小さいころ、バラやシャクヤクなど花には良い匂いのするものがたくさんあるよな。花はどうして匂いをだすのでしょう?花の匂いと受粉の関係、花以外の匂いの役割についても、これを機に学んで行こうじゃないか。
大学で生物を学び、現在は食品メーカーの研究員であるライター、ハナイグチに解説してもらおう。
ライター/ハナイグチ
大学で生物学を学び、現在は食品メーカーの研究員として勤務している。
サプリメントの広告を見るとついつい有効成分の含有量や作用機序を調べてしまう。
なぜお花は良い匂いがするの?
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お花の中にはとても良い香りのするものが多いですよね。なぜ花はあんなに良い香りをだしているのでしょうか。それは花が子孫を残すために他なりません。花の良い匂いや美味しい蜜、美しい花びらなどはすべて花の受粉効率を上げるための投資なのです!
それでは花の香について詳しく説明したいと思います。
良い匂いで虫を誘う花
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遠くに咲いている花同士が受粉して子孫を残すためには花粉を遠くの花まで届けなければなりません。その手段として虫や鳥などの体にくっついて運んでもらうパターンや風によって飛んでいくパターンなどがあります。虫や鳥はボランティアで花粉を運んでくれるわけではありませんので、花はこれらの生き物を自分の近くにおびき寄せる必要がありますよね。そこで花は花粉を運ぶ生物にとって好ましい匂いをだすことで、花に近づいてもらい体に花粉をくっつけることで運搬してもらおうというわけです。
良い香りがする花といえばバラやラベンダーなどが有名ですね。これらは人間にとっても大変好ましい香りであるため、香り成分を抽出して香水や精油としても利用されています。
ちなみに「バラの香り」や「ラベンダーの香り」などは単一の成分によるものではなく、様々な香り成分が混ざりあうことによって、特徴的な匂いになるのです。そのため、同じ種類の花でも品種によって微妙に香りが違います。
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