3分で簡単ダイオードの整流作用!一方向にしか電流を流さない?そのメカニズムを現役理系学生ライターが5分で徹底わかりやすく解説!
ダイオードの特性
By User:Hldsc – Own work, CC BY-SA 4.0, Link
ここでは、ダイオードの特性をより詳しく考えてみましょう。上記の図は、ダイオードに印加される電圧と電流の関係を示したグラフです。電圧と電流はともに順方向を正としています。Forward領域はダイオードに順方向電流が流れている部分です。一定の電圧Vdを超えると抵抗が0に近くなり、ダイオードが導体として振る舞います。
Reverse領域はダイオードに順方向と逆に電圧がかかり、電流が流れていない領域です。この領域では抵抗は極めて大きな値となり、ダイオードは絶縁体として振舞いますよ。ですが、逆方向へ印加する電圧の値が降伏電圧Vbrを超えるとダイオードとしての機能を失い、再びダイオードは導体として振舞うようになります。この領域がBreakdown領域です。
ダイオードに整流作用がある理由
続いて、なぜダイオードには整流作用があるのかということについて考えてみましょう。このチャプターでは、最初にダイオードの構造について述べ、それをもとにしてダイオードの仕組みについて解説しますね。
この部分はダイオードの整流作用に関する説明の中で最も理解をするのが難しいところになります。この部分を突破することができたら、ダイオードの整流作用についてほぼ完全に理解したと言っても良いでしょう。できるだけ簡単な表現で説明することを心がけますので、最後まで目を通してみてくださいね。
ダイオードの構造
ここでは、ダイオードの構造について説明しますね。一般的なダイオードは、P型半導体とN型半導体を接合することで作られていますよ。P型半導体が存在する側がアノードになり、N型半導体が存在する側はカソードになっています。
P型半導体は純シリコン(Si)にホウ素(B)を添加したもので、結晶中にはホール(正孔)と呼ばれる電子欠乏が存在しますよ。一方、N型半導体は純シリコン(Si)にリン(P)を添加したもので、結晶中では電子が過剰に存在する状態になります。また、近年になってから、P型半導体とN型半導体の主成分を純シリコン(Si)から窒化ガリウム(GaN)やシリコンカーバイド(SiC)に置き換えたものが登場するようになりました。
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