この記事では以下と未満、以上と超過の違いについてみていきます。4つとも範囲や量などに使われる表現ですが、違いはずばり「基準となる数を含むか、含まないか」のようです。
今回は混同しやすい以下、未満、以上、超過の違いを、英語や記号などの表現を交えながら、少女向け小説家兼ライターのさらささらと一緒に解説していきます。

ライター/さらささら

少女向け小説家兼ライター、神社や名所を訪ねるのが趣味。お話のネタにするため様々な雑知識を集めました。わかりやすい言葉で説明。

4つの違いは「基準」?

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お店の入り口に「18歳未満はお断り」と書かれていた時、何となく17歳から下の年齢がダメなのは分かるけど、18歳になった自分はどうなんだろう…と悩んだことはありませんか?
他にも、広告の募集要項で「170cm以上の男性を求めます」とされていたのなら、170cmピッタリの人は応募することができるのでしょうか?

このように、日常生活の中でついつい曖昧になりがちな言葉に「以下」と「未満」と「以上」と「超過」がありますね。数学で習ったこれらの違いについて、様々な方向から掘り下げてみたいと思います。

違いは「基準」を含むかそうでないか

まずは「以下」と「未満」と「以上」と「超過(超え / ~を超える)」の4つの言葉を、「以下・以上」と「未満・超過」の2グループに分けて考えてみましょう。

すると、「以下・以上」と「未満・超過」の違いは結構シンプルなのに気がつきます。実は、この2グループの違いとは「基準となる数字を含むか、含まないか」だからです。

【「以下・以上」と「未満・超過」の違い】
■「以下・以上」…基準となる数字を含む
■「未満・超過」…基準となる数字を含まない

「以下」と「以上」は数を含む

「以下」や「以上」に使われる「」には、範囲や方向などの「基点(=始まり)」を示す意味があります。つまり、基点を別の言葉で表すと「~より」「~から」になるのです。

前述した「170cm以上の男性を求めます」の場合、170cmから始まるので「170cmの男性を含んだ171cmや185cmなどの男性」と上に向かって(応募できる)範囲が伸びていきます。
反対に「この遊具は110cm以下の子どもは利用できません」と書かれていたら、「110cmを含んだ108cmや90cmと背の低い子ども」と下に向かって(利用年齢の)範囲が伸びていくわけです。

簡単な覚え方としては「以」が付く=「基準となる数字」を含むとなります。

「未満」と「超過」は数を含まない

「未満」はその字の通りに「満たしていない」という意味。つまり、「基準となる数」を含んでいません
前述した「18歳未満はお断り」の場合、基準となる数字である"18歳"を含まないので、18歳に達していない「17歳やそれより下の年齢」はお断りされてしまうわけです。

対義語でもある「超過」も「未満」同様に「基準となる数」を含みません。例えば転職サイトなので「40歳以上~65歳未満を募集」と書かれていたら、40歳から64歳までの人を対象に募集がかけられているわけです。

使い方や例文

「以下」と「未満」と「以上」と「超過」は、数量の範囲や基準の他に、思惑や感覚など目に見えない部類・分類わけなどにも使われます。こちらの項目では、それぞれの使い方について例文を交えながら紹介しますね。

【数量の範囲や基準】
■38点以下は赤点なので追試=38点を含めた37点から下の点数が赤点。
■17歳以上が対象のアニメ=17歳を含めた18歳から上の年齢が対象。
■20歳未満は飲酒できません=20歳から上の年齢はお酒が飲めるが19歳より下は飲んではダメ。
■120km超過のスピードは違反=120kmまでなら良いが121kmから上のスピー度は違反。

\次のページで「以下・未満・以上・超過の英語表現は?」を解説!/

以下・未満・以上・超過の英語表現は?

