今回はバリウムについて紹介していきます。
バリウムと聞くと、人間ドッグで飲む液体を想像するでしょう。レントゲンの造影剤として使われるのもバリウムの有名な用途の一つです。

しかし、造影剤以外にもバリウムは使われているぞ!今回はバリウムの特徴とどこで使われているのか、化学に詳しいライターリックと一緒に紹介していくぞ!

ライター/リック

高校生で化学にハマり、大学院までずっと化学を勉強してきた化学オタク。今は化学メーカーで働きながら化学の楽しさを発信する。

バリウムとはどんな物質?

image by iStockphoto

まずは、バリウムがどんな物質なのか、ご紹介していきますね。バリウムは原原子番号56、元素記号Baの元素です。バリウムはアルカリ土類金属の中で、密度が大きく重いため、ギリシャ語の「重い」を意味するbarysにちなんで命名されました。ちなみに比重は3.5で金属の中で見ると重いわけじゃなく、実は軽金属に分類されるんですよ!

バリウムの単体は銀白色の柔らかい金属で、ほかのアルカリ土類金属と似た性質を示しますが、ほかのアルカリ土類金属に比べると反応性は高いのが特徴です。またイオン化すると2価の陽イオンになります。

空気中で酸化されやすく、酸化バリウム(BaO)を形成しやすいです。さらに、酸化バリウム(BaO)も水と激しく反応して水酸化バリウム(BaOH2)を形成します。水酸化バリウムと硫酸の中和反応はよくテストで出題されますね。また、バリウムは金属イオンの定性分析で頻出の元素なので、チェックしてほしいです!後から解説していきます。

バリウムはここで生産されている

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ここからは、世界中で使われるバリウムがどこで生産されているのか、ご紹介していきますね。

バリウムは、地殻に豊富にあり、重晶石(硫酸バリウム)などの鉱石として存在しています。埋蔵地域の多くは中国にあり、世界の生産量の50%以上は中国が担っているんですよ。産出国が偏っていると、国の政策や経済情勢によっては、調達が困難になります。なので、生産量の50%以上を中国に頼っているバリウムは、レアメタルに分類されているんです。

テストでよく出る!チェックポイントはここ!

ココからは、テストによく出題されるバリウムの特徴と反応をご紹介していきます。ぜひチェックしてみてください。

\次のページで「水酸化バリウムと硫酸の反応」を解説!/

水酸化バリウムと硫酸の反応

水酸化バリウムと硫酸の反応

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水酸化バリウム Ba(OH)2 は強塩基に分類され、硫酸などの酸と中和反応を起こしますこの中和反応がよくテストで出題されるチェックポイントです。水酸化バリウムと硫酸の中和反応はぜひチェックしておいてください!

しかも、この反応で生成物は硫酸バリウムBaSO4と 水ですが、硫酸バリウムにも特徴があるんです。それが、水に不溶なこと。なので、この中和反応が進むと白色の沈澱ができて、水溶液が真っ白になります。

バリウムイオンの検出方法

もう一つのポイントは無機金属イオンの定性分析です。これは高校化学の範囲ですね。試験管に複数の金属イオンが入っていて、金属イオンを一つずつ分離していくという分析方法です。代表的な金属イオンは「Ag+、Pb2+、Zn2+、Cu2+、Fe3+、Al3+、Ca2+、Ba2+、Na+、K+」。数種類の金属イオンが入った水溶液から、金属イオンを分離する問題がメジャーですね。

大学入試の問題でもよく出題されます。バリウムだけに注目して紹介しますね。バリウムイオンを沈澱させるのに使われるのは、クロム酸カリム水溶液と炭酸アンモニウム水溶液です。それぞれ沈澱するのはクロム酸バリウムBaCrO4と炭酸バリウムBaCO₃ のバリウム化合物。クロム酸バリウムは、黄色の沈澱で、炭酸バリウムは白色の沈澱なので、そこもチェックしておきたいですね。

バリウムの用途をご紹介

ココからは、バリウムが私たちの生活の中でどこに使われているのか、用途をご紹介していきますね!

・ 造影剤

・ 花火

・ 超伝導材料

などがあります。バリウムの使用目的で有名な「造影剤としてのバリウム」と「花火に使われるバリウム」について次に詳しくご紹介していきますね。

超有名?造影剤としてのバリウム

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胃のレントゲン写真を撮ったことがある人、人間ドッグを受けたことがある人なら、おそらく飲んだことがある白色の液体。あの白色の液体の正体は硫酸バリウムです。硫酸バリウムはX線を通さない、特殊な特徴を持っているので、胃の中に硫酸バリウムを入れた状態でレントゲン写真を撮ると、硫酸バリウムがある部分は白く映し出されます。

