今回は汗をかく動物について学習していこう。私たちは普段から暑いときや運動したときには汗をかくよな?特に人間とウマは汗っかきな動物なんです。競馬場などでウマから汗が出ているのを見たことがある人もいるでしょう。汗は体温調節に重要な役割を持つ、哺乳類には欠かせない機能です。しかし哺乳類全体でみると、全身から汗をかく動物は意外と少ない。人間やウマのように汗をかく動物がいる一方で、汗をかかない動物はどのようにして体温調節をしているのかを学生時代、獣医学部で動物のことを勉強していたライターみんちが解説していきます。

ライター/みんち

学生時代、獣医学部で動物の知識を学んだ。趣味は動物園巡り。ライターとして、初心者にもわかりやすく、質のある情報を提供できるよう、日々奮闘中。

汗をかくのは人間だけじゃない!

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私たちは暑いと汗をかきますよね。しかし、汗をかくのは人間だけではないんですよ。全身が毛で覆われている動物でも、実はちゃんと汗をかいているんです。

汗は体温を調節するための機能

まず、汗にはどんな役割があるのでしょうか?一緒に見ていきましょう。

汗の役割とは?

汗は体温調節に欠かせない機能です。ところで、なぜ汗をかくと体温が下がるのでしょう?それは、身体の表面の水分が蒸発することで体の熱エネルギーをうばっているから。ヒトに限らず、ほとんどの動物は体温が40℃を超えると脳が正常に動かなくなってしまいます。汗をかくことで、自分の体温を上げすぎないようにコントロールしているんですね。

汗の出る部分は2種類!

汗の出る部分は2種類!

image by Study-Z編集部

汗は皮膚表面にある汗腺という部位から出てきます。汗腺には「エクリン腺」「アポクリン腺」の2種類があり、それぞれに性質が異なるんです。

エクリン腺は全身のほとんどに分布している、主に体温調節のための汗を出している汗腺。分泌される汗は無味無臭です。

一方、アポクリン腺は身体一部にしかありません。特にワキの下に多く分布し、白く濁った色をしています。また、わきがの原因にもなるニオイのもととなる成分を多く含んでおり、もともとはフェロモンの役割を果たしていたそうですよ。

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汗をかくのは哺乳類のみ

哺乳類には汗をかくという特徴があり、基本的にほとんどの哺乳類に汗腺があります。哺乳類は体温を一定に保つしくみが体に備わっており、このような動物は恒温動物とよばれます。哺乳類は自分の体温を保つためにも汗をうまく使って調整しているんですね。

汗をかく動物は少ない!

動物の名なかでもウマとサルの仲間はかなりの量の汗をかきます。その中でもダントツでたくさん汗をかくのが実は人間なんですよ。ここからは、汗をかく動物を紹介していきますね。

ヒト:動物界のなかで最も汗っかき

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動物界の中でも特に大量の汗をかくのが私たち人間です。

これは、私たち人類の祖先が関係しています。昔の人類は狩りをして獲物をしとめ、栄養にしてきました。普通、日中の暑い時間に獲物を長時間追いかけていると体温が上昇し続けてしまいますよね?しかし、ヒトは汗の機能を獲得したことで、過度な体温の上昇を防ぐことができたのです。一方、追いかけられる動物は体温がどんどん上昇してしまい動けなくなってしまいますね。このように発汗という機能は狩りの際にも大きな役割を果たしていました。そこで、他の動物よりも効率的に熱を下げる仕組みが獲得されたというわけですね。

ウマ:汗が白く泡立つ?!

競馬などでウマの身体が全身びっしょりになっているのを見たことはありませんか?ウマは人間のように大量の汗をかきます。しかしヒトと違うのは、ヒトは気温の変化だけで大量の汗をかくのに対し、ウマは運動や緊張、興奮などでの要素がないと汗をかかないところです。犬や猫は全身にアポクリン腺がありますが、このアポクリン腺からはほとんど汗をかきません。しかしウマはアポクリン腺から大量の汗をかくんですよ。

ウマは汗をかいたところが白く泡立ちます。この泡立ちは馬の汗のなかに、ラセリンという界面活性剤(石鹸の成分に似た成分)が含まれているため起こるんですよ。ラセリンは水と油を混ぜる働きがあります。馬の毛は油分があるため、ラセリンの働きによって汗(水)と毛(油分)の結びつきがよくなることで、体全体に汗を浸みわたらせることができるんですね。そのおかげで、体の表面から熱を放出しやすくなっているんです。

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カバ:真っ赤な汗をかく

実はカバも汗をかく動物なんですよ。汗の色はなんと赤色。そんな色の汗をかくことからカバの汗は「血の汗」とも呼ばれます。カバは汗っかきな動物で、水から陸に上がってくると全身が汗でびっしょりです。カバの汗は少し粘性があり、最初のうちは透明なんですよ。しかし、空気に触れると酸素と反応するという性質があり、それで赤色になるんですね。この赤い汗はヒトの汗とは役割が違っていて、皮膚の乾燥や紫外線による日焼け、細菌の汗腺を防ぐ役割があります。

