この記事ではみずほ、さくら、つばめの違いについてみていきます。
3つとも山陽・九州新幹線の列車種別の愛称で、見た目はどれも同じイメージがあるよな。違いはずばり速さと停車駅のようですが、調べてみると色々と面白い発見があったんです。
今回は九州の大動脈として活躍する山陽・九州新幹線の違いを、小説家兼ライターのさらささらと一緒に解説しよう。

ライター/さらささら

少女向け小説家兼ライター、神社や名所を訪ねるのが趣味。お話のネタにするため様々な雑知識を集め、わかりやすい言葉で説明。

「みずほ」と「さくら」と「つばめ」とは?

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今回ご紹介する「みずほ」と「さくら」と「つばめ」とは、九州新幹線(JR九州/九州旅客鉄道)の愛称です。

こちらでは、そんな九州新幹線を支える3種類の列車の違いや、名称の由来などをご紹介したいと思います。
※運営は九州旅客鉄道(JR九州)+西日本旅客鉄道(JR西日本)

名前の由来ともとになった列車名

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「のぞみ」や「ひかり」のように、日本の新幹線には車両番号以外に"愛称"を持っています。公募や有識者などによる命名の他、以前運行していた列車の愛称をそのまま受け継ぐ場合もあるようです。こちらでは「みずほ」と「さくら」と「つばめ」の由来を調べてみました。

「みずほ」の由来は稲穂と夜行列車

「みずほ」という愛称は、1961~1994年の33年間に渡って東京-熊本・長崎間を繋いでいた夜行列車(寝台特急)の名称として利用されていたそうです。ちなみに、寝台特急「みずほ」の名前の由来は、『古事記』に書かれた日本国の別称「瑞穂国」、つまり「みずみずしい稲の穂(の実る国)」から来ています。

寝台特急「みずほ」が姿を消してから17年後の2011年、その名前は九州新幹線へと受け継がれました。

「さくら」の由来は日本の美しさと新車両

「さくら」の由来は、2008年に九州新幹線(JR九州)と山陽新幹線(JR西日本)を直通する列車名の公募が始まりです。「さくら」の名称は応募数17万通近くの中、最多数の8千通を獲得しました。さらに、直結運転用に開発された当時の新車両N700系7000・8000番台のコンセプトである「日本の美しさ」にもちなんで、この「さくら」が選ばれたそうです。

ちなみに、高い人気を誇った寝台特急「櫻-さくら-」の愛称が復活した事でもファンの間で話題になりました。

「つばめ」の由来は国鉄時代を代表する伝統の名前

「つばめ」の名前はもちろん、鳥の「燕」の意味ですね。実は、九州新幹線の「つばめ」は、国鉄時代の特急列車「燕-つばめ-」を受け継いだものなのです。

奇しくも九州新幹線3種の愛称は、名門としてファンの間で人気のあった列車の名前を受け継いだ事になります。

\次のページで「「みずほ」と「さくら」と「つばめ」の特徴」を解説!/

「みずほ」と「さくら」と「つばめ」の特徴

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こちらでは、「みずほ」と「さくら」と「つばめ」の特徴と、車両それぞれの違いについて調べてみました。

「みずほ」の特徴は最速達列車

山陽新幹線に乗り入れる「みずほ」の使用車両はN700系(7000・8000番)のみとなります。

「みずほ」は九州新幹線に於いて、主要な駅(都市)だけに停車し目的地に到着する速達列車のさらに上の最速達列車です。全ての列車が山陽新幹線区間「新大阪駅-広島駅」に乗り入れており、「新大阪駅-鹿児島中央駅」間をまさに最速で走り抜けます。

「さくら」の特徴は2つの役割を持つ速達列車

「さくら」もまた山陽新幹線区間に乗り入れ、最速達列車である「みずほ」に次ぐ役割を担うイメージです。しかし、「さくら」は九州内だけを走る速達列車の役割も持っており、使用車両はN700系と800系を使っています。

