
食品に添加する重炭酸ナトリウム

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重炭酸ナトリウムは私たちの生活の中にも、たくさん使われています、ここでは3つピックアップしてご紹介してきます。
一つ目は食品へ添加。「重曹」って聞いたことないですか?重曹は、食品添加物として重炭酸ナトリウムを使うときの呼び方なんです。重曹は加熱すると二酸化炭素が出るので、食材に練りこんで加熱すると、食材が膨らみフワフワ、サクサクした生地ができ上がるんですよ。クッキー、パンケーキ、どら焼きなどを膨らませるのに使われます。
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ベーキングパウダーとの違いは??
ここで一つ疑問が生まれないでしょうか?生地に練りこんで加熱するのはいつも「ベーキングパウダー」を使けど…?実は重曹はベーキングパウダーとほぼ同じものです。
重曹はほぼ100%重炭酸ナトリウムでできていますが、ベーキングパウダーは重炭酸ナトリウムの他に酸性剤や遮断剤が入っています。重炭酸ナトリウムは酸性の成分と反応して二酸化炭素を出すので、反応を十分に進めるために酸性剤が入っているんですよ。
さらに、重曹を使うと、反応後に炭酸ナトリウムが生地に残ってしまい、生地がアルカリ性になってしまうんです。アルカリ性になると、苦みが出てしまうので、酸性剤で中和することで苦みを消すことができます。
そして、ベーキングパウダーを保存している最中に重炭酸ナトリウムと酸性剤が反応しないようにするための成分が遮断剤です。
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重炭酸ナトリウムはお掃除にも使える!

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二つ目はお掃除です。重炭酸ナトリウムはお掃除でも活躍します。
汚れ落としは、汚れと反対のpHの洗浄剤を使うのがポイントです。重曹を溶かした水溶液は弱アルカリ性でしたよね。酸性のよごれを中和できるので、酸性の汚れを落とすのが得意なんです。たとえば、鍋の焦げや台所のベトベトした油汚れ、油は酸素と反応して酸化します。酸化した油は酸性なので、重曹を使うと汚れを落とすことができるんです。
一方で、水垢や石鹸カスなどのアルカリ性の汚れを落とすのは苦手なので、クエン酸などの酸性の洗浄剤を使ってあげると簡単に汚れを落とすことができます。
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重炭酸ナトリウムは除草剤にも使える?
実は重曹は除草剤としても使えます。重曹は植物の細胞を壊死させることができるんです。なので、重曹を溶かした水溶液を雑草に散布するだけで、雑草は枯草になっていきます。
重曹を除草に使用するメリットは「安全性が高いこと」、「価格が安いこと」の2つですね。雑草は除草しても、毎年のように生えてくるので、定期的な除草が必要ですよね。重曹は簡単に利用できるため、繰り返し除草するときも費用を抑えることもできるんです。
テストによく出る?重炭酸ナトリウムのチェックポイントとは?
ここからは、テストでよく出題される重炭酸ナトリウムのポイントをご紹介していきます。ポイントは「熱分解」と「酸との反応」です。一つずつ紹介していきます。
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