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「以上・以下」と「超過・未満」の概念は、勿論海外にもあります。こちらではこれら4つの言葉の英語表記をご紹介しますね。

「以下」は英語で ~or less / ~or below

「~(数字)以下」を表す英語表示は「~or less」、「~or below」、「~or under」などがあります。

【10以下】
・ten(10) or less…数えられる物を比較
・ten or lower…テストの点や年齢など定められた数を比較
・ten or fewer…心の大きさなど数えられない物を比較
・not less than ten…「less than~」を否定

「以上」は英語で ~or more / ~or higher

「~(数字)以上」を表す英語表示は「~or more」、「~or higher」、「~or greater」などがあります。

【10以上】
・ten(10) or more …数えられる物を比較
・ten or above…テストの点や年齢など定められた数を比較
・ten or over…心の大きさなど数えられない物を比較
・ten or above
・ten or over
・not less than ten…「less than~」を否定

「未満」は英語で less than~

「~(数字)未満」を表す英語表示は「less than~」、「below~」、「under~」などがあります。

【10未満】
・less than ten(10)
・below  ten
・under ten
・small than ten

「超過」は英語で more than~

「~(数字)超過」を表す英語表示は「less than~」、「above~」、「over~」などがあります。

\次のページで「以下・以上・未満・超過の記号表記の仕方は?」を解説!/

【10超過】
・more thanl ten (10)
・above  ten
・over ten
・greater than ten

以下・以上・未満・超過の記号表記の仕方は?

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「以上・以下」と「超過・未満」の表現には、単語以外に記号(不等記号/不等表記)が存在します。こちらではそれぞれの記号と共に、使い方の説明をさせて頂きますね。

「以下」を表す記号は「≦」

「以上・以下」=「以」の付く記号表記は日本語と英語とでは違います。日本語は「≦」英語は「≤」となるのです。

「<」や「>」の不等記号の下に、日本語の以下と以上なら2本線の「=」、英語なら1本線の「-」が付けられた記号を一般的に使います。
日本語の場合「<」と「>」の下に「=」が付くので、「イコールが付いているので(そこにある)数字を含む」と覚えておけば良いでしょう。

「以上」を表す記号は 「≧」

以下の項目でも説明致しましたが、「以」の付く記号は日本語と英語とでは違いますね。「以上」の日本語は「≧」、英語は「≥」となります。

「未満」を表す記号は「<」

「未満」を表す記号表示は「<」=「小なり」です。この記号は前述した「≦」から「=」を取ったもの、つまり対象となる数字が含まれていません。
「<」はくちばしが広がった方が大きく、角になっている方が小さくなります。

「超過」を表す記号は「>」

「未満」を表す記号は「>」=「大なり」です。
「>」もくちばしが広がった方が大きく、角になっている方が小さくなります。

【以上・以下】
・A is ten or lower : A ≤ 10…
Aは10以下
・A is ten or higher  : A ≥ 10…Aは10以上です

【超過・未満】
・A is more than ten :  A > 10…Aは10を超える

・A is less than ten : A < 10…Aは10未満

\次のページで「似た言葉「以内」「以前」「以降」「以来」「以外」」を解説!/

似た言葉「以内」「以前」「以降」「以来」「以外」

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最初の方でも説明しましたが、「以」には「基点(=始まり)」の意味がありますね。そこで、「以下・以上」と似た言葉である、「以内」「以前」「以降」「以来」「以外」について調べてみました。

以内:ここより10mいないは立入禁止。…10mを含むので、10mぴったりだと立ち入り禁止エリアに入っていることに。
以前:コロナ禍以前…起点となるコロナ禍を含み、コロナ禍よりも前。
以降:10年以降に発表される…10年を含むので、今から10年後~その後に発表されます。
以来:平成以来見かけない…平成を含むので、昭和が終わってから見かけないという意味に。

ただし、「以外」だけは基準点を含まないので注意が必要となります。以外には「以」が入っていますが、"その他"などの意味を持つ「外」が入っているからです。

以外:関係者以外立ち入り禁止…関係者を除いて、立ち入り禁止。

それぞれの言葉の違いを覚えるのには、以下の方法が良いでしょう。

・「以下・以上」…基準点(数字)を"入(以)れる"
・「未満・超過」…基準点を含まない

ちなみに、恋愛フレーズの「友達以上、恋人未満」の場合、「友達は含まれ、恋人は含まれない」=「友達~友達以上だけど恋人ではない」
……という意味になるので、「以下・以上」「未満・超過」の違いに悩んだ場合、思い出してみてはいかがでしょうか?

