この記事では「彼を知り己を知れば百戦殆からず」について解説する。

端的に言えば彼を知り己を知れば百戦殆からずの意味は「敵と見方の状況をよく知っていれば負けることはない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で6年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の意味や例文、類語などを見ていきます。 

ライター/eastflower

今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な6年目のライター、eastflower。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の意味は?

まずは、「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の辞書の意味を見ていきましょう。

1. 敵と味方の情勢をよく知って戦えば、何度戦っても敗れることはない。

出典: デジタル大辞泉(小学館)「彼を知り己を知れば百戦殆からず」

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」(かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず)を分解して見て見ましょう。「彼」(かれ)とは、「話し手や聞き手ではない第三者」のことで、このことわざの場合、しばしば「敵」(てき)と言い換えられることもあります。「己」(おのれ)とは、自分自身のことですね。あまり見かけな「殆」(あやう)ですが、「殆」とは、「危ない」や「危険な」という意味を持つ漢字です。直訳すると、「敵を知っていて、自分(味方)のことを熟知していれば、百回という戦いをしたとしても危険なことはない」。つまり「相手と自分の状態をきちんと分析できていればどんな戦いでも危険がない」という意味になるのです。

 

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の語源は?

次に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の語源を確認しておきましょう。「彼を知り己を知しれば百戦殆からず」は、ご存知の方も多いと思いますが、「孫子」(そんし)の言葉です。孫子が生きた時代は、今から約2500年前。中国全土が戦乱にあけくれていた時代でした。そんな状況の中、戦い方を系統だてて論理的に勝利するための兵法書(へいほうしょ)を記したのが「孫子」だったのです。現在でも、中国や日本では、「彼を知り己を知しれば百戦殆からず」は大切な教訓として理解され、スポーツの世界やビジネスの場においてもライバルや競合相手の分析は欠かさざるものになっていますね。

\次のページで「「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の使い方・例文」を解説!/

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の使い方・例文

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. まさか、あのチームが優勝するとは誰もが思ってなかったろう。勝因のひとつは、相手チームに対する徹底的な分析力だ。ことわざにある通り、まさに「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」だ。相手チームを知り、それに対して自分たちがどう対応すればよいのかを考え抜いた上での当然の結果だとも言えるだろう。

2.「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」というが、相手を知ることはある程度は、誰にもできることだ。客観的に見られるからだ。しかし、「己を知る」ことは、そんなに容易な話ではない。だからこそ、第三者の意見に耳を傾けることも大切になってくるんだ。

現在のビジネス界でもスポーツ界でも対戦相手の能力や競合他社の製品をきちんと把握していないと確実な勝利は得られない時代になっているのです。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の類義語は?違いは?

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それでは、「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の類義語を見ていきましょう。

「備えあれば憂いなし」

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」は、「敵と味方の情勢を熟知していれば負けることはない」という意味でしたが、同じような意味を持つ言葉に「備えあれば憂いなし」(そなえあればうれいなし)があります。「備えあれば憂いなし」の「備え」(そなえ)とは、「有事が起きたときを想定した普段からの防備などの準備や用意をすること」で「憂い」(うれい)とは、「予測しない事態や思うようにならないときに抱く心配や苦しくてつらい思いのこと」です。「備えあれば憂いなし」は、「普段から起こりえる事態に対して、準備や用意ができていれば少しも心配することはない」という意味になります。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」は、「相手や敵及び自分を知ること」の重要性を訴える言葉であるのに対して、「備えあれば憂いなし」の方は、「起こりえる事態への準備」が大切であると言っているわけであり、その点については、若干、ニュアンスが異なりますが、「相手や敵及び自分を知ること」も大きな意味で「将来の災いを避けるための準備」ととらえることもできるでしょう。

\次のページで「「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の対義語は?」を解説!/

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の対義語は?

