
子葉と聞くと、中学校で学習したことを思い出す人もいるかもしれませんね。植物の子葉は双子葉植物と単子葉植物で違いがあることを覚えている人も多いでしょう。しかしいざ子葉の働きを問われると、答えに困る人もいるかもしれない。植物の分類をおさらいしながら、子葉の役割について学んでいこう。
この記事では大学院で植物の研究をしていた理系院卒ライターtomato1121と解説していきます。
ライター/tomato1121
大学と大学院で学んだことを元に、生物の楽しさを伝えたいと思いライターになる。生物学の知識を分かりやすく伝え、多くの人に興味を持ってもらえるように日々奮闘中。
種子植物は裸子植物と被子植物に分けられる

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植物の分類からおさらいしていきましょう。まず、種子を作って次世代に子孫を残す植物を種子植物といいます。種子植物には構造の違いから、裸子植物と被子植物に分類されますね。
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裸子植物とは
裸子植物は胚珠がむき出しになっている植物です。胚珠に花粉が付着すると、花粉は胚珠にある穴(珠孔)から胚珠に入ります。すると花粉からは花粉管が伸び、その中で精細胞がつくられ、卵細胞と受精に至るのです。受精すると胚珠は種子になりますね。
代表的な裸子植物の例としては、イチョウ、ソテツ、マツなどがあります。
イチョウやソテツは花粉から精細胞ではなく、精子をつくる植物です。春に受粉した花粉は胚珠の花粉室という場所に入ります。そこから秋にかけて花粉室で精子を形成。鞭毛を使って卵細胞まで泳げるようになります。受粉してから精子の形成、受精に至るまでは約5か月かかるそうです。
被子植物とは
被子植物は胚珠のまわりが子房という組織で包まれている植物です。次世代の子孫になりうる大事な胚珠を、子房で保護しているようにも思えますね。
さて、被子植物は受粉したあとに花粉管を伸ばします。その花粉管内では、2つの精細胞がつくられることは覚えていますか。その2つの精細胞は胚珠の中の卵細胞と中央細胞にそれぞれ受精する、重複受精という形式をとるのです。
受精した中央細胞は胚乳になります。受精した卵細胞は胚になり、やがて子葉や幼根、胚軸、幼芽へと分化。胚珠は種子となります。この重複受精は被子植物が進化の過程で獲得した、独特の現象なのです。
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