

また、山中教授は新型コロナウイルス感染症に関して情報発信のためにホームページを開設したんだ。山中先生が情報発信の時に気を付けているポイントを説明するぞ。
この記事ではバイオサイエンスや生物学に詳しい理系院卒ライターtomato1121と解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/tomato1121
大学と大学院で学んだことを元に、生物の楽しさを伝えたいと思いライターになる。生物学の知識を分かりやすく伝え、多くの人に興味を持ってもらえるように日々奮闘中。
山中伸弥教授とiPS細胞について

image by Study-Z編集部
2012年に山中伸弥教授が受賞したノーベル生理学・医学賞。受賞となったのは、山中教授が「成熟した細胞を、多能性を持つ細胞に初期化できること」を発見したこと。これにより作製に成功したiPS細胞は、再生医療や治療法・医薬品開発など、医療を大きく前進させる可能性を秘めていました。それではここでiPS細胞とは何かについて解説していきましょう。
iPS細胞とは
iPS細胞はinduced pluripotent stem cellの略で、日本語では「人工多能性幹細胞」といいます。生物の体はいろいろな細胞で構成されていますね。例えば筋肉の細胞と皮膚の表皮細胞とでは、異なる機能と役割があります。このように特定の機能をもった細胞になることを分化というのです。
多能性幹細胞は、特定の細胞に分化する前の未分化で、ほぼ無限に分裂する能力をもった細胞、つまり「どの臓器の細胞にもなることができる細胞」のこと。このように分化した細胞を未分化の細胞に戻すことを初期化といいます。そして、既に分化した細胞にいくつかの遺伝子を導入することで、人工的に作製できるのが、このiPS細胞。
iPS細胞は自分の細胞から作製できるため、移植の際に拒絶反応が起こりにくく再生医療への応用が期待されています。
山中伸弥教授が開所した京都大学iPS細胞研究所(CiRA)
山中教授は、2010年に京都大学iPS細胞研究所(Center for iPS Cell Research and Application, Kyoto University、略称CiRA)を開所し、所長になりました。iPS細胞の作製に成功した後は、実際に医療の現場で応用されるための研究が必要ということ。
山中教授は現在も主任研究者として席を置いています。