「みずほ」と「さくら」に使用されている車両は、N700系に勾配対策を施した7000番代と8000番代です。ちなみに7000と8000の違いは、7000番台がJR西日本所有、8000番代はJR九州所有となります。

「つばめ」の特徴は九州だけ走る各駅列車

九州新幹線の区間のみを運行する「つばめ」の使用車両は主に800系ですが、「さくら」や「みずほ」と同じN700系も一部で運行しています。

他の2種と違い、「つばめ」は九州のみを運行する各駅停車型の新幹線です。

料金や座席に違いはあるの?

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こちらでは、3種の列車それぞれの料金や座席の違いに加え、走る路線と停車駅についても調べてみました。

\次のページで「走る路線と停車駅は何処?」を解説!/

走る路線と停車駅は何処?

最速達列車である「みずほ」は「新大阪駅-鹿児島中央駅」区間を運行。一方「さくら」は「新大阪駅-鹿児島中央駅」と「博多駅-鹿児島中央駅」区間を、九州のみの各駅新幹線「つばめ」は「博多駅-熊本駅」と「博多駅-鹿児島中央駅」区間を運行しています。

東海道新幹線には「新大阪駅」「新神戸駅」「博多駅」などで乗り継ぎ可能です。また、停車駅に関しては、下記に一覧として記載しました。

みずほ(8駅)…■、さくら(10駅)…●、つばめ(13駅)…▲
※0-1~0-6は山陽新幹線直通、以降は九州新幹線。

0-1.新大阪(■●)
0-2.新神戸(■●)
0-3.岡山(■●)
0-4.福山(●)
0-5.広島(■●)
0-6.小倉(■●)
1.博多(■●▲)
2.新鳥栖(▲)
3.久留米(▲)
4.筑後船小屋(▲)
5.新大牟田(▲)
6.新玉名(▲)
7.熊本(■●▲)
8.新八千代(▲)
9.新水俣(▲)
10.出水(▲)
11.川内(●▲)
12.鹿児島中央(■●▲)

※それぞれ一部列車が停車する駅を除く。
※※新鳥栖駅や新水俣駅など、九州での「さくら」は列車によって停車や通過が異なる駅が8ヶ所ある。

速さと所要時間の差は?

九州新幹線内の最高速度は260km/hです。前の項目でも少し触れましたが、九州は(新幹線で最も)急な勾配区間があるため、全ての車両に主電動機であるモーターが搭載されています。

それぞれの九州新幹線の所要時間の以下の通りです。停車駅の数に比例しているのが分かりますね。

    博多駅-熊本駅  博多駅-鹿児島中央駅
・みずほ   約30分      約1時間20分
・さくら   約40分      約1時間40分
・つばめ   約50分      約2時間

座席や料金はどうなっているの?

「みずほ」と「さくら」で運行されているN700系は8両編成で、6両目で半分に区切られグリーン指定席(グリーン車)と普通車とになっています。一方、グリーン指定席のない800系は3号車が指定席に変更される事や、(800系が主流の)「つばめ」の場合は4号車が自由席になる定期運行の列車があるそうです。

山陽新幹線区間では「みずほ」には割増料金が設定されている上、指定席やグリーン席は「さくら」や「つばめ」よりも少し割高になります。

\次のページで「「のぞみ」「こだま」「ひかり」との関連性」を解説!/

「のぞみ」「こだま」「ひかり」との関連性

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山陽新幹線区間では、「のぞみ」「こだま」「ひかり」の他に、九州新幹線の「みずほ」「さくら」(※一部「つばめ」も込みで)の合計6種の新幹線を見る事ができます。