次に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の対義語を見ていきましょう。

「一か八か」

孫子が言う通り、「相手側、味方側、双方の力や状況を把握できていれば戦いに望んでも危険に感じる必要はない」というのはその通りだと思いますね。しかし、人間、長い人生の中には2度や3度、きちんと状況が把握できていなくても行動せざるを得ないピンチに遭遇することでしょう。「勝算はわからないがとにかくやってみなけらばならない」という意味を持つ慣用句に「一か八か」(いちかばちか)という表現があります。

「彼を知り己を知しれば百戦殆からず」が「よく準備できていて」、「論知的」で「成功の必然性(せいこうのひつぜんせい)が見えている」状態であるのに対して、「一か八か」は、よい結果が出せるか否かが見通せない状況」で、「運まかせではあるけれどもやらざるを得ない場合」に使われる表現です。どうして、「一か八か」という表現が使われるようになったのかについては、諸説ありますが、ひとつはサイコロ賭博(とばく)の「一がでたらありがたいが、他の目が出たら罰(ばち)を受けてしまう。」から派生したとも言われています。現在、言われている「八」(はち)は、以前は「罰」(ばつ)だったのかもしれませんね。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の英訳は?

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次に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の英訳を見ていきましょう。

「If you know your enemies and know yourselfell, you will never be defeated」

孫子の「彼を知り己を知しれば百戦殆からず」の考え方は、中国や日本のみでなく世界中の国々に紹介されていて、共感を受けていますが、調べたところ、決まった表現は見つかりませんでした。このような場合は、原文をきちんと理解し、わかりやすい言葉で伝えることが大切です。「彼を知り己を知しれば百戦殆からず」を現代文になおすと、「あなたが、あなたの敵や自分自身のことを良くしっているのであれば、決して負けるようなことはないでしょう」となります。

これを誰でもがわかりやすい英文にすると、「If you know your enemies and know yourselfell, you will never be defeated」あたりがよいのではないでしょうか?「defeate」(dɪfíːt)は他動詞で、「(相手を)打ち負かす」「打ち破る」という意味ですから、「you will never be defeated」で「あなたが打ち負かされることはないだろう」となるわけです。

 

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」を使いこなそう

この記事では、「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の意味や使い方を見てきました。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」は、「敵と見方の情勢を知った上で戦えば、どれだけ戦っても敗北することはない」という意味を持つ中国の孫子に伝えられた故事成語でした。人は誰でも完璧な人間ではありません。時には怒りがこみ上げてきたり、相手の強さなど考えることなく交戦したい気持ちになることもあるでしょう。そんなときは、一度、深呼吸をして相手の強さを考えた上でどのように対処すべきかを再度、考えてもよいのかもしれませんね。孫子の残したことばのひとつに「戦わずして勝つ」もありますが、これも賢者の言葉として納得ですね。

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【故事成語】「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「彼を知り己を知れば百戦殆からず」について解説する。

端的に言えば彼を知り己を知れば百戦殆からずの意味は「敵と見方の状況をよく知っていれば負けることはない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で6年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の意味や例文、類語などを見ていきます。 

ライター/eastflower

今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な6年目のライター、eastflower。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の意味は?

まずは、「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の辞書の意味を見ていきましょう。

1. 敵と味方の情勢をよく知って戦えば、何度戦っても敗れることはない。

出典: デジタル大辞泉(小学館)「彼を知り己を知れば百戦殆からず」

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」(かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず)を分解して見て見ましょう。「彼」(かれ)とは、「話し手や聞き手ではない第三者」のことで、このことわざの場合、しばしば「敵」(てき)と言い換えられることもあります。「己」(おのれ)とは、自分自身のことですね。あまり見かけな「殆」(あやう)ですが、「殆」とは、「危ない」や「危険な」という意味を持つ漢字です。直訳すると、「敵を知っていて、自分(味方)のことを熟知していれば、百回という戦いをしたとしても危険なことはない」。つまり「相手と自分の状態をきちんと分析できていればどんな戦いでも危険がない」という意味になるのです。

 

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の語源は?

次に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」の語源を確認しておきましょう。「彼を知り己を知しれば百戦殆からず」は、ご存知の方も多いと思いますが、「孫子」(そんし)の言葉です。孫子が生きた時代は、今から約2500年前。中国全土が戦乱にあけくれていた時代でした。そんな状況の中、戦い方を系統だてて論理的に勝利するための兵法書(へいほうしょ)を記したのが「孫子」だったのです。現在でも、中国や日本では、「彼を知り己を知しれば百戦殆からず」は大切な教訓として理解され、スポーツの世界やビジネスの場においてもライバルや競合相手の分析は欠かさざるものになっていますね。

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