この記事では「鼻を鳴らす」について解説する。

端的に言えば鼻を鳴らすの意味は「甘える・嘲笑する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「鼻を鳴らす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「鼻を鳴らす」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「鼻を鳴らす」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「鼻を鳴らす」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「鼻を鳴らす」の意味は?

「鼻を鳴らす」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.鼻から出るような音をさせる。犬がくんくんと鳴く声などにいう。また、鼻にかかった声を出して、甘えたりすねたりする動作や、嘲笑したり不満を表わしたりする動作にもいう。

出典:精選版 日本国語大辞典「鼻を鳴らす」

「鼻を鳴らす」は鼻から出すような音を鳴らすこと、また鼻にかかった音を出して甘える・拗ねる様子や、嘲笑する・不満を表す様子を意味しています。ふんと鼻を鳴らし、他人を嘲る。鼻にかかったような声を出し、他人に甘えてねだる。「鼻を鳴らす」はこうした様子を表して使われている慣用句です。

甘える・拗ねる・嘲笑・不満など、込められる感情は様々となっているため、文脈に注意してどういった感情から取られた行動なのか読み取っていきましょう。古くから使われている表現ですが、現在も書籍・新聞等の文章中で使用されています。この機会にしっかりと意味・用法を覚えていきましょう。

「鼻を鳴らす」の語源は?

次に「鼻を鳴らす」の語源を確認しておきましょう。「鼻を鳴らす」はもともと単に鼻から出す音・犬が鳴く音などを指して使われていました。その後鼻にかかった声を使って、甘えたり拗ねる仕草をとる人の様子や、ふんと鼻を鳴らし他人を嘲る、不満を表す様子も指すようになります。

1809年〜1813年の滑稽本・浮世風呂には「お芋をおくゑトはなをならしてねだる」と登場しており、非常に古くから使われている言葉です。「鼻を鳴らす」は現在も書籍・新聞等の文章中などで使われています。語源から「鼻を鳴らす」の意味・用法をしっかりと捉えていきましょう。

\次のページで「「鼻を鳴らす」の使い方・例文」を解説!/

「鼻を鳴らす」の使い方・例文

「鼻を鳴らす」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.口を尖らせ、不満そうに鼻を鳴らした。
2.私の意見を聞くと、彼は小馬鹿にしたように鼻を鳴らした。
3.彼女は欲しいものがあるとすぐに鼻を鳴らしてねだる。

「鼻を鳴らす」は例文のように、不満・嘲笑・甘えるといった感情から鼻で少し音を立てる、鼻にかかった声を出す仕草を表す言葉となっています。不満・嘲笑・甘える・拗ねるなど色々な感情を込めて使われている言葉となっているため、どういった感情から取られた行動か、文脈に注意して読み取っていきましょう。

主に書籍・新聞等の文章中で使われている言葉となっており、口語ではあまり使われていません。実際に使用する際は、こうした点にも注意して使用していくことが大切です。例文から実際の使用場面をしっかりイメージし、「鼻を鳴らす」を自身でも使うことが出来るようにしていきましょう。

「鼻を鳴らす」の類義語は?違いは?

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続いて「鼻を鳴らす」の類義語・違いについて確認していきましょう。「鼻を鳴らす」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「鼻を鳴らす」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「鼻で笑う」

「鼻で笑う」は鼻先でふんと笑い、相手を見下して嘲る様子を表す言葉です。こちらも相手を見下し嘲笑する様子を表す言葉となっており、「鼻を鳴らす」とよく似た意味をもった類義語となっています。こちらは嘲笑する意味のみとなっており、甘える・拗ねるといった感情を表すことがない点に注意しましょう。

\次のページで「その2「嘲笑(ちょうしょう)」」を解説!/

その2「嘲笑(ちょうしょう)」

「嘲笑」は馬鹿にして笑うこと、あざ笑うことを意味する言葉です。こちらも相手を馬鹿にする様子を意味する言葉となっており、「鼻を鳴らす」と少し似た意味をもった類義語となっています。甘える・拗ねる・不満を表すといった感情を表す意味はない点に注意して使い分けていきましょう。

