今日は「白桃と黄桃の違い」を見ていきます。
白桃と黄桃は色が違うのは見ての通りですが、他にはどんな違いがあるか知っているか?「黄桃は缶詰でしょ」と思っているヤツも多いでしょうが、一概にそうとも言えないぞ。白桃と黄桃について理解が深まると、桃を選ぶ楽しみもさらに増えるでしょう。
今回は様々なフルーツ製品の輸入も手掛ける現役商社マンMIYABIと一緒に解説していきます。

ライター/MIYABI

某大手商社の食品部門に勤務する現役営業ウーマン。主にヨーロッパの食材の営業・マーケティングに携わり、フルーツ製品の輸入も手掛ける。商品選定と品質チェックのため毎日のように商品を食べ、日々食材の研究を重ねている。

「白桃・黄桃の違い」3つを解説!

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夏のフルーツの代表選手である「桃」。その桃には白桃と黄桃があります。このふたつは品種が異なり、白肉種が白桃、黄肉種が黄桃と呼ばれるものです。この白桃と黄桃の違いとして挙げられるのは主に3点ですが、その詳細を解説していきましょう。

違いその1: 色

白桃はその名の通り白っぽい桃のことで、皮がピンクがかり中の果実は白っぽいのが特徴です。桃のルーツの岡山近辺では、皮も白い桃が一般的となっています。これ対し黄桃は、皮も実も黄色いのが特徴。「山吹色」と言われる色に近く、一見するとアンズにも近い色をしています。

違いその2: 味と食感

白桃は甘みが強く、やわらかいのが特徴です。果汁も多めでジューシーで、皮をむいているうちにどんどん果汁がしたたってくるほどですね!対して黄桃は、果汁が少なめで甘さ控えめ、そして硬い食感が特徴です。

違いその3: 使い道

白桃と黄桃、もっとも大きな違いはその用途でしょう。白桃はそのジューシーで柔らかく甘い特徴から、フレッシュなフルーツとして楽しむことが多いものです。流通量も多く、夏には家庭でも手軽に食べられますね。一方、黄桃は硬く甘みが少ないため、缶詰などに加工されることが多い品種です。近年では品種改良により生食向きの黄桃も出てきていますが、価格も高めなため、家庭で食べる機会は残念ながらあまり多くはありません。

白桃を詳しく!

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フルーツで人気の高い白桃。桃を見かける季節になると、私もついつい毎日のように食べてしまいます。ここではその白桃について、そのルーツから特徴、産地や品種、旬について調べていきましょう。

\次のページで「桃の始まりは中国」を解説!/

桃の始まりは中国

そもそも桃の起源は中国であり、紀元前より食べられていたと言われています。日本の桃は、岡山の白桃がルーツです。日本にはもともと、実の硬い桃はありました。ですが、明治時代に中国から「上海水蜜桃」や「天津水蜜桃」といった品種が入ってきたことにより、柔らかくて大きな甘い桃が作られるようになりました。

白桃は貴重でめずらしい!

白桃とは桃の品種の一つで、白い実の「白肉種」に分類されるものです。白桃とは、もともとは岡山で栽培されていた品種のことでしたが、今では「白鳳」や「あかつき」「川中島白桃」といった、白っぽい桃の総称として使われています。初夏から初秋にかけて出回ることが多く、夏を彩るアイテムの一つとしてパフェやケーキにも使用されることも多いです。なお、世界では黄桃の方がメジャーで、白桃のようなみずみずしい桃は多くはありません。

白桃の特徴と主な産地

白桃は実が柔らかく、甘くてジューシーなのが特徴。したたる果汁がたまりませんね!追熟するとさらに甘さと柔らかさが増し、それゆえにフレッシュな状態で食べられることがほとんどです。岡山はその発祥として知られていますが、現在の主な産地トップ3は山梨県、福島県、長野県となっています。

旬の時期ごとに代表品種を見ていこう

白桃の旬は、品種によっても若干異なってきます。まず早めに食べられるのが「白鳳」。多くの後継品種を生み出した有名な品種です。白鳳は6月中旬から食べられますが、7月中旬〜8月上旬が最盛期。ピンク色が鮮やかでかなり柔らかく、酸味が少なく非常にジューシーなのが特徴です。

白鳳に次ぐのが、日本で最も多く生産されている品種の「あかつき」8月中旬〜下旬あたりが旬のピークで、若干酸味を感じ肉質がしっかりしています。

そして次いで「川中島白桃」も食べごろに。こちらは長野県の川中島で生まれた大玉の品種です。8月中旬〜9月中旬くらいまで食べられます。甘みも強いですが、果肉は硬めで芯の周辺まで赤くなるのが特徴です。

黄桃を詳しく!

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では次に、黄桃についてその特徴や種類、産地や旬について調べていきましょう。

黄桃は加工用も生食用もある

黄桃は白桃と同じく桃の品種の一つで、「黄肉種」に分類されるものです。缶詰として出回ることが多い品種ですが、近年は品種改良のおかげで生食で食べられる品種も増えています。「黄金桃」などはその代表格です。生食の桃の旬は8月〜10月頃ですが、価格も高めのため、一般のスーパーではあまり見かけません。

\次のページで「黄桃の特徴と主な産地」を解説!/

黄桃の特徴と主な産地

黄桃は甘さ控えめでしっかりとした食感が特徴です。色は黄色でオレンジがかっていますが、桃に袋を掛けないで栽培したものは赤い色が混ざります。主な産地は長野、山形、福島です。品種によっても異なりますが、多くは果汁が少なめで硬さもあるため、缶詰などの加工品に使用されます。ですが近年は、品種改良によってフレッシュフルーツとして楽しめる機会も増えきました。