汗をかかない動物の体温調節の工夫

先述したように、ほとんどの哺乳類は汗腺をもち、汗をかきます。しかし、実際にはヒトのように大量の汗をかく動物は少ないんです。そんな動物たちはどのようにして体温を調節しているのでしょうか?ここからは動物ごとの体温調節法をみていきましょう。

イヌ:パンティングという呼吸をする

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イヌは呼吸によって体温調節をします。暑い日などに、犬が舌を出してハアハアという激しい息遣いをしているのを見かけたことはありませんか?これは「パンティング」と呼ばれる行動で、新鮮な空気を出し入れすることで、口の上あごにある血管を冷やすことで脳を冷やしているんですよ。

ネコ:手足をなめて体温を下げる

ネコは肉球にしか汗をかけません。ではどのように体温調節を行っているのでしょうか?ネコが自分の手足をなめているのを見たことはありませんか?実はそれがまさに体温調節を行っている最中なんです。ネコはよだれで自分の身体を濡らして、濡れた水分が蒸発することで体温を下げているんですよ。

ゾウ:大きな耳をパタパタさせる

ゾウは大きな耳を動かして耳や耳下にある大きな血管に風を送ることで体温を下げています。これは、ウサギでも同様です。大きな耳をたてて走ることで、耳の内側に集まる血管に風を送って体温を下げているんですね。

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ラクダ:自分の体温を変動させる

ラクダは体温の幅を大きく変動させることができます。ヒトの場合、平均体温は35℃~36.5℃くらいですが、ラクダはなんと34~40℃とかなりの幅で体温を変動させることができるんです。ラクダは水の少ない砂漠に住む動物ですよね?暑いからと言って汗をかいてばかりいると体内の水分がどんどんなくなってしまい、身体が正常に機能しなくなってしまします。そのため、自分の体温をあげることで、汗をかかないようにして体内の水分をなるべく排出しないようにしているんですよ。

汗をかくのは少数派

ここまで読んでいただきありがとうございました。今回は汗をかく動物の汗の特徴や、汗をかかない動物がどのようにして体温調節をしているのかなどを学習しましたね。私たち人間は汗をかくのは当たり前だと思っていましたが、動物界全体でみると意外と少数派だったんですね。また、汗をかかない動物たちも色々な工夫をして体温を下げていたなんて驚きでしたね。家で犬や猫を飼っている人はよかったらペットの行動に注目してみてください。もしかしたら体温を下げるための行動の最中かもしれませんよ。

画像使用元:いらすとや

" /> 動物って汗をかくの?汗の役割や動物の体温調節について獣医学部卒ライターがわかりやすく解説! – Study-Z
体の仕組み・器官理科生き物・植物生物雑学

動物って汗をかくの?汗の役割や動物の体温調節について獣医学部卒ライターがわかりやすく解説!

今回は汗をかく動物について学習していこう。私たちは普段から暑いときや運動したときには汗をかくよな?特に人間とウマは汗っかきな動物なんです。競馬場などでウマから汗が出ているのを見たことがある人もいるでしょう。汗は体温調節に重要な役割を持つ、哺乳類には欠かせない機能です。しかし哺乳類全体でみると、全身から汗をかく動物は意外と少ない。人間やウマのように汗をかく動物がいる一方で、汗をかかない動物はどのようにして体温調節をしているのかを学生時代、獣医学部で動物のことを勉強していたライターみんちが解説していきます。

ライター/みんち

学生時代、獣医学部で動物の知識を学んだ。趣味は動物園巡り。ライターとして、初心者にもわかりやすく、質のある情報を提供できるよう、日々奮闘中。

汗をかくのは人間だけじゃない!

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私たちは暑いと汗をかきますよね。しかし、汗をかくのは人間だけではないんですよ。全身が毛で覆われている動物でも、実はちゃんと汗をかいているんです。

汗は体温を調節するための機能

まず、汗にはどんな役割があるのでしょうか?一緒に見ていきましょう。

汗の役割とは?

汗は体温調節に欠かせない機能です。ところで、なぜ汗をかくと体温が下がるのでしょう?それは、身体の表面の水分が蒸発することで体の熱エネルギーをうばっているから。ヒトに限らず、ほとんどの動物は体温が40℃を超えると脳が正常に動かなくなってしまいます。汗をかくことで、自分の体温を上げすぎないようにコントロールしているんですね。

汗の出る部分は2種類!

汗の出る部分は2種類!

image by Study-Z編集部

汗は皮膚表面にある汗腺という部位から出てきます。汗腺には「エクリン腺」「アポクリン腺」の2種類があり、それぞれに性質が異なるんです。

エクリン腺は全身のほとんどに分布している、主に体温調節のための汗を出している汗腺。分泌される汗は無味無臭です。

一方、アポクリン腺は身体一部にしかありません。特にワキの下に多く分布し、白く濁った色をしています。また、わきがの原因にもなるニオイのもととなる成分を多く含んでおり、もともとはフェロモンの役割を果たしていたそうですよ。

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