どうしてそんな検査が必要なのか、疑問に思うかもしれません。

胃や食道にバリウムを付着させてレントゲンを撮ると、バリウムがついているところは白くなりますよね。つまり、胃の形や胃の凹凸が分かるんです。胃潰瘍や胃がんがあると、胃の形に異常が見られるので、胃潰瘍や胃がんの早期発見につながるんですよ!胃の異常が見つかると、内視鏡(いわゆる胃カメラ)を飲んで、胃と食道の詳しい検査を行うんです。(僕も胃カメラは入れた経験ありますが、かなりつらかったです…鼻から入れました…)

花火にも使われる?色を表現するためのバリウム

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ここからは、バリウムのもう一つの用途「花火」をご紹介していきます。夏の夜空を彩る花火。たくさんの種類がありますが、花火の色を決めているのも、実は金属元素なんです。特定の金属を炎の中に入れると、それぞれの金属元素特有の色を呈色します。この反応を炎色反応と呼び、化学の教科書にも必ず出てくるので、聞いたことありませんか??

花火は炎色反応を利用して色を表現しているんです!そしてバリウムは炎色反応で緑色を呈色します。なので、花火の緑色はバリウムの色!ということですね。実際には、花火の中に硝酸バリウムを混ぜ込むことで、夜空で火薬が爆発したときに緑色になるんです。

\次のページで「バリウムは実は毒だった!?」を解説!/

バリウムは実は毒だった!?

あんまり知られていませんが、可溶性のバリウム化合物は有毒なんです。摂取してしまうと神経系に影響を及ぼしていしまい、不整脈や呼吸困難、痙攣などを引き起こします。日本では、バリウム化合物は毒劇物に指定されているんです!

え…人間ドッグでバリウム飲んでるよね?と、ドキッとしますよね…でも、大丈夫です。硫酸バリウムは水や胃酸に対して溶解しないため、体内に吸収されることはありません。なので飲んでも大丈夫なんです。実際、硫酸バリウムは毒劇物には指定されていません。

テストにもたまーに出現する「バリウム」をチェック!

今回はバリウムの性質と用途、さらにテストで出題されるポイントをご紹介しました。工業用途ではそこまで登場しないバリウムですが、「レントゲン造影剤」としての利用は特に有名ですね。

バリウムはテストに頻出の元素ではありませんが、油断しているとたまーに出題される元素です。ただ、金属イオンの定性分析は受験でほぼ確実に出題されるので、そこは絶対にチェックしておいてほしいです!

" /> バリウムは実は毒だった?検査で使用されるバリウムの特徴や性質、副作用などを理系ライターが紹介 – Study-Z
化学理科

バリウムは実は毒だった?検査で使用されるバリウムの特徴や性質、副作用などを理系ライターが紹介



今回はバリウムについて紹介していきます。
バリウムと聞くと、人間ドッグで飲む液体を想像するでしょう。レントゲンの造影剤として使われるのもバリウムの有名な用途の一つです。

しかし、造影剤以外にもバリウムは使われているぞ!今回はバリウムの特徴とどこで使われているのか、化学に詳しいライターリックと一緒に紹介していくぞ!

ライター/リック

高校生で化学にハマり、大学院までずっと化学を勉強してきた化学オタク。今は化学メーカーで働きながら化学の楽しさを発信する。

バリウムとはどんな物質?

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まずは、バリウムがどんな物質なのか、ご紹介していきますね。バリウムは原原子番号56、元素記号Baの元素です。バリウムはアルカリ土類金属の中で、密度が大きく重いため、ギリシャ語の「重い」を意味するbarysにちなんで命名されました。ちなみに比重は3.5で金属の中で見ると重いわけじゃなく、実は軽金属に分類されるんですよ!

バリウムの単体は銀白色の柔らかい金属で、ほかのアルカリ土類金属と似た性質を示しますが、ほかのアルカリ土類金属に比べると反応性は高いのが特徴です。またイオン化すると2価の陽イオンになります。

空気中で酸化されやすく、酸化バリウム(BaO)を形成しやすいです。さらに、酸化バリウム(BaO)も水と激しく反応して水酸化バリウム(BaOH2)を形成します。水酸化バリウムと硫酸の中和反応はよくテストで出題されますね。また、バリウムは金属イオンの定性分析で頻出の元素なので、チェックしてほしいです!後から解説していきます。

バリウムはここで生産されている

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ここからは、世界中で使われるバリウムがどこで生産されているのか、ご紹介していきますね。

バリウムは、地殻に豊富にあり、重晶石(硫酸バリウム)などの鉱石として存在しています。埋蔵地域の多くは中国にあり、世界の生産量の50%以上は中国が担っているんですよ。産出国が偏っていると、国の政策や経済情勢によっては、調達が困難になります。なので、生産量の50%以上を中国に頼っているバリウムは、レアメタルに分類されているんです。

テストでよく出る!チェックポイントはここ!

ココからは、テストによく出題されるバリウムの特徴と反応をご紹介していきます。ぜひチェックしてみてください。

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