旬の時期ごとに代表品種を見ていこう

黄桃は缶詰に使用されることが多いです。しかし近年は品種改良によってフレッシュでもおいしく食べることができ、人気が上昇しています。その代表的な品種が「黄金桃(おうごんとう)」です。黄金色のような淡い黄色をしており、甘みも果汁もしっかりでやわらかめの肉質をしています。黄桃の中では非常に人気の品種です。8月下旬〜9月上旬がピークとなります。

そして9月上旬に登場するのが「黄貴妃」。福島県で誕生したこの黄貴妃は、黄金桃より少し硬めにもかかわらずジューシーなのが特徴です。次いで「きららのきわみ」が9月中旬〜下旬にピークを迎えます。このきららのきわみは、白桃種を交配させているため非常にジューシーです。そして、柿のようなカリっとした食感が特徴の「光月」が9月下旬〜10月上旬と続きます。

缶詰に黄桃が多い理由は2点

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缶詰といえば黄桃だよね?と思う人も多いでしょう。白桃の缶詰ももちろんあります。ですが、確かに桃の缶詰といえば黄桃が使用されることがほとんどです。それには理由があります。詳細を説明しますね。

理由1: 果肉が硬く崩れないから

黄桃が缶詰に使用されることが多い理由、その1点目として挙げられるのは果肉の硬さです。黄桃は果肉が硬くしっかりして崩れにくい品種。よって加工がしやすいのです。白桃はジューシーであるがゆえ、柔らかくすぐにつぶれてしまいます。ですが黄桃は加熱処理・殺菌処理をする際にも変形しづらいため、加工食品である缶詰に向いているのです。

理由2: 甘みが少ないから

理由の2点目は糖度の低さにあります。黄桃は一部品種を除き、一般的には糖度が低く甘みが少ないのものがほとんどです。白桃と違い、熟しても甘みが増すことはあまりありません。よって生食には向かず、シロップ漬けにして缶詰として販売するのがちょうどいいのです。

\次のページで「白桃好きは生の黄桃も試してみよう!」を解説!/

白桃好きは生の黄桃も試してみよう!

白桃は見た目が白っぽく、甘みたっぷりでやわらかいのが特徴です。夏のフルーツの代表格ですね。一方黄桃は、その名の通り黄色の桃。硬めで甘さ控えめなため、缶詰に使用されることも多い品種です。このように、白桃と黄桃は、色や味のみならず主な用途にも違いがありました。

白桃は初夏になると食べたくなる人も多いはず!かくいう私も無類の桃好きです。白桃には様々な種類がありますが、桃好きの方は是非、最近人気となっている黄金桃も試してみて下さい。その香りの良さやジューシーさに驚き、黄桃の美味しさに開眼するかもしれませんよ!

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雑学食べ物・飲み物

黄桃は缶詰だけ?白桃と黄桃の違いは3点!特徴や味と食感、品種や用途までデザートのプロがわかりやすく解説

今日は「白桃と黄桃の違い」を見ていきます。
白桃と黄桃は色が違うのは見ての通りですが、他にはどんな違いがあるか知っているか?「黄桃は缶詰でしょ」と思っているヤツも多いでしょうが、一概にそうとも言えないぞ。白桃と黄桃について理解が深まると、桃を選ぶ楽しみもさらに増えるでしょう。
今回は様々なフルーツ製品の輸入も手掛ける現役商社マンMIYABIと一緒に解説していきます。

ライター/MIYABI

某大手商社の食品部門に勤務する現役営業ウーマン。主にヨーロッパの食材の営業・マーケティングに携わり、フルーツ製品の輸入も手掛ける。商品選定と品質チェックのため毎日のように商品を食べ、日々食材の研究を重ねている。

「白桃・黄桃の違い」3つを解説!

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夏のフルーツの代表選手である「桃」。その桃には白桃と黄桃があります。このふたつは品種が異なり、白肉種が白桃、黄肉種が黄桃と呼ばれるものです。この白桃と黄桃の違いとして挙げられるのは主に3点ですが、その詳細を解説していきましょう。

違いその1: 色

白桃はその名の通り白っぽい桃のことで、皮がピンクがかり中の果実は白っぽいのが特徴です。桃のルーツの岡山近辺では、皮も白い桃が一般的となっています。これ対し黄桃は、皮も実も黄色いのが特徴。「山吹色」と言われる色に近く、一見するとアンズにも近い色をしています。

違いその2: 味と食感

白桃は甘みが強く、やわらかいのが特徴です。果汁も多めでジューシーで、皮をむいているうちにどんどん果汁がしたたってくるほどですね!対して黄桃は、果汁が少なめで甘さ控えめ、そして硬い食感が特徴です。

違いその3: 使い道

白桃と黄桃、もっとも大きな違いはその用途でしょう。白桃はそのジューシーで柔らかく甘い特徴から、フレッシュなフルーツとして楽しむことが多いものです。流通量も多く、夏には家庭でも手軽に食べられますね。一方、黄桃は硬く甘みが少ないため、缶詰などに加工されることが多い品種です。近年では品種改良により生食向きの黄桃も出てきていますが、価格も高めなため、家庭で食べる機会は残念ながらあまり多くはありません。

白桃を詳しく!

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フルーツで人気の高い白桃。桃を見かける季節になると、私もついつい毎日のように食べてしまいます。ここではその白桃について、そのルーツから特徴、産地や品種、旬について調べていきましょう。

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