また、最速達列車である「みずほ」は「のぞみ」、次に速い「さくら」は「ひかり」、各駅停車の「つばめ」は「こだま」と同格に考えられているようです。

九州新幹線の違いは以下の通りです。

・「みずほ」と「さくら」は山陽新幹線に乗り入れ。
・各駅停車の「つばめ」は(基本)九州だけ運行。
・「みずほ」は特別料金が発生。
・「みずほ」と「さくら」の車両はN700系、「つばめ」(と九州の「さくら」)は800系。

日本の西と東を繋ぐ新たな新幹線

元々2004年3月13日に「新八千代駅-鹿児島中央駅」間で開業していた九州新幹線でしたが、2011年3月12日に九州12駅(と大阪駅を結ぶ直通運転)を全線開通しました。ところが、前日の3月11日に東北地方を中心に襲った東日本大震災が発生し、九州新幹線の全通はあまり多くの人に知られることなく幕を開けたそうです。

そんな九州新幹線でしたが、その後のCMなどが話題となり、現在の認知度や活躍ぶりは皆さんが知る通りかもしれませんね。

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3分でわかる九州新幹線のみずほとさくらとつばめの違い!由来や特徴、座席、停車駅など小説家兼ライターが丁寧にわかりやすく解説!

この記事ではみずほ、さくら、つばめの違いについてみていきます。
3つとも山陽・九州新幹線の列車種別の愛称で、見た目はどれも同じイメージがあるよな。違いはずばり速さと停車駅のようですが、調べてみると色々と面白い発見があったんです。
今回は九州の大動脈として活躍する山陽・九州新幹線の違いを、小説家兼ライターのさらささらと一緒に解説しよう。

ライター/さらささら

少女向け小説家兼ライター、神社や名所を訪ねるのが趣味。お話のネタにするため様々な雑知識を集め、わかりやすい言葉で説明。

「みずほ」と「さくら」と「つばめ」とは?

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今回ご紹介する「みずほ」と「さくら」と「つばめ」とは、九州新幹線(JR九州/九州旅客鉄道)の愛称です。

こちらでは、そんな九州新幹線を支える3種類の列車の違いや、名称の由来などをご紹介したいと思います。
※運営は九州旅客鉄道(JR九州)+西日本旅客鉄道(JR西日本)

名前の由来ともとになった列車名

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「のぞみ」や「ひかり」のように、日本の新幹線には車両番号以外に”愛称”を持っています。公募や有識者などによる命名の他、以前運行していた列車の愛称をそのまま受け継ぐ場合もあるようです。こちらでは「みずほ」と「さくら」と「つばめ」の由来を調べてみました。

「みずほ」の由来は稲穂と夜行列車

「みずほ」という愛称は、1961~1994年の33年間に渡って東京-熊本・長崎間を繋いでいた夜行列車(寝台特急)の名称として利用されていたそうです。ちなみに、寝台特急「みずほ」の名前の由来は、『古事記』に書かれた日本国の別称「瑞穂国」、つまり「みずみずしい稲の穂(の実る国)」から来ています。

寝台特急「みずほ」が姿を消してから17年後の2011年、その名前は九州新幹線へと受け継がれました。

「さくら」の由来は日本の美しさと新車両

「さくら」の由来は、2008年に九州新幹線(JR九州)と山陽新幹線(JR西日本)を直通する列車名の公募が始まりです。「さくら」の名称は応募数17万通近くの中、最多数の8千通を獲得しました。さらに、直結運転用に開発された当時の新車両N700系7000・8000番台のコンセプトである「日本の美しさ」にもちなんで、この「さくら」が選ばれたそうです。

ちなみに、高い人気を誇った寝台特急「櫻-さくら-」の愛称が復活した事でもファンの間で話題になりました。

「つばめ」の由来は国鉄時代を代表する伝統の名前

「つばめ」の名前はもちろん、鳥の「燕」の意味ですね。実は、九州新幹線の「つばめ」は、国鉄時代の特急列車「燕-つばめ-」を受け継いだものなのです。

奇しくも九州新幹線3種の愛称は、名門としてファンの間で人気のあった列車の名前を受け継いだ事になります。

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