実生活でも大切な見分け方

クーポンサービスなどを利用する時「~円未満までご利用可能」と書かれてあったら、一体いくらまでなら利用できるのでしょう?このように、これらの用語は日常生活に於ける大切なルールとして様々なシーンで遭遇するかと思います。そんな時、この記事が少しでも皆さんのお役に立てたなら幸いです。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 3分でわかる以下と未満と以上と超過の違い!英語や記号表現についても小説家兼ライターが丁寧にわかりやすく解説! – Study-Z
言葉雑学

3分でわかる以下と未満と以上と超過の違い!英語や記号表現についても小説家兼ライターが丁寧にわかりやすく解説!

この記事では以下と未満、以上と超過の違いについてみていきます。4つとも範囲や量などに使われる表現ですが、違いはずばり「基準となる数を含むか、含まないか」のようです。
今回は混同しやすい以下、未満、以上、超過の違いを、英語や記号などの表現を交えながら、少女向け小説家兼ライターのさらささらと一緒に解説していきます。

ライター/さらささら

少女向け小説家兼ライター、神社や名所を訪ねるのが趣味。お話のネタにするため様々な雑知識を集めました。わかりやすい言葉で説明。

4つの違いは「基準」?

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お店の入り口に「18歳未満はお断り」と書かれていた時、何となく17歳から下の年齢がダメなのは分かるけど、18歳になった自分はどうなんだろう…と悩んだことはありませんか?
他にも、広告の募集要項で「170cm以上の男性を求めます」とされていたのなら、170cmピッタリの人は応募することができるのでしょうか?

このように、日常生活の中でついつい曖昧になりがちな言葉に「以下」と「未満」と「以上」と「超過」がありますね。数学で習ったこれらの違いについて、様々な方向から掘り下げてみたいと思います。

違いは「基準」を含むかそうでないか

まずは「以下」と「未満」と「以上」と「超過(超え / ~を超える)」の4つの言葉を、「以下・以上」と「未満・超過」の2グループに分けて考えてみましょう。

すると、「以下・以上」と「未満・超過」の違いは結構シンプルなのに気がつきます。実は、この2グループの違いとは「基準となる数字を含むか、含まないか」だからです。

【「以下・以上」と「未満・超過」の違い】
■「以下・以上」…基準となる数字を含む
■「未満・超過」…基準となる数字を含まない

「以下」と「以上」は数を含む

「以下」や「以上」に使われる「」には、範囲や方向などの「基点(=始まり)」を示す意味があります。つまり、基点を別の言葉で表すと「~より」「~から」になるのです。

前述した「170cm以上の男性を求めます」の場合、170cmから始まるので「170cmの男性を含んだ171cmや185cmなどの男性」と上に向かって(応募できる)範囲が伸びていきます。
反対に「この遊具は110cm以下の子どもは利用できません」と書かれていたら、「110cmを含んだ108cmや90cmと背の低い子ども」と下に向かって(利用年齢の)範囲が伸びていくわけです。

簡単な覚え方としては「以」が付く=「基準となる数字」を含むとなります。

「未満」と「超過」は数を含まない

「未満」はその字の通りに「満たしていない」という意味。つまり、「基準となる数」を含んでいません
前述した「18歳未満はお断り」の場合、基準となる数字である”18歳”を含まないので、18歳に達していない「17歳やそれより下の年齢」はお断りされてしまうわけです。

対義語でもある「超過」も「未満」同様に「基準となる数」を含みません。例えば転職サイトなので「40歳以上~65歳未満を募集」と書かれていたら、40歳から64歳までの人を対象に募集がかけられているわけです。

使い方や例文

「以下」と「未満」と「以上」と「超過」は、数量の範囲や基準の他に、思惑や感覚など目に見えない部類・分類わけなどにも使われます。こちらの項目では、それぞれの使い方について例文を交えながら紹介しますね。

【数量の範囲や基準】
■38点以下は赤点なので追試=38点を含めた37点から下の点数が赤点。
■17歳以上が対象のアニメ=17歳を含めた18歳から上の年齢が対象。
■20歳未満は飲酒できません=20歳から上の年齢はお酒が飲めるが19歳より下は飲んではダメ。
■120km超過のスピードは違反=120kmまでなら良いが121kmから上のスピー度は違反。

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