この記事では「足場を固める」について解説する。

端的に言えば足場を固めるの意味は「拠り所を確かなものにする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「足場を固める」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「足場を固める(あしばをかためる)」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「足場を固める」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「足場を固める」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「足場を固める」の意味は?

「足場を固める」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「Weblio辞書」で用語検索してみると、次のような記載が収録されています。こちらの引用の内容をまず確認していきましょう。

1.自分が立っている足元の土を、踏みしめるなどして固くすること。物事を行うにあたって拠り所を堅固にすること、ちょっとやそっとの事では情勢が変化しないように油断なく念入りに準備をすることなどを示す比喩として用いられることが多い。

出典:実用日本語表現辞典 「足場を固める」

「足場を固める」は自分が立っている場所の土を踏みしめ固くすること、物事を始める際の拠り所(よりどころ)を確かにすることを意味する言葉です。土を踏みしめ固めるという直接的な意味だけでなく、そうした状況を比喩して、物事を始める際の拠り所・土台をしっかりしたものにする意味を表して使われています。

大掛かりなことを始めるに当たって、失敗してしまわないよう、念入りに準備をしておく。「足場を固める」はこうした様子を比喩的に表現した慣用句となっています。書籍・新聞等の文章中のほか、日常会話などの口語においても時折使われている身近な表現です。この機会にしっかりと意味を覚えておきましょう。

「足場を固める」の語源は?

次に「足場を固める」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「足場を固める」の語源は現在はっきりとはしていません。「足場を固める」の語源ははっきりとしていないと覚えておきましょう。「足場を固める」はもともと、言葉そのままに、足で踏む場所を固めるという意味で使われていた言葉です。

その後「足場を固める」はそうした拠り所をより確かにする行為を比喩し、物事を始める際の土台をしっかりと堅固にすることを表すようになります。「足場を固める」は、足下の土を踏みしめ固めるイメージが含まれている言葉です。こうしたイメージから意味についてより深く捉えていきましょう。

\次のページで「「足場を固める」の使い方・例文」を解説!/

「足場を固める」の使い方・例文

「足場を固める」の使い方を例文をヒントに見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のような場合に用いられます。

1.新規事業を立ち上げるに当たって、まずは念入りに情報収集を行い足場を固める。
2.海外に移り住むと決めてからは、着々と準備を進め足場を固めた。
3.入社後はまずは足場を固めることに終始し、会社での自分のポジションを確立していった。

「足場を固める」は例文のように、物事を始める際の拠り所を確かにするという意味で使われている言葉です。失敗してしまわないよう、しっかりと準備し土台・基礎を固める。「足場を固める」を実際に使用する際は、こうしたニュアンスに注意しながら使用していきましょう。

書籍・新聞等の文章中だけでなく、日常会話などの口語においても時折使われている言葉となっています。こうした使用場面についてもあわせて注意しながら使用していくことが大切です。例文から実際の使用場面をイメージし、「足場を固める」の意味・使用方法についてより深く理解していきましょう。

「足場を固める」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

続いて「足場を固める」の類義語・違いについて確認していきましょう。「足場を固める」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「足場を固める」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「地固め」

「地固め」は家など建物を建てる際に地面をならして固くすること、物事の基礎をしっかり固めることを意味する言葉です。こちらも物事の基礎を固めておくことを意味する言葉となっており、「足場を固める」とよく似た意味をもった類義語となっています。意味・使用頻度などに違いがあるため注意していきましょう。

\次のページで「その2「地均し(じならし)」」を解説!/

その2「地均し(じならし)」

「地均し」は地面のでこぼこをなくし平らにすること、物事をうまく進めるために予め準備することを意味する言葉です。こちらも物事を進める上での準備を表す言葉となっており、「足場を固める」と似た意味をもった類義語となっています。こちらも細かい意味・使用頻度に違いがあるため注意しましょう。

