この記事では「無理」と「無茶」の違いについてみていきます。どちらも物事の道理が合わない際に使用される言葉というイメージがあるよな。違いはずばり「達成の可能性があるか、ないか」のようですが、意識して使い分けている人はあまり多くないでしょう。今回はそんな「無理」と「無茶」の意味や使い方、類語について雑学大好きのライターSadaieと一緒に解説していきます。

ライター/Sadaie

プログラマー、ヘルプデスク経験者。パソコン関係以外では文学、歴史が好き。それらの知識をわかりやすいかたちで配信したいと考えている。雑学大好き。

無理と無茶 それぞれの意味

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みなさんは上司や先輩から「無理はしても無茶はするな」という言葉をかけらてたことはありませんか。

無理と無茶には「達成可能かどうか」という違いががあるのです。

それぞれの意味について詳しく見ていきましょう。

実現する可能性がある「無理」

「無理」の定義は以下の通りです。

む‐り【無理】
[名・形動](スル)

1 物事の筋道が立たず道理に合わないこと。また、そのさま。「無理を言われても困る」「怒るのも無理はない」「無理な言いがかり」

2 実現するのがむずかしいこと。行いにくいこと。また、そのさま。「無理を承知で、引き受ける」「無理な要求をする」

3 しいて行うこと。押しきってすること。また、そのさま。「もう無理がきかない」「無理に詰め込む」「あまり無理するなよ」

(出典:デジタル大辞泉「無理」, https://www.weblio.jp/content/%E7%84%A1%E7%90%86)

一つ目の意味は「無茶」でも同様です。

ポイントは二つ目の意味で、「実現するのがむずかしいこと」であること。実現が不可能な事柄を指すのではなく、困難ではあるものの、努力すれば達成可能な場合に使われる言葉なのです。

ちなみに、四字熟語の「無理矢理」は無理と知りながらも強引に行うという意味。

実現する可能性はない「無茶」

「無茶」の定義は以下の通りです。

\次のページで「無理と無茶の使い方」を解説!/

むちゃ【無茶】
[名・形動]

1 筋道が立たず、道理に合わないこと。また、そのさま。「無茶を言う」「無茶な考え」

2 程度がはなはだしいこと。度を越していること。また、そのさま。「無茶な飲酒」

3 知識がないこと。また、そのさま。

[補説] 「無茶」は当て字。

(出典:デジタル大辞泉「無茶」, https://www.weblio.jp/content/%E7%84%A1%E8%8C%B6?dictCode=SGKDJ)

一つ目 の意味は「無理」と共通していて、ポイントは二つ目 の意味。程度がはなはだしく、度を越していることとは、すなわち「現実的ではないこと」と言い換えることができるでしょう。

ちなみに、四字熟語「無茶苦茶」の「苦茶」とは無茶をさらに強調するための言葉であって、意味合いは「無茶」と変わりません。

無理と無茶の使い方

無理と無茶の例文を何個か挙げてみましょう。

・70歳で英会話に初挑戦なんて無理だ

・会議のために朝の5時に出勤なんて電車も無いし、無茶だ

・マラソン経験者とはいえ、急にトライアスロンなんて無理だ

・彼は無茶な運転で事故を起こしてしまった

以上のように、実現の可能性・度を超えるかどうかを意識して使い分けるようにしましょう。

また、「無茶」は辞書によっては「乱暴に扱う」という意味もあるので、何かを壊してしまった場合などにも使用します。

\次のページで「無理と無茶の語源」を解説!/

無理と無茶の語源

無理と無茶はなぜそのような字が充てられるようになったのでしょうか。

無理は対義語である「道理」、無茶は古事に由来しています。

無理は「道理」の否定

無理の対義語は「道理」です。意味は「進むべき道、すじが通っていること」。

それらの意味を打ち消し、否定するべく頭を「無」に変えたのが「無理」というわけです。

無茶はお客さんにお茶を出さない様子

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無茶の語源は古事から。無茶とは読んで字のごとく、「お茶が無いこと」。

