理科生物生物の分類・進化細胞・生殖・遺伝

植物の塊茎とは?地下茎からどうやってできるの?地下茎や塊茎の役割も合わせてわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は「塊茎(かいけい)」について学習していこう。塊茎は地下茎からできるが、そもそも塊茎や地下茎という言葉を聞いたことがない人もいるだろう。塊茎の例として最も有名なジャガイモを例に、地下茎や塊茎の役割、塊茎が作られる過程について学んでいこう。
大学院で植物の研究していた、生物に詳しいライターAnnaと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/Anna

大学で生物学について幅広く学び、大学院では植物の研究をしていた。生物学の楽しさをたくさんの人に広められるよう日々勉強中。

「塊茎」は地下茎の一部が肥大化したもの

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塊茎(かいけい)とは地下茎(ちかけい)の一部が養分を蓄えて肥大化して塊状になったものです。塊茎や地下茎などあまり聞きなじみがない言葉だと思いますので、まずはそれぞれの用語から説明していきますね。

地下茎とは地下に伸びた茎のこと

地下茎とは地下に伸びた茎のこと

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地下茎とはその名の通り地下に伸びた茎のことです。通常私たちが植物の茎と呼んでいる部分は地表より上、つまり地上部に伸びていると思いますが、植物によっては地下に茎を伸ばすものもいます。地表より上に伸びる茎は地下茎と区別して「地上茎(ちじょうけい)」と呼ぶこともあるんですよ。

地下茎は地中に存在するためよく根と間違えられやすいですが、根とは構造が異なるため見分けることが可能です。根には根冠や根毛がありますが地下茎にはありません。他にも地下茎は葉をつけたり芽が出るため見分けることができます。また、横断面の組織を見てみると師部(有機養分が通る器官)と木部(水や無機養分が通る器官)の配置が違うんですよ。配置が異なるのは根は地中の養分や水を吸収する器官であるのに対して、地下茎は養分や水を運搬する器官であることが理由です。

地下茎は形によって分類されている!

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地下茎は植物によって様々な形状をしていて、形状により塊茎、球茎(きゅうけい)、根茎(こんけい)、鱗茎(りんけい)の4つに分類されることが多く、地下茎の中にはジャガイモやタマネギなど野菜として知られているものもあるんですよ。塊茎についてはこの後詳しく解説しますが、球茎は球状やタマゴ形をしたものでサトイモやクワイがあります。根茎は地下で這うように伸びるのが特徴で、ショウガやタケやワラビ、そして多年生の雑草も根茎をつくるんですよ。鱗茎は肉質な葉(鱗片葉(りんぺんよう))で包まれていて、タマネギやスイセンなどが鱗茎をつくります。

\次のページで「塊茎は養分が貯蔵された不定形の塊」を解説!/

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