この記事では「口程にもない」について解説する。

端的に言えば口程にもないの意味は「口で言っている程でもない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「口程にもない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「口程にもない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「口程にもない」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「口程にもない」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「口程にもない」の意味は?

「口程にもない」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.実際は口で言っているほどではない。「大きなことを言うわりには—・いやつだ」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「口程にもない」

「口程にもない」は実際には口で言っている程でもないという意味を表す慣用句です。その人の能力や行動が、普段その人が話していたほど、大したことがない。「口程にもない」はこうした呆れ・見下げのニュアンスが含まれている言葉となっています。少しネガティブなニュアンスがある点に注意しましょう。

口では大きなことを言っていた人物が、実際にはそれほどの能力を持っていなかった。「口程にもない」はこうした場面で使われている言葉です。基本的には書籍・新聞等の文章中を中心として使用されている言葉となっています。この機会にしっかりと意味を覚えておき、語彙力を高めていきましょう。

「口程にもない」の語源は?

次に語源を確認しておきましょう。残念ながら「口程にもない」の語源は現在はっきりとしていません。「口程にもない」の語源ははっきりしていないと覚えておきましょう。「口程にもない」がいつごろから使われだしたのか、という点についてもあわせて確認しておきましょう。

1532年頃の無門関才応抄には「打頭にうでの毛をさすって西蜀を出でた程もなく及二誓言一疏抄を焼て捨たわ、前の口程もないぞ」としてこの言葉が登場しており、非常に古くから使われている表現ということが分かります。「口程にもない」は現在も時折使用されることがある身近な表現です。

\次のページで「「口程にもない」の使い方・例文」を解説!/

「口程にもない」の使い方・例文

「口程にもない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.大口を叩いていた割に、いざとなると口程にもない奴だった。
2.やり合ってみると口程にもない相手で、拍子抜けする。
3.敵わないと思っていた人は、実際には口程にもない実力だった。

「口程にもない」という言葉は例文のように、誰かの能力・行動が口で言っていたほどのものではなかったという意味で使われています。普段大口を叩いている相手が、いざという時になると、言っていたほどの能力・行動を示さない。実力があると聞いていた人物が、実際にはそれほど実力がなかった。

「口程にもない」はこうした状況を表して使われている言葉です。相手への呆れや見下げといったニュアンスが少し含まれることがある点に注意しましょう。書籍・新聞等の文章中を中心に現在も使われている言葉となっています。日常会話など口語では基本的に使わないため注意していきましょう。

「口程にもない」の類義語は?違いは?

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続いて「口程にもない」の類義語・違いについて確認していきましょう。「口程にもない」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「見かけ倒し」

「見かけ倒し」は外見は立派で、実質は劣っているという意味をもつ言葉です。こちらも思っていた程度に対して、実際は劣っているという意味を表す言葉となっており、似た意味をもつ言葉となっています。こちらは外見に対して、中身が劣るという場面で使われる言葉のため注意しましょう。

\次のページで「その2「評判倒れ(ひょうばんだおれ)」」を解説!/

その2「評判倒れ(ひょうばんだおれ)」

「評判倒れ」は評判が高い割に実質は伴っていないこと、評判ほどではないことを意味する言葉です。同様に、評判に対して実際が異なることを意味する言葉となっており、よく似た意味を表す言葉となっています。こちらは評判に対する表現という点に違いがあるため、注意しましょう。

その3「大したことない」

「大したことない」は特に取り立てていうところがないという意味を表す言葉です。こちらも程度の低さを表す言葉となっており、似た意味をもつ言葉となっています。細かいニュアンスや使い方に違いがあるため、意味・用法の違いに注意して使い分けていきましょう。

その4「高が知れる(たかがしれる)」

「高が知れる」は程度が分かる・大したことがないという意味をもつ言葉です。こちらも程度の低さを表現する言葉となっており、似た意味を表す言葉となっています。大したことないという意味を表す他に、程度が分かるという意味も持っている点など違いがあるため、注意していきましょう。

「口程にもない」の対義語は?

つづいて「口程にもない」の対義語についても確認していきましょう。「口程にもない」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「名実相伴う(めいじつあいともなう)」

「名実相伴う」は評判と実際が一致するという意味をもつ言葉です。「口程にもない」が口で言っていた程度よりも実際が劣ることを意味していたのに対し、こちらは評判と実際が一致している様子を表しています。対義語としてこちらの言葉についてもあわせて覚えておきましょう。

「口程にもない」の英訳は?

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つづいて「口程にもない」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「all bark and no bite」」を解説!/

「all bark and no bite」

「all bark and no bite」は、口先ばかりで何もしないという意味を表す英語慣用句です。日本語と同様に、口では大口を叩くものの実際には何もしない、といった意味を表現することができます。日本語とは細かいニュアンス等に違いがあるため、実際に使用する際は注意していきましょう。

「口程にもない」を使いこなそう

この記事では「口程にもない」の意味・使い方・類語などを説明しました。「口程にもない」は実際には口で言っているほどでもないということを表す慣用句です。口で言っている能力・行動に対して、実際にはそれほどでもないということを表し、そうした様子を呆れる・見下げるようなニュアンスを表現しています。

また類義語には「見かけ倒し」、「評判倒れ」、「大したことない」、「高が知れる」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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【慣用句】「口程にもない」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「口程にもない」について解説する。

端的に言えば口程にもないの意味は「口で言っている程でもない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「口程にもない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「口程にもない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「口程にもない」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「口程にもない」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「口程にもない」の意味は?

「口程にもない」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.実際は口で言っているほどではない。「大きなことを言うわりには—・いやつだ」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「口程にもない」

「口程にもない」は実際には口で言っている程でもないという意味を表す慣用句です。その人の能力や行動が、普段その人が話していたほど、大したことがない。「口程にもない」はこうした呆れ・見下げのニュアンスが含まれている言葉となっています。少しネガティブなニュアンスがある点に注意しましょう。

口では大きなことを言っていた人物が、実際にはそれほどの能力を持っていなかった。「口程にもない」はこうした場面で使われている言葉です。基本的には書籍・新聞等の文章中を中心として使用されている言葉となっています。この機会にしっかりと意味を覚えておき、語彙力を高めていきましょう。

「口程にもない」の語源は?

次に語源を確認しておきましょう。残念ながら「口程にもない」の語源は現在はっきりとしていません。「口程にもない」の語源ははっきりしていないと覚えておきましょう。「口程にもない」がいつごろから使われだしたのか、という点についてもあわせて確認しておきましょう。

1532年頃の無門関才応抄には「打頭にうでの毛をさすって西蜀を出でた程もなく及二誓言一疏抄を焼て捨たわ、前の口程もないぞ」としてこの言葉が登場しており、非常に古くから使われている表現ということが分かります。「口程にもない」は現在も時折使用されることがある身近な表現です。

\次のページで「「口程にもない」の使い方・例文」を解説!/

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