
陽イオン・陰イオンって何?違いや原理、見分け方を理系ライターが5分で分かりやすくわかりやすく解説!
水が塩に溶ける現象にはイオンというものが関係している。今回は陽イオン、陰イオンという二つのイオンについて原理や考え方を、塾講師として化学を指導した経験がある理系ライター「ふっくらブラウス」と一緒に解説していきます。

ライター/ふっくらブラウス
機械系出身ライター。四力学を中心に、情報科学や材料の物性といった分野についても学んだ。塾講師時代に化学教科の指導を多数経験しているため、化学に関する知識も深い。
そもそもイオンって何?
陽イオン・陰イオン。この言葉に聞き覚えはあっても、実際何なのかいまひとつパッとしない人もいるのではないでしょうか。そこで、陽イオン・陰イオンの解説に入る前に、まずイオンとは何なのか解説していきましょう。
原子や分子というのは、+の電気も-の電気も帯びていない中性の状態が普通です。しかし、何かしらの要因によって原子や分子に電気のバランスがかたよって、+もしくは-に帯電してしまうことがあります。イオンとは、このようにどちらかに帯電してしまった状態の粒子のことです。
イオンは+もしくは-に帯電しています。では、どのような流れで原子や分子が帯電してしまうのでしょうか。引き続き、原子や分子が帯電する理由について見ていきましょう。
イオンの発生と原子の構造の関係

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イオンができる原理について理解するためには、原子がどのような構造をしているのかについて理解が必要です。
原子は、+に帯電している陽子と帯電していない中性子からなる原子核の周りを、-に帯電している電子が飛び回っている構造をとります。原子が持つ陽子の数と電子の数は等しいので、原子全体で見ると帯電はしていません。
電子は原子核に近い側から電子殻というグループごとにまとまっており、電子殻に入る電子の数は以下のように決まっています。
電子殻のルール
K殻(一番内側):電子数2個
L殻:電子数8個
M殻:電子数8個
以下N殻、O殻……と続いていく
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