みんなはストロンチウムという元素を知っているでしょうか。ちょっとマイナーな元素ですがストロンチウムと言えば花火。ストロンチウムは炎色反応する元素として学ぶ。そんなストロンチウムは何色の炎色反応を起こすのでしょうか。
それではストロンチウムについて、化学系科学館職員のたかはしふみかが解説していきます。
ライター/たかはし ふみか
元素や原子、化学という言葉が好きな科学館職員。幼稚園児から小中学生、保護者と幅広い世代に科学を楽しんでほしいと実験の本を読み漁っている。基礎知識を求めて化学辞書を読むことも。学生時代は試験対策としてノートの書き写したり用語の確認を行っていた。
ストロンチウムSr
image by Study-Z編集部
元素記号:Sr
原子番号:38
原子量:87.62
密度:2.64g/cm3
融点:777℃
沸点:1382℃
見た目の特徴:銀白色の柔らかい金属
単体のストロンチウムは反応性が高く、水と激しく反応して水素を発生します。そのため天然では単体として存在することができず、ストロチアン石や天青石などの鉱物や化合物に含まれて存在しているのです。
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名前の由来はスコットランドで採掘されるストロンチアン石(SrCO3)に由来しています。この鉱物にストロンチウムが含まれているのです。ストロンチウムを含む鉱石は上にある写真のストロチアン石の他に、セレスタイト(SrSO4、天青石・セレスタイン)があります。
ストロンチウムイオンはカルシウムイオンとイオン半径が同じくらいです。そのため体内でカルシウムとの置換が起こり、ストロンチウムが骨に蓄積します。こうして蓄積したストロンチウム90が体内被曝を引き起こし、骨肉腫や白血病の原因となっているのです。このことから放射性のストロンチウム90は、最も危険な核種とされています。核種とは陽子の数と中性子の数で特定される原子核の種類のことです。この体内被曝を引き起こすものとしては他に、ヨウ素やセシウム137も知られています。
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