
卵焼きと玉子焼き、この2つにどんな違いがあるか言えるヤツはいるか?何となく違いがあるのを知ってはいても、意識していない人がほとんどでしょう。そもそもの「卵」と「玉子」の違いから理解することで、たまご焼きに対する愛情が倍増するかもしれませんね。
今回は、世界各国から食品の輸入を手掛ける現役商社マンMIYABIと一緒にこの違いを解説していきます。
- 「卵焼きと玉子焼き」違いはその概念にあり!
- 卵焼き?玉子焼き? 一般的なのは「玉子焼き」
- 「卵」は生物学的に使われる
- 「玉子」は食材的に使われる
- 「卵」と「玉子」はなぜ2つ存在しているの?
- もともとは「卵」のみだった
- 「玉子」が生まれたのは「蚕」と紛らわしいから
- 実際に「たまご」を使った言葉からその違いを実感!
- 「なまたまご」「ゆでたまご」は「生卵」「ゆで卵」
- 「味付きたまご」は「味付き玉子」
- 料理のレシピには「卵」
- 「たまご丼」は「玉子丼」
- 豆知識:「たまごの日」が存在していた!
- 6月9日は「たまごの日」だった!
- たまごを祝う日は他にもあった!
- 「卵」でも「玉子」でもみんな大好きたまご焼き!
この記事の目次

ライター/MIYABI
某大手商社の食品部門に勤務する現役営業ウーマン。食材の特性や組み合わせを考えプレゼンするのが仕事であり、その知識を家事にも活かしながら料理を楽しむのを日課としている。
「卵焼きと玉子焼き」違いはその概念にあり!

image by iStockphoto
日本人の国民食と言ってもいいくらいの人気の料理「たまご焼き」。卵料理の代表格で、お弁当の定番ですね。お母さんの味として青春時代を思い出す人も多いのではないでしょうか。そのたまご焼きも「卵焼き」と「玉子焼き」の2つの書き方があり、よく考えるとどう違うのだろう?と思いませんか。ここでは、その表記にどんな違いがあるのかを探っていきましょう。
卵焼き?玉子焼き? 一般的なのは「玉子焼き」
「卵焼き」と「玉子焼き」、どちらも間違っていないような気がしますが、一般的に使用されるのは「玉子焼き」となります。なぜならば「卵」はあの殻のついた生の状態のものを指す場合に使用され、「玉子」は手を加えられた料理を指すことが多いからです。つまり分かりやすく表現すれば、『「卵」を使って「玉子焼き」を作る』という使い方をする、と言えるでしょう。
ただし、この漢字の使い分けについては定義があるわけではないため、「卵焼き」が間違いということではありません。あくまでも、ポピュラーな使い方が「玉子焼き」であるということです。
「卵」は生物学的に使われる
「卵」は生物学的な意味として使用される言葉です。「孵化」という漢字に表れている通り、卵をかえして育つ生き物に対し使われます。例えば、鳥が産むもの、カエルが産むものは「卵」と表記しますし、イクラや数の子は「魚卵」と呼ばれる通りです。また、料理に「卵」という文字が使用される時は、手を加えられる前の生の状態を指します。つまり鶏の卵であれば「殻を割って加工される前の素材」としての意味合いで用いられるのです。
「玉子」は食材的に使われる
これに対して「玉子」は、食材的に使用される言葉です。卵がすでに手を加えられ、調理された状態に対して用いられます。つまり、「卵と玉子」は「鳥(鳥類)と鶏(鶏肉)」と同じような関係性にあると言っていいでしょう。
\次のページで「「卵」と「玉子」はなぜ2つ存在しているの?」を解説!/