その3「嘲り(あざけり)」

「嘲り」は馬鹿にして笑ったり、悪く言うことを表す言葉です。こちらも相手を馬鹿にする様子を表す言葉となっており、「鼻を鳴らす」と少し似た意味をもった類義語となっています。鼻で音を立てる意味、また甘える・拗ねる・不満を表すといった感情を表す意味はない点に注意して使い分けていきましょう。

その4「猫撫声(ねこなでごえ)」

「猫撫声」は猫が撫でられている時に出すような、媚を含んだ声音を表す言葉です。こちらは甘えた声を表す言葉となっており、「鼻を鳴らす」の甘える仕草の意味とよく似た意味をもった類義語となっています。拗ねる・嘲笑・不満といった感情を表す意味はない点に注意して使い分けていきましょう。

「鼻を鳴らす」の対義語は?

つづいて「鼻を鳴らす」の対義語についても確認していきましょう。残念ながら「鼻を鳴らす」には対義語とされている語はありません。「鼻を鳴らす」は基本的に鼻から出るような音を鳴らすことを意味しており、反対の意味を定義することは難しくなっています。「鼻を鳴らす」の対義語はないと覚えておきましょう。

「鼻を鳴らす」の英訳は?

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つづいて「鼻を鳴らす」の英語訳についても確認していきましょう。

「snort」

「snort」は鼻を鳴らす仕草、不満やからかいから鼻で笑う様子を指して使われている英単語です。こちらも日本語の「鼻を鳴らす」と同様に、相手を馬鹿にする感情や不満を表すためにとる、鼻を鳴らす仕草を表現することができます。「鼻を鳴らす」の英語での表現として、こちらもあわせて覚えておきましょう。

\次のページで「「鼻を鳴らす」を使いこなそう」を解説!/

「鼻を鳴らす」を使いこなそう

この記事では「鼻を鳴らす」の意味・使い方・類語などを説明しました。「鼻を鳴らす」は鼻から出るような音をたてる、またはそうした音を立てて、嘲笑・不満・甘える・拗ねるといった感情を表す仕草を指して使われています。様々な感情を込めて使われているため、文脈に注意して読み取っていきましょう。

また類義語には「鼻で笑う」、「嘲笑」、「嘲り」、「猫撫声」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「鼻を鳴らす」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「鼻を鳴らす」について解説する。

端的に言えば鼻を鳴らすの意味は「甘える・嘲笑する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「鼻を鳴らす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「鼻を鳴らす」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「鼻を鳴らす」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「鼻を鳴らす」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「鼻を鳴らす」の意味は?

「鼻を鳴らす」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.鼻から出るような音をさせる。犬がくんくんと鳴く声などにいう。また、鼻にかかった声を出して、甘えたりすねたりする動作や、嘲笑したり不満を表わしたりする動作にもいう。

出典:精選版 日本国語大辞典「鼻を鳴らす」

「鼻を鳴らす」は鼻から出すような音を鳴らすこと、また鼻にかかった音を出して甘える・拗ねる様子や、嘲笑する・不満を表す様子を意味しています。ふんと鼻を鳴らし、他人を嘲る。鼻にかかったような声を出し、他人に甘えてねだる。「鼻を鳴らす」はこうした様子を表して使われている慣用句です。

甘える・拗ねる・嘲笑・不満など、込められる感情は様々となっているため、文脈に注意してどういった感情から取られた行動なのか読み取っていきましょう。古くから使われている表現ですが、現在も書籍・新聞等の文章中で使用されています。この機会にしっかりと意味・用法を覚えていきましょう。

「鼻を鳴らす」の語源は?

次に「鼻を鳴らす」の語源を確認しておきましょう。「鼻を鳴らす」はもともと単に鼻から出す音・犬が鳴く音などを指して使われていました。その後鼻にかかった声を使って、甘えたり拗ねる仕草をとる人の様子や、ふんと鼻を鳴らし他人を嘲る、不満を表す様子も指すようになります。

1809年〜1813年の滑稽本・浮世風呂には「お芋をおくゑトはなをならしてねだる」と登場しており、非常に古くから使われている言葉です。「鼻を鳴らす」は現在も書籍・新聞等の文章中などで使われています。語源から「鼻を鳴らす」の意味・用法をしっかりと捉えていきましょう。

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