この記事ではハヤシライスとカレーの違いについてみていきます。どちらも見た目がかなり似ているイメージのある料理ですね。違いはずばり味付けのようですが、発祥地や具材など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はそんな似ている料理であるハヤシライスとカレーの違いを、味から確認しつつ、料理好きライター田嶋と一緒に解説していきます。

ライター/田嶋あこ

料理好きライター。最近は健康を意識するようになり、糖質控えめなメニューを勉強中。日頃の料理経験を活かして違いを分かりやすく解説していく。

ハヤシライスとカレーのざっくりした違いって?

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ハヤシライスとカレーは家でも比較的によく作られるメジャーな料理です。ただ見た目がかなり似ていて少し区別しづらいですよね。ざっくりした違いから、ハヤシライスとカレーの異なるポイントをチェックしていきましょう。

ざっくりした違いは「味付け」にあり

ハヤシライスとカレーは調理方法や見た目は似ていますが、料理の決め手となる味付けに明確な違いがあります。

ハヤシライスは具材を炒めた後に煮込み、デミグラスソース(ドミグラスソース)で味付けを。カレーは、様々なスパイスを混ぜ合わせたルー(小麦粉とバターを炒め合わせたもの)で味付けされています。

味付けのポイントとなる調味料が違うので、料理自体も全く別のものと言えるでしょう。

ハヤシライスとカレーの違いを詳しく確認!

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味付けに使う調味料が最大の違いであるハヤシライスとカレーですが、他にも異なるポイントはあります。発祥地・具材・味・カロリーの4つの視点から比較してみましょう。

ハヤシライスとカレーの「発祥地」の違い

ハヤシライスとカレーは発祥地にも違いがあります。それぞれ何処で誕生した料理なのかチェックしていきましょう。ハヤシライスについては諸説あるので、2つの説をピックアップしてご紹介していきます。

\次のページで「ハヤシライスとカレーの「具材」の違い」を解説!/

ハヤシライスの発祥地


(1)ヨーロッパから伝わった煮込み料理「Hashed beef(ハッシュドビーフ)」がルーツという説
→ハッシュドビーフを日本に馴染む味付けにして、ご飯にかけた料理であるという考え。語源も「Hashed beef with Rice(ハッシュドビーフウィズライス)」などのメニュー名が訛って、「ハヤシライス」になったと考えられている。
(2)丸善の創業者である「早矢仕有的(はやしゆうてき)」が考案したという説
→西洋料理に詳しかった早矢仕有的が友人などに振る舞っていた料理が評判になり、「ハヤシライス」と呼ばれてレストランのメニューとして取り入れられていったという話もある。

カレーの発祥地

カレーの発祥地はインド。本場ではご飯(インディカ米)・チャパティ・ナンと合わせて食べられている。明治時代にイギリスの船でインドのカレー粉が持ち込まれ、日本でもカレーが広まっていった。
発祥地であるインドのカレーはサラサラとしたスープ状であり、日本の一般的なカレーとは異なる。日本のカレーにとろみがついているのは、英国風カレーのレシピをお手本にしたからと言われている。

ハヤシライスとカレーの「具材」の違い

見た目が似ているハヤシライスとカレーですが、よく使われる具材にも違いがあります。それぞれの定番具材をみていきましょう。

ハヤシライスの定番具材は牛肉・玉ねぎ・マッシュルーム。牛肉は角切りではなく、細かく切り落とされているものを使うことがほとんどです。

カレーの定番具材は豚肉・玉ねぎ・にんじん・じゃがいも。定番レシピで比べると、ハヤシライスよりカレーの方が使われる具材の種類が多いですね。お肉はカレーも細かく切り落とされている場合が多いですが、野菜のカットはやや大きめな印象を受けます。

どちらも肉や野菜の種類をあまり選ばずに作れる料理なので、家庭やお店によって使用する具材は幅広いです。季節の野菜などを加えて変化を出すのもいいですね。

ハヤシライスとカレーの「味」の違い

ハヤシライスの味の決め手となっているのはデミグラスソース。ベースとなっている、トマトのほのかな酸味が特徴です。具材の牛肉からでるダシや玉ねぎの甘みなどが相まって、まろやかで深みのある味を感じます。