「無茶苦茶」という言葉が先に生まれ、そこから「無茶」単体でも使用されるようになったようです。

お客を迎えたにも関わらず、お茶を出さない(無茶)、または出しても苦いお茶(苦茶)である様から転じて、「理にかなっていない」、「順序がおかしい」という意味で「無茶苦茶」という字が使用されるようになりました。

無理と無茶の類語

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無理や無茶には類似する言葉まだ他にもありますよね。

「不合理」や「出鱈目」などもありますが、今回は「破天荒」と「無謀」について説明します。

無理か無茶 どちらに転ぶかわからない「無謀」

無謀とは「結果に対して深く考えない」さまを意味します

また、無謀は「無鉄砲」、「向こう見ず」も同義。

\次のページで「人の性質に対して使う「破天荒」」を解説!/

人の性質に対して使う「破天荒」

破天荒とは「主に人の性質が激しく、だいたんで型破りな」さまを意味します。無理や無茶は人の性質に対して使用される言葉ではない点が異なりますね。

破天荒は、上記で説明した意味以外に「今まで誰も成し得なかったことをする」ことという意味もあり、未曾有や前代未聞とも言い換えられます。

無茶は駄目だがビジネスに無理はつきもの

冒頭で「無理はしても無茶はするな」という言葉を出したように、ビジネスやスポーツにおいて結果を出し、成功を収めるめには無理はつきものですね。繁忙期にお客さんからの無理なお願いが重なったりすると、「無理」が「無茶」に変わってしまうこともあるでしょう。大切なのは「無理する頻度」。普段からワークライフバランクを意識して、体調不良の時には適切な検査を受診しましょう。何より大事なのは「自分」なのですから。

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無理と無茶の違いは「実現出来るか」どうか!それぞれの意味や使い方、類語の無謀や無駄について雑学大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「無理」と「無茶」の違いについてみていきます。どちらも物事の道理が合わない際に使用される言葉というイメージがあるよな。違いはずばり「達成の可能性があるか、ないか」のようですが、意識して使い分けている人はあまり多くないでしょう。今回はそんな「無理」と「無茶」の意味や使い方、類語について雑学大好きのライターSadaieと一緒に解説していきます。

ライター/Sadaie

プログラマー、ヘルプデスク経験者。パソコン関係以外では文学、歴史が好き。それらの知識をわかりやすいかたちで配信したいと考えている。雑学大好き。

無理と無茶 それぞれの意味

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みなさんは上司や先輩から「無理はしても無茶はするな」という言葉をかけらてたことはありませんか。

無理と無茶には「達成可能かどうか」という違いががあるのです。

それぞれの意味について詳しく見ていきましょう。

実現する可能性がある「無理」

「無理」の定義は以下の通りです。

む‐り【無理】
[名・形動](スル)

1 物事の筋道が立たず道理に合わないこと。また、そのさま。「無理を言われても困る」「怒るのも無理はない」「無理な言いがかり」

2 実現するのがむずかしいこと。行いにくいこと。また、そのさま。「無理を承知で、引き受ける」「無理な要求をする」

3 しいて行うこと。押しきってすること。また、そのさま。「もう無理がきかない」「無理に詰め込む」「あまり無理するなよ」

(出典:デジタル大辞泉「無理」, https://www.weblio.jp/content/%E7%84%A1%E7%90%86)

一つ目の意味は「無茶」でも同様です。

ポイントは二つ目の意味で、「実現するのがむずかしいこと」であること。実現が不可能な事柄を指すのではなく、困難ではあるものの、努力すれば達成可能な場合に使われる言葉なのです。

ちなみに、四字熟語の「無理矢理」は無理と知りながらも強引に行うという意味。

実現する可能性はない「無茶」

「無茶」の定義は以下の通りです。

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