
草食動物は腸が長い
草食動物の腸はとても長いんです。その理由は、植物の消化には時間がかかるため。
ここで、草食動物の消化の仕方には2種類あるのを知っていますか?
1つめが反芻といわれる消化の仕方。これはウシやヒツジにみられる消化方法です。この動物たち、実は胃が4つもあるんですよ。胃に運ばれた食物は4つの胃を順番に通って腸に送られます。中でも1番目の胃(第一胃)には微生物がたくさん住んでおり、それら微生物が発酵をすることによって、植物の中から栄養をとりだしてくれているんですよ。そのおかげで、あんなに大きな身体のウシやキリンでも、植物を栄養にして生きることができるんです。
2つ目は馬やウサギなどの仲間。これらの動物に胃は4つありませんが、かなり太い盲腸を持っているのが特徴です。反芻動物のように盲腸の中には細菌やバクテリアが住んでおり、これらの小さい生物に消化を助けてもらっているんですね。
このように、草食動物は特殊な消化器官をうまく使うことで、普通なら消化が難しい草でも消化することができるんです。そうやって時間をかけて消化してるため、腸が長くないといけないというわけですね。
肉食動物は腸が短い
一方で、肉食動物は腸が短いです。消化管の長さを動物ごとに比較すると、草食動物であるウマは12倍であるのに対し、肉食動物であるネコは体長の3~4倍ほどしかありません。肉はすぐに消化できるため、特別な消化器官もいらないんですね。そのため消化管が短くても大丈夫なんです。ちなみに雑食であるヒトは、体調の7.5倍と、ちょうど肉食動物と草食動物の中間ですね。
草食動物は長距離型
草食動物は非常に長い時間を走ることができます。これは、ライオンなどの自分を食べる捕食者から逃げるためです。また、新しい餌場を求めて長距離を移動する必要があるためでもあるんですよ。
草食動物は群れで生きる動物です。数が多ければそれだけ捕食者に狙われるリスクは低減しますし、それだけ目があれば捕食者を察知することもできます。ただし、その分エサがすぐになくなってしまいますよね。そのため定期的に場所を移動する必要があるのです。ヌーの大移動などが有名な例ですね。そんなときに長距離を走ることのできる持久力が活躍するんです。
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