カレーはターメリック・クミン・カイエンペッパー(チリペッパー)・コリアンダー・ガラムマサラなど、様々なスパイスが使われているのが特徴。

ピリッとした辛味を感じるものも多いです。スパイスを配合する割合によって香りや辛さ、色味などが変わったりと奥深さがあります。

ハヤシライスとカレーの「カロリー」の違い

同じ量かつ、定番具材(お肉はどちらも牛肉)を使った場合のハヤシライスとカレーのカロリーを比べてみましょう。この場合、ハヤシライスは800kcal程度・カレーは900kcalを超える結果になります。

カレーはハヤシライスより基本の具材が多いので、その分カロリーも高めになっているようです。お肉を牛肉から鶏肉に変えると、カレーの方がカロリーは少なくなります。

このようにカロリーで比べると両方に決定的な違いはありません。またどちらもご飯と合わせて食べることもあり、基本的にカロリーは高めです。

カロリーが気になる方は、ご飯を少なくしたりカロリーオフタイプのルーやソースを使ってみてください。

ビーフシチュー・ビーフストロガノフ・ハッシュドビーフとの違いは?

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ハヤシライスとカレーに似ている料理として、ビーフシチュー・ビーフストロガノフ・ハッシュドビーフをピックアップしました。どれも煮込み料理で、見た目が茶色っぽいという共通点があります。

食べたことがないと区別がつきづらい料理達です。それぞれの特徴を調べつつ、ハヤシライスやカレーとの違いを確認していきましょう。

\次のページで「ビーフシチューとビーフストロガノフは全く別の料理」を解説!/

ビーフシチューとビーフストロガノフは全く別の料理

ビーフシチューとビーフストロガノフも、ハヤシライスやカレーとの違いが分かりにくいですが、結論を言うとそれぞれ全く別の料理です。どんなところが違うのか、料理の特徴をチェックしていきましょう。

ビーフシチュー

発祥地:イギリス
定番具材:牛肉(角切り)・じゃがいも・玉ねぎ・にんじん
味の特徴:デミグラスソースで味付け

デミグラスソースで味付けするという点はハヤシライスと同じだが、ブイヨンで長時間煮込んだりと作り方などが違う。
具材もゴロゴロと大きめにカットされたものを使うことが多い。ハヤシライスやカレーと比べて水分量が少なく、あくまでメインは具材である。
またご飯にかけることはほとんどない。シチュー単品で食べることがほとんど。

ビーフストロガノフ

発祥地:ロシア
定番具材:牛肉(切り落とし)・玉ねぎ・マッシュルーム
味の特徴:サワークリームが入ったソースで味付け

定番の具材はハヤシライスと同じだが、ソースにサワークリームを入れる(もしくは仕上げにかける)という大きな違いがある。サワークリームがアクセントになり、ハッキリした酸味とコクを感じる味わい。日本で見るビーフストロガノフの大半は茶色っぽいが、本場のビーフストロガノフはクリームシチューのような白っぽい見た目をしているのも特徴。

ハッシュドビーフはハヤシライスとほぼ同じ料理

ハッシュドビーフとハヤシライスの定義は曖昧です。ハッキリとした違いもなく、ほぼ同じ料理であるとされています。ただ、世間ではそれぞれの味に違いを感じている方が多いという調査結果も。

ハウス食品の調査(2014年)では、ハヤシライスはお子さまが好きな甘みのあるトマトソースの味、ハッシュドビーフはデミグラスソースをベースとした大人の味、というメニューイメージをお持ちの方が多いようです。

(出典:ハウス食品

確かに市販のルーなどを使うとハヤシライスの方がトマト感が強く、味もあまり複雑ではないので食べやすい印象を受けます。また何となく、ハッシュドビーフはご飯に合わせるというより、パンに合わせるという方も多いのではないでしょうか?

