起こり過ぎないようにコントロールしています。
放射性崩壊は原子核の一部を放出して核が安定する現象
放射性崩壊は、陽子数と中性子数のバランスが不安定な原子核が、核の一部を放射線として放出して変化した状態のことです。
放射性崩壊には3種類あります。具体的には、α崩壊はヘリウム原子核を、β崩壊は電子(もしくは陽電子)を、γ崩壊は余剰エネルギーを電磁波として放出する現象です。
放射線は非常に大きなエネルギーを持ち、物質の透過性および電離作用を持っています。
核分裂は放射性崩壊とは異なり、非常に不安定な原子核がほぼ半分に分かれてしまう現象です。核分裂の引き金となるのが中性子線であり、核分裂でも中性子線が発生するので、核分裂は連鎖反応を起こします。