双子葉類の子葉の役割2:光合成を行う
無胚乳種子の地上子葉性には、光合成をおこなって栄養を作り出す役割を果たしている種類もあります。アサガオやキュウリなどのウリ科、ダイコンなどのアブラナ科の植物などがありますね。発芽後には子葉を大きく展開して光合成をおこないます。小学生のときに、アサガオの観察をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
そして、双子葉類で有胚乳種子である例としてよく挙げられるのがカキノキ。有胚乳種子は胚乳をもち、胚乳に蓄えられている養分を使用して発芽する植物です。
単子葉類の子葉の役割
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単子葉類はほとんどが有胚乳種子です。イネ科のイネ、ススキ、トウモロコシ、ユリ科のユリ、チューリップなどが該当します。種子の大部分が胚乳で占められている、つまり私たちが食べているお米やトウモロコシの大部分は胚乳ということです。
子葉については、単子葉植物は1枚で、細長い形状をしていること、ご存じのかたは多いですよね。実はイネ科の子葉は子葉鞘(または幼葉鞘などともいいます)と、胚盤という2つの部分から成り立っているのです。よく皆さんがイメージされる単子葉植物の子葉は子葉鞘の部分で、これは本葉の部分を守る働きをしています。そして見えていない胚盤の部分は、地中で胚乳の栄養を吸収して地上に送る役割を担っているのです。
環境に合わせて進化をとげてきた植物たち
この記事では植物の分類をおさらいし、子葉の役割や機能について解説いたしました。ひとことで子葉と言っても地上に出るものだけでなく、地下で人知れず栄養を送り続けている種類もあるなんて、ご存じでしたか。胚乳の有無や子葉の役割など、長い年月を経て、進化しながら生存してきたことが分かりますね。
また、植物も生き物ですから、例外もあります。ここで紹介しきれなかった植物で、どの項目にも当てはまらないような植物も出てくるかもしれません。
身の回りに何気なく存在している植物ですが、一度子葉にも目を向けてみると、おもしろいかもしれませんね。