アリは日常生活において身近な存在ですが、このアリはどのような生態なのかよくしらないのではないでしょうか?これを機会にアリの生態について、アリの中での役割分担やアリの種類も含めて学んで行こうじゃないか。
大学で生物を学び、現在は食品メーカーの研究員であるライター、ハナイグチに解説してもらおう。
ライター/ハナイグチ
大学で生物学を学び、現在は食品メーカーの研究員として勤務している。
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アリの社会は完全分業制
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アリの巣には大量のアリが住んでいます。小さいころアリの巣に小枝を突っ込んだりとちょっかいを出した結果、大量のアリの逆襲にあったという方もいるのではないでしょうか。
このようにアリは集団で協力し合って生活しているのですが、その役割はそれぞれきっちり分業されています。
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その通り!女王アリと働きアリとでも役割が違いますし、働きアリの中でも色々な業務が割り振られていて分業しているんです。
このように分業して生活する昆虫を社会性昆虫と呼び、アリはその代表例。他にはハチなどが挙げられますね。それではどのような役割に分業しているのか解説したいと思います。
女王アリ
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まずは女王アリです。この言葉は良く耳にするのではないでしょうか。女王アリの役割はズバリ産卵です。産んで産んで産みまくる、とにかく子孫を増していくのが女王アリの役割なんですね。
女王アリは遺伝的に決まっているわけではなく環境要因によって決定します。どのような要因が女王アリたらしめるのでしょうか。ミツバチの場合はローヤルゼリーを与えられた個体が女王バチになるのですが、アリについてはどうすれば女王アリになるのか詳しいことが未だ解明されておりません。まだまだ自然には不思議なことがいっぱいです。
ちなみに女王アリは次に記載する働きアリに比べてとっても長命。働きアリの寿命が3年程度であるのに対し、女王アリは10年くらい生きます。
女王というくらいですから1つの巣に1匹のみいるというイメージですが、実は複数存在する場合も少なくありません。複数存在する経緯としては、巣の外で交尾した女王アリが元の巣に戻ってくる場合や次世代の女王アリが同じ巣の中にいるオスと交尾をする場合などがあります。
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