その2「邯鄲の枕」
人生の栄枯盛衰のはかないことのたとえという意味の慣用句です。
昔、中国で盧生(ろせい)という青年が、邯鄲(かんたん)で道士呂翁から栄華が思いのままになるという枕を借りて眠りました。すると良い妻を得て大臣となり、栄華を極めて天寿を全うする夢を見たのです。しかし目覚めてみると、炊きかけの黄粱(大粟)もまだ炊き上がっていないわずかな時間であったという「枕中記」の故事からきています。
他に、一炊の夢、黄梁一炊の夢、盧生の夢、邯鄲の夢とも言いますよ。
1.彼は一躍人気者となったが、ただの流行りだったようで人気はすぐ衰えた。邯鄲の枕とはこのことか。
2.邯鄲の枕でもいから、大金持ちになってみたい。
3.あのアイドルの人気はすぐに下がってしまった。邯鄲の枕だったんだな。
「朝顔の花一時」の対義語は?
「朝顔の花一時」の対義語にはどのようなものがあるのでしょうか。見ていきましょう!
その1「健在」
それまでと変わりなく、十分に能力を発揮していることやそのようすを表す言葉です。他にも、元気で無事に暮らしていることという意味もあります。
現代でもよく使われる言葉ですよね。健やかに在ると書くので意味が分かりやすいかと思います。
1.ずいぶんとやっていなかったはずだが、彼のゴルフの腕は健在だった。
2.育児休暇をとっていた彼女は、そのブランクをものともず社内で大活躍中だ。彼女の才覚は健在だ。
3.「祖父は健在です。ぜひ顔を見に来てやってください。」
その2「君子の交わりは淡きこと水の如し」
君子は人と交わるのに、水のようにさっぱりしているので、友情は永く変わることがないという意味の慣用句です。物事の中でも、友情や人間関係に焦点をあてた慣用句になります。
ここでいう君子というのは、徳のある人、りっぱな人という意味です。友人関係はあまりべたべたしてはいけないという戒めの意味が含まれます。ちなみに原文は、この後に「小人の交わりは甘きこと醴の如し」と続きますよ。
君子という言葉が入った慣用句は結構あります。特に論語から多く出来上がっていますよ。今回の「君子の交わりは淡きこと水の如し」は荘子からきています。ぜひ調べてみてください。
彼とはいつも一緒にいるわけではなかったが、互いが困ったときはすぐに駆け付け手助けをしている。君子の交わりは淡きこと水の如しとでも言えるのかな。
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