料理としてほとんど違いがないものなのに、イメージが異なるのは面白いですね。

ハヤシライスとカレーのルーを混ぜるのもおすすめ

ハヤシライスとカレーは使用する調味料に違いがあるので味も異なります。ハヤシライスは酸味があり、カレーはスパイシーな辛みが特徴です。それぞれの特徴を活かした「ハヤシカレー」という料理はご存じでしょうか?

市販のカレールーとハヤシライスのルー(もしくはソース)を半分ずつ入れて混ぜるだけで完成します。作り方の手順は普段市販のルーを使ってカレーを作る時と変わりありません。

簡単ですが、カレールーだけで作るよりコクの深いカレーを楽しむことができますよ。いつも家で作っているカレーライスやハヤシライスに飽きてしまった方は、ぜひ試してみてくださいね。

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雑学食べ物・飲み物

3分でわかるハヤシライスとカレーの違い!味や具材は?ビーフシチューなどとの違いも料理好きライターが詳しくわかりやすく解説

ビーフシチューとビーフストロガノフは全く別の料理

ビーフシチューとビーフストロガノフも、ハヤシライスやカレーとの違いが分かりにくいですが、結論を言うとそれぞれ全く別の料理です。どんなところが違うのか、料理の特徴をチェックしていきましょう。

ビーフシチュー

発祥地:イギリス
定番具材:牛肉(角切り)・じゃがいも・玉ねぎ・にんじん
味の特徴:デミグラスソースで味付け

デミグラスソースで味付けするという点はハヤシライスと同じだが、ブイヨンで長時間煮込んだりと作り方などが違う。
具材もゴロゴロと大きめにカットされたものを使うことが多い。ハヤシライスやカレーと比べて水分量が少なく、あくまでメインは具材である。
またご飯にかけることはほとんどない。シチュー単品で食べることがほとんど。

ビーフストロガノフ

発祥地:ロシア
定番具材:牛肉(切り落とし)・玉ねぎ・マッシュルーム
味の特徴:サワークリームが入ったソースで味付け

定番の具材はハヤシライスと同じだが、ソースにサワークリームを入れる(もしくは仕上げにかける)という大きな違いがある。サワークリームがアクセントになり、ハッキリした酸味とコクを感じる味わい。日本で見るビーフストロガノフの大半は茶色っぽいが、本場のビーフストロガノフはクリームシチューのような白っぽい見た目をしているのも特徴。

ハッシュドビーフはハヤシライスとほぼ同じ料理

ハッシュドビーフとハヤシライスの定義は曖昧です。ハッキリとした違いもなく、ほぼ同じ料理であるとされています。ただ、世間ではそれぞれの味に違いを感じている方が多いという調査結果も。

ハウス食品の調査(2014年)では、ハヤシライスはお子さまが好きな甘みのあるトマトソースの味、ハッシュドビーフはデミグラスソースをベースとした大人の味、というメニューイメージをお持ちの方が多いようです。

(出典:ハウス食品

確かに市販のルーなどを使うとハヤシライスの方がトマト感が強く、味もあまり複雑ではないので食べやすい印象を受けます。また何となく、ハッシュドビーフはご飯に合わせるというより、パンに合わせるという方も多いのではないでしょうか?

料理としてほとんど違いがないものなのに、イメージが異なるのは面白いですね。

ハヤシライスとカレーのルーを混ぜるのもおすすめ

ハヤシライスとカレーは使用する調味料に違いがあるので味も異なります。ハヤシライスは酸味があり、カレーはスパイシーな辛みが特徴です。それぞれの特徴を活かした「ハヤシカレー」という料理はご存じでしょうか?

市販のカレールーとハヤシライスのルー(もしくはソース)を半分ずつ入れて混ぜるだけで完成します。作り方の手順は普段市販のルーを使ってカレーを作る時と変わりありません。

簡単ですが、カレールーだけで作るよりコクの深いカレーを楽しむことができますよ。いつも家で作っているカレーライスやハヤシライスに飽きてしまった方は、ぜひ試してみてくださいね。

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