もし梅雨がなかったら?
image by iStockphoto
日本における年間降水量のピークは梅雨の時期。全体の4分の1ほどの雨をわずか1ヶ月強の期間に降らせます。夏に向かって暖かくなる時期における雨は植物栽培にとって不可欠なもの。田植えや夏野菜の植え付けは梅雨がなければ不可能です。そして夏場に増える水使用のために、水がめであるダムに貯水をしておくためにも梅雨が大きな役割を果たしています。もし、梅雨がなかったら…食糧危機と水不足の二重苦が待ち受けているのは間違いありません。
梅雨の生み出した日本の文化
image by iStockphoto
毎年やってくる梅雨が日本文化に及ぼした影響は計り知れません。たとえば日本の家の構造。レンガや石でできた大陸の建築物とは違い、日本の家屋は通気性に富んだ木材で作られており、障子やふすまなども開け放せば開放的な空間になります。また床を地面から離す高床式の構造にすることで、多雨の時期でも湿気がこもらないようにしているのです。
そして日本の伝統的な服装も、この湿度の高さに対応しています。ゆったりとした和服は通気性がよくなるようにデザインされており、下駄や草履などの足を覆わない履き物も湿度の高い環境を生き抜くためにはベストなチョイスですよね。高温多湿で雨の多い日本で、ヨーロッパで発明されたスーツや革靴を履き、コンクリートの家で暮らす現代人の生活は日本の環境にはマッチしていないのかもしれません。
\次のページで「秋雨前線とは?」を解説!/