この記事では「煮ても焼いても食えない」について解説する。

端的に言えば煮ても焼いても食えないの意味は「手に負えない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「煮ても焼いても食えない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「煮ても焼いても食えない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「煮ても焼いても食えない」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「煮ても焼いても食えない」は分類としては日本語のことわざであるという点も抑えておきましょう。

「煮ても焼いても食えない」の意味は?

「煮ても焼いても食えない」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用の内容をまず確認していきましょう。

1.ほどこす手段がなく持てあます。手におえない。扱いようがない。

出典:精選版 日本国語大辞典「煮ても焼いても食えぬ」

「煮ても焼いても食えない」とは、ほどこす手段がなく持て余してしまう・手に負えないという意味をもった言葉です。ずる賢さや頑固さから、どう対処しても扱うことができない。こうした人の扱いの難しさを表現する際の言葉となっています。こちらは人のことについて書かれることが多いですね。

書籍・新聞等の文章中を中心として、時折使われている言葉です。あまり登場頻度は高くない言葉であるという点についてもあわせて覚えておきましょう。また「煮ても焼いても食えぬ」と書かれることもあります。こちらの点についても注意して覚えることが大切です。

「煮ても焼いても食えない」の語源は?

次に語源・由来を確認しておきましょう。「煮ても焼いても食えない」は、食用にならないものは、煮たとしても焼いたとしても食べることができないことから、同じように、どう対処しても上手く扱うことができない人を指して表現されるようになりました。

同様の意味で「煮ても焼いても噛まれぬ」と書かれることもあります。こちらは現在は一般的に使用される頻度が少なくなっている表現です。「煮ても焼いても食えない」は古風な表現ですが、現在でも書籍・新聞等の文章中で使われることがあるため、この機会にしっかりと覚えておきましょう。

\次のページで「「煮ても焼いても食えない」の使い方・例文」を解説!/

「煮ても焼いても食えない」の使い方・例文

「煮ても焼いても食えない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.向かいの家の主人は、煮ても焼いても食えないような頑固親父らしい。
2.煮ても焼いても食えない相手に困り果てる。
3.息子は私の言うことをまるで聞かない、煮ても焼いても食えないやつだ。

「煮ても焼いても食えない」は例文のように、対処のしようがなく手に負えないような人を指して使われている言葉です。人の言うことを聞かず、持て余してしまうような相手の様子を表現しています。「煮ても焼いても食えない」は基本的には人に対して使われることが多い点にも注意して覚えておきましょう。

書籍・新聞等の文章中で使われており、口語ではあまり使われることがありません。実際に使用する際は、こうした使用場面についても注意して使用することが大切です。どのような手段を講じても、うまく扱うことができないというニュアンスに注意し、使用していきましょう。

「煮ても焼いても食えない」の類義語は?違いは?

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続いて「煮ても焼いても食えない」の類義語・違いについて確認していきましょう。「煮ても焼いても食えない」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「煮ても焼いても食えない」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「手強い(てごわい)」

「手強い」は中々強くて油断することができない、思いどおりにならず手に余るという意味を表す言葉です。同じように、手に負えない相手の様子を表す言葉となっており、似た意味をもった類義語となっています。漢字の読み方は誤りやすいため注意していきましょう。

\次のページで「その2「一筋縄では行かない(ひとすじではいかない)」」を解説!/

その2「一筋縄では行かない(ひとすじではいかない)」

「一筋縄では行かない」は普通のやり方では処理することができないという意味をもつ言葉です。同じように、対処できない様子を表す言葉となっており、似た意味をもった言葉となっています。細かいニュアンス・用法に違いがあるため、注意して使い分けていきましょう。

その3「食えない(くえない)」

「食えない」はずる賢く気が許せないという意味をもつ言葉です。こちらも人の厄介な様子を表している表現で、少し似た意味を表す言葉となっています。「食えない相手」・「食えない奴」といった形で使われることが多い言葉です。こちらもあわせて覚えておきましょう。

その4「老獪(ろうかい)」

「老獪」は経験をよく積んでおり、悪賢いことを表す言葉です。こちらも厄介な人物を表現する言葉となっており、少し似た意味を表す言葉となっています。相手の邪な様子・巧みさを組み合わせて表現する言葉です。こちらもこの機会にしっかりと覚えておきましょう。

その5「箸にも棒にも掛からぬ(はしにもぼうにもかからぬ)」

「箸にも棒にも掛からぬ」は酷いあまりにどうにも扱いようがない・手がつけられないという意味をもつ言葉です。同様に対処のしようのなさを表す言葉となっており、よく似た意味を表す言葉となっています。他に、なんら取り柄のない人を表すこともあるところに注意しましょう。

「煮ても焼いても食えない」の対義語は?

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つづいて「煮ても焼いても食えない」の対義語についても確認していきましょう。「煮ても焼いても食えない」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「御しやすい(ぎょしやすい)」

「御しやすい」は自分の思うように扱いやすいという意味を表す言葉です。「煮ても焼いても食えない」が思うように扱うことができない、持て余すという意味を表していたのに対し、こちらは自分の思うままに扱いやすいという意味を表現しています。対義語としてこちらの言葉もあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「煮ても焼いても食えない」を使いこなそう」を解説!/

「煮ても焼いても食えない」を使いこなそう

この記事では「煮ても焼いても食えない」の意味・使い方・類語などを説明しました。「煮ても焼いても食えない」は対処のしようがなく持て余す、手に負えないという意味をもったことわざです。ずる賢さ・強情さ等から、対処の手段がなく、手に負えない人物の様子を表現して使われています。

また類義語には「手強い」、「一筋縄では行かない」、「食えない」、「老獪」、「箸にも棒にも掛からぬ」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【ことわざ】「煮ても焼いても食えない」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「煮ても焼いても食えない」について解説する。

端的に言えば煮ても焼いても食えないの意味は「手に負えない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「煮ても焼いても食えない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「煮ても焼いても食えない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「煮ても焼いても食えない」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「煮ても焼いても食えない」は分類としては日本語のことわざであるという点も抑えておきましょう。

「煮ても焼いても食えない」の意味は?

「煮ても焼いても食えない」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用の内容をまず確認していきましょう。

1.ほどこす手段がなく持てあます。手におえない。扱いようがない。

出典:精選版 日本国語大辞典「煮ても焼いても食えぬ」

「煮ても焼いても食えない」とは、ほどこす手段がなく持て余してしまう・手に負えないという意味をもった言葉です。ずる賢さや頑固さから、どう対処しても扱うことができない。こうした人の扱いの難しさを表現する際の言葉となっています。こちらは人のことについて書かれることが多いですね。

書籍・新聞等の文章中を中心として、時折使われている言葉です。あまり登場頻度は高くない言葉であるという点についてもあわせて覚えておきましょう。また「煮ても焼いても食えぬ」と書かれることもあります。こちらの点についても注意して覚えることが大切です。

「煮ても焼いても食えない」の語源は?

次に語源・由来を確認しておきましょう。「煮ても焼いても食えない」は、食用にならないものは、煮たとしても焼いたとしても食べることができないことから、同じように、どう対処しても上手く扱うことができない人を指して表現されるようになりました。

同様の意味で「煮ても焼いても噛まれぬ」と書かれることもあります。こちらは現在は一般的に使用される頻度が少なくなっている表現です。「煮ても焼いても食えない」は古風な表現ですが、現在でも書籍・新聞等の文章中で使われることがあるため、この機会にしっかりと覚えておきましょう。

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