この記事では「胸のつかえが下りる」について解説する。

端的に言えば胸のつかえが下りるの意味は「気が晴れる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「胸のつかえが下りる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「胸のつかえが下りる(むねのつかえがおりる)」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「胸のつかえが下りる」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「胸のつかえが下りる」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「胸のつかえが下りる」の意味は?

「胸のつかえが下りる」というキーワードを国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「Weblio辞書」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.《「痞え」は、胸がふさがり苦しいこと》心の悩みや不満がなくなり、気持ちがすっきりする。「本当のことを打ち明けて、—・りる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「胸の痞えが下りる」

「胸のつかえが下りる」は心の悩み・不満等が解消されたことで、気持ちがすっきりするという意味をもった言葉です。抱えていたわだかまりが解消され、解放感を感じる。心のつっかえがとれ、胸がすく思いがする。「胸のつかえが下りる」はこうした状況を表現して使われている言葉となっています。

古い表現ですが、現在でも書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉です。また「胸のつかえが下りる」は漢字では「胸の痞えが下りる」と書きます。読み方が難しく漢字表記はあまり使われていませんが、こちらも覚えておきましょう。この機会にしっかりと意味・用法を確認し、語彙力を高めていきましょう。

「胸のつかえが下りる」の語源は?

次に「胸のつかえが下りる」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「胸のつかえが下りる」の語源は現在はっきりとはしていません。語源ははっきりとしていないと覚えておきましょう。「つかえ」は、「痞え」または「閊え」と書き、病気や精神的な問題から胸が苦しい様子を意味しています。

「胸のつかえが下りる」はこうした「つかえ」が解消されるという意味で生まれた表現です。古くから使われている表現となっており、現在でも書籍・新聞等の文章中を中心に使用されています。意味とあわせて主に使用される場面についても覚えておき、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

\次のページで「「胸のつかえが下りる」の使い方・例文」を解説!/

「胸のつかえが下りる」の使い方・例文

「胸のつかえが下りる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.ずっと言いたかったことが言えて、胸のつかえが下りた。
2.借金をついに完済し、ようやく胸のつかえが下りる。
3.口うるさい上司が居なくなり、胸のつかえが下りた。

「胸のつかえが下りる」は例文のように、心配事・不安等が解消され気が晴れる様子を表して使われています。言いたいことが言えず消化不良でもやもやとしていた中、ようやく言えて気が晴れる。借金をついに完済し、長年の悩みが解消され安心する。悩みの種だった人物から離れ、晴れ晴れとした気分になる。

基本的にこうした状況で使われている言葉となっています。例文から実際の使用場面を具体的にイメージし、自分でも使用することができるようにしていきましょう。日常会話など口語ではあまり使用されていないため、こちらの点にも注意して使用していくことが大切です。

「胸のつかえが下りる」の類義語は?違いは?

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続いて「胸のつかえが下りる」の類義語・違いについて確認していきましょう。「胸のつかえが下りる」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、言葉の意味をより深く理解することができます。

その1「溜息が下がる(りゅういんがさがる)」

「溜息が下がる」は胸がすっきりする・気が晴れるという意味をもった言葉です。同じように、不満などが解消されて気が晴れることを意味する言葉となっており、非常によく似た意味をもった類義語となっています。細かいニュアンスや使用頻度に違いがあるため、注意していきましょう。

\次のページで「その2「安堵(あんど)」」を解説!/

その2「安堵(あんど)」

「安堵」は気がかりなことが除かれ、安心することを意味する言葉です。こちらも同じように気がかりとなっていたことが解消されて気が晴れる様子を意味する言葉となっており、非常によく似た意味をもった類義語となっています。使用頻度・細かいニュアンスが異なるため注意しましょう。

その3「肩の荷が下りる」

「肩の荷が下りる」は責任や負担から解放され、楽になるという意味を表す言葉です。こちらも負担に感じていたものから逃れて、気が晴れる様子を表す言葉となっており、よく似た意味をもった類義語となっています。細かいニュアンス・使用される場面の違いに注意していきましょう。

その4「気が晴れる」

「気が晴れる」は鬱屈していた心・感情がきれいになること・気分がすっきりすることを意味する言葉です。こちらも気分がすっきりすることを意味する言葉となっており、似た意味をもった類義語となっています。より幅広い場面で使われている点など違いがあるため、注意していきましょう。

「胸のつかえが下りる」の対義語は?

つづいて「胸のつかえが下りる」の対義語についても確認していきましょう。「胸のつかえが下りる」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「胸がつかえる」

「胸がつかえる」は悲しみ・心配事などから胸が圧迫されるように苦しくなる様子を意味する言葉です。「胸のつかえが下りる」がこうした胸の辛さが解消されることを表していたのに対し、こちらはそうした胸の辛さを持っていることを意味する言葉となっています。対義語として、こちらも覚えておきましょう。

「胸のつかえが下りる」の英訳は?

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つづいて「胸のつかえが下りる」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「take a load off one's mind」」を解説!/

「take a load off one's mind」

「take a load off one's mind」は心の重荷を下ろすという意味をもった英フレーズです。日本語の「胸のつかえが下りる」と同様に不安・不満などが解消され気が晴れるという意味をもっており、同様の意味をしっかりと表現することができます。英語での表現として、こちらもあわせて覚えておきましょう。

「胸のつかえが下りる」を使いこなそう

この記事では「胸のつかえが下りる」の意味・使い方・類語などを説明しました。「胸のつかえが下りる」は何か心の悩み・不満が解消され、気が晴れることを意味する慣用句です。古くから使われている表現ですが、現在でも書籍・新聞等の文章中を中心として使用されている表現となっています。

また類義語には「溜飲が下がる」、「安堵」、「肩の荷が下りる」、「気が晴れる」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「胸のつかえが下りる」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「胸のつかえが下りる」について解説する。

端的に言えば胸のつかえが下りるの意味は「気が晴れる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「胸のつかえが下りる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「胸のつかえが下りる(むねのつかえがおりる)」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「胸のつかえが下りる」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「胸のつかえが下りる」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「胸のつかえが下りる」の意味は?

「胸のつかえが下りる」というキーワードを国語辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「Weblio辞書」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.《「痞え」は、胸がふさがり苦しいこと》心の悩みや不満がなくなり、気持ちがすっきりする。「本当のことを打ち明けて、—・りる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「胸の痞えが下りる」

「胸のつかえが下りる」は心の悩み・不満等が解消されたことで、気持ちがすっきりするという意味をもった言葉です。抱えていたわだかまりが解消され、解放感を感じる。心のつっかえがとれ、胸がすく思いがする。「胸のつかえが下りる」はこうした状況を表現して使われている言葉となっています。

古い表現ですが、現在でも書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉です。また「胸のつかえが下りる」は漢字では「胸の痞えが下りる」と書きます。読み方が難しく漢字表記はあまり使われていませんが、こちらも覚えておきましょう。この機会にしっかりと意味・用法を確認し、語彙力を高めていきましょう。

「胸のつかえが下りる」の語源は?

次に「胸のつかえが下りる」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「胸のつかえが下りる」の語源は現在はっきりとはしていません。語源ははっきりとしていないと覚えておきましょう。「つかえ」は、「痞え」または「閊え」と書き、病気や精神的な問題から胸が苦しい様子を意味しています。

「胸のつかえが下りる」はこうした「つかえ」が解消されるという意味で生まれた表現です。古くから使われている表現となっており、現在でも書籍・新聞等の文章中を中心に使用されています。意味とあわせて主に使用される場面についても覚えておき、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

\次のページで「「胸のつかえが下りる」の使い方・例文」を解説!/

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