その3「根締め(ねじめ)」

「根締め」は移植した樹木の根本を突いて固めること、緩まないように物事の根本を締め固めることを意味する言葉です。こちらも物事の基礎をしっかり固めることを意味する言葉となっており、「足場を固める」と似た意味をもった言葉となっています。こちらは登場頻度の少ない言葉となっている点に注意しましょう。

その4「地盤固め(じばんがため)」

「地盤固め」はある活動を始めるために基盤を確かなものにすることを意味する言葉です。こちらも基盤・土台を確かなものにすることを意味する言葉となっており、「足場を固める」と似た意味をもった言葉となっていますね。細かいニュアンス・使用頻度などに違いがあるため、注意して使い分ける必要があります。

その5「足掛かり」

「足掛かり」は物事をする際のきっかけ・糸口を意味する言葉です。こちらも物事を始める際に使われている言葉となっており、「足場を固める」と少し似た意味を持った類義語となっています。物事の糸口・きっかけを意味する言葉となっており、意味に違いがあるため、注意して使い分けていきましょう。

「足場を固める」の対義語は?

image by iStockphoto

つづいて「足場を固める」の対義語についても確認していきましょう。「足場を固める」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「不用意」

「不用意」は用意していないこと・準備がととのっていないこと、注意・用心が足りないことを意味する言葉です。「足場を固める」が物事の準備を整え用心することを意味しているのに対し、「不用意」ではそうした準備・用心をしていないことを意味する言葉となっています。対義語としてあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「足場を固める」を使いこなそう」を解説!/

「足場を固める」を使いこなそう

この記事では「足場を固める」の意味・使い方・類語などを説明しました。「足場を固める」は足下の土を踏みしめ固めること、またそうした様子を比喩して、物事を始める際の拠り所を確かにすることを意味する慣用句です。物事の土台をしっかりしたものにするため、念入りに準備する行為を表しています。

また類義語には「地固め」、「地均し」、「根締め」、「地盤固め」、「足がかり」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

" /> 【慣用句】「足場を固める」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「足場を固める」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「足場を固める」について解説する。

端的に言えば足場を固めるの意味は「拠り所を確かなものにする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「足場を固める」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「足場を固める(あしばをかためる)」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「足場を固める」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「足場を固める」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「足場を固める」の意味は?

「足場を固める」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「Weblio辞書」で用語検索してみると、次のような記載が収録されています。こちらの引用の内容をまず確認していきましょう。

1.自分が立っている足元の土を、踏みしめるなどして固くすること。物事を行うにあたって拠り所を堅固にすること、ちょっとやそっとの事では情勢が変化しないように油断なく念入りに準備をすることなどを示す比喩として用いられることが多い。

出典:実用日本語表現辞典 「足場を固める」

「足場を固める」は自分が立っている場所の土を踏みしめ固くすること、物事を始める際の拠り所(よりどころ)を確かにすることを意味する言葉です。土を踏みしめ固めるという直接的な意味だけでなく、そうした状況を比喩して、物事を始める際の拠り所・土台をしっかりしたものにする意味を表して使われています。

大掛かりなことを始めるに当たって、失敗してしまわないよう、念入りに準備をしておく。「足場を固める」はこうした様子を比喩的に表現した慣用句となっています。書籍・新聞等の文章中のほか、日常会話などの口語においても時折使われている身近な表現です。この機会にしっかりと意味を覚えておきましょう。

「足場を固める」の語源は?

次に「足場を固める」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「足場を固める」の語源は現在はっきりとはしていません。「足場を固める」の語源ははっきりとしていないと覚えておきましょう。「足場を固める」はもともと、言葉そのままに、足で踏む場所を固めるという意味で使われていた言葉です。

その後「足場を固める」はそうした拠り所をより確かにする行為を比喩し、物事を始める際の土台をしっかりと堅固にすることを表すようになります。「足場を固める」は、足下の土を踏みしめ固めるイメージが含まれている言葉です。こうしたイメージから意味についてより深く捉えていきましょう。

\次のページで「「足場を固める」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: