裸子植物の子葉
Sergey S. Dukachev – My Canon EOS 400D, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
ところで、裸子植物の子葉については授業で習ったことはないですよね。写真などでも、見たことがある人は少ないかもしれません。
実は裸子植物の子葉の枚数は植物によって、さまざまなのです。例えばイチョウやソテツなどは2枚。マツやスギは3枚以上の子葉を形成し、多子葉植物と呼ばれています。被子植物とは違い、子葉の枚数が同じ仲間の中でも異なるため、それ以上に分類はされていないようです。
人間や動物の赤ちゃんと同じで、植物の子葉も小さくてかわいいですよね。
被子植物の子葉
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被子植物は普通、子葉が1枚の単子葉植物と、子葉が2枚の双子葉植物に分類されます。双子葉植物の芽生えを、小学1年生では双葉(ふたば)という言葉で学習するようです。
まずは最初に分類の説明から。植物は種子の成熟過程で胚乳がなくなる種類(無胚乳種子)と、胚乳に栄養を蓄える種類と(有胚乳種子)があります。双子葉植物は無胚乳種子がほとんど。実は、無胚乳種子と有胚乳種子で、それぞれで子葉が担う役割が異なるのです。
さらには無胚乳種子の中でも子葉が地中に残る地下子葉性の植物と、子葉が地上に出る地上子葉性の植物があります。それぞれについて子葉の役割をみていきましょう。
双子葉植物の子葉の役割1:栄養分の貯蔵
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双子葉類の無胚乳種子の子葉の役割として、栄養分の貯蔵を行う種類があります。発芽してから本葉で光合成が行われるまでに必要な栄養分が、子葉に蓄えられているのです。
地下子葉性の植物としてはドングリの仲間のコナラ、マメ科のエンドウ、ソラマメなど。これらの子葉は地中で種皮を付けたままの状態で、地上の茎や本葉に栄養を送る役割があります。もちろん光合成も行いません。
地上子葉性で代表的なものはマメ科のダイズやインゲンなどがあります。こちらの子葉も同様に栄養分を貯蔵していますが、子葉が地上に出るというところが大きな違いです。インゲンは成長とともに子葉の養分を使い、しぼんでいくことが簡単に観察できます。ダイズは本葉のように葉を大きく展開するわけではありませんが、緑化して光合成をすることも知られている植物です。
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