この記事ではダウンとフェザーの違いについてみていきます。どちらも鳥の羽で、防寒着や布団などに使用する詰め物のイメージがあるよな。この2つは同じ鳥の羽として混同しがちですが、違いはずばり採取する部位にあるようです。その他にも特徴や機能、使用されている製品での比較など調べるといろいろとあるみたいです。
今回はダウンコートなどの詰め物に使われるダウンとフェザーの違いを、鳥の種類から確認しつつ、元アパレル販売員ささき葵と一緒に解説していきます。

ライター/ささき葵

子ども3人を育てる専業主婦で、元アパレル販売員のファッション好きライター。アパレル経験を活かし、素材について詳しく解説。

ダウンとフェザーは鳥の羽でも部位が違う!

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ダウンと聞くとダウンコートなど冬のアウターのイメージがありますよね。ダウンコートと言っても中身が100%ダウンではなく、素材表示を見るとフェザーも何%かは含まれています。

ではこのダウンとフェザーの違いはご存知ですか?2つは同じ鳥の羽ですが、採取する部位によって種類が違うのです。

ダウンは水鳥の胸部の羽毛

ダウンとは、水鳥の胸部の羽毛のこと軸はなく、タンポポの綿毛のようにフワフワっとした形状です。

水鳥は水が接している部分にこの羽毛が生えており、寒さから身体を守る役目があります。この羽毛は、1羽の水鳥から10gから20g程しか採取できない貴重なものとされているため、ダウンが使用される製品は高級品とされるのです。

フェザーは鳥の羽毛以外の羽根

フェザーとは、鳥の翼部分にあたる羽根のこと羽根には軸があり、その両側に羽枝が生えていて、いわゆる鳥の羽をイメージするとこのフェザーの部分が思い浮かぶでしょう。

さらにフェザーも採取する部位で、大きなサイズのラージフェザーと、6.5cm以下の湾曲したスモールフェザーに分類されます

ダウンとフェザーは主に水鳥

鳥は水辺に生息する「水鳥」と、陸地に生息する「陸鳥」に分類されます。フェザーは水鳥と陸鳥の両方から取れますが、ダウンは水鳥からしか取れません

一般的にアウターなどの衣類や羽毛布団などに使われているダウンとフェザーは、弾力やボリューム感のある水鳥のものが多く使用されています。

水鳥の種類はダックやガチョウ

ダウンとフェザーが取れる水鳥は、主にダック(アヒル)かガチョウ(グース)です。

ダックはグースよりも体が小さいため羽毛の塊も小さくなり、グースは寿命も長く大きく育つものは羽毛の塊も大きくなります。グースの方が、フィルパワーと言われる空気の包含力の値が高く、保温性に優れており良質なダウンとされているのです。

\次のページで「ダウンとフェザーの特徴と機能」を解説!/

ダウンとフェザーの特徴と機能

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ダウンとフェザーは、主にダックやグースなどの水鳥の羽毛と羽根の違いでしたね。採取される部位が違うことで形状も見た目も異なる2つですが、さらにここからは詳しい特徴や機能についてもご紹介していきます。

ダウンは軽量で保温性が高い

ダウンの特徴としては、なんといっても軽量で保温性が高いというところ。

羽毛の中でも羽枝や産毛が多く、タンポポの綿毛のような丸くフワッとした形のものを「ダウンボール」と呼びます。このダウンボールは羽枝が重なった隙間に空気の層ができ、温められると断熱層になるので熱を逃さず冷気を遮断する効果があるのです。これによりダウンボールが大きいほど高い保温性を保ち、空気の層を多く含むため軽量になり高品質とされます。

フェザーは弾力があり通気性が良い

フェザーの特徴としては、羽軸があるため弾力があり通気性が良いというところ。

フェザーはスモールフェザーとラージフェザーがありますが、スモールフェザーの方が全体が湾曲しており弾力性があります。中綿に使用する際、ダウンだけでは柔らかすぎて一ヶ所に寄ってしまったり形が崩れやすいのですが、フェザーを混ぜる事で弾力と耐久性が生まれ、ダウンのふんわり感も保つことができるのです。

ダウンとフェザーを使用した製品

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ダウンとフェザーはお互いに混合する事で、保温力と弾力性を発揮してさまざまな製品に利用されていますよね。製品によっても混合の割合などに特徴があるので、主に使用されている製品についてもみていきましょう。

\次のページで「ダウンジャケットやダウンコートなどのアウター」を解説!/

ダウンジャケットやダウンコートなどのアウター

冬に防寒着として着用されるダウンジャケットやダウンコートは、詰め物のダウンとフェザーの割合や使用量によって値段が左右されます

ダウンの割合が80%や90%で残りがスモールフェザーの場合は、保温性も高く比較的高価な製品です。フェザーでもスモールフェザーの方が弾力があり、耐久性も高くふんわり感も保たれるため良く使用されますが、コストを抑えた安価な商品などにはラージフェザーが使用されていたり、フェザーの割合も多くなる傾向にあります。

たまに安いダウンコートなどは中身のフェザーが表地に突き出していたりしますが、羽軸の大きく安価なラージフェザーが入っていると予想されますね。

羽毛布団や羽根布団などの寝具

よく見ないと混同して間違えてしまいそうな、羽毛布団と羽根布団。これらは中の詰め物の違いで分類されており、ダウン50%以上のものが「羽毛布団」、フェザー50%以上のものが「羽根布団」とされています。

温かさと軽さで快適な方は、ダウンの割合が多い羽毛布団です。もちろんダウンの割合が多くなるほど、お値段も高くなります。

一方、羽根布団は中身のフェザーに保温性はなく、割合が多くなるほど重量が重くなるため比較的に低価格ですが、保温性の事を考えるとダウンとフェザーの割合を見て選びたいですね。

ダウンとフェザーの割合に注目してみよう!

ダウンとフェザーは、同じ水鳥の羽でもそれぞれ違う部位から取れる羽毛と羽根だと分かりました。ダウンは保温性が高く軽量で、フェザーは弾力と通気性が高いため、製品により最適な割合で混合されています。ダウンコートなどは着用することから軽さと暖かさを重視し、ダウンの割合は高い方が良さそうですが、羽毛布団ではダウンが50%近く入っていれば、十分暖かく快適に使用できますよ。製品を選ぶ際は、ぜひダウンやフェザーの割合やお値段に注目して、自身に最適なものを選んでみて下さい。

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3分で分かるダウンとフェザーの違い!羽を採取する部位が違う?特徴や機能、コートや布団での比較など元アパレル販売員がわかりやすく解説

この記事ではダウンとフェザーの違いについてみていきます。どちらも鳥の羽で、防寒着や布団などに使用する詰め物のイメージがあるよな。この2つは同じ鳥の羽として混同しがちですが、違いはずばり採取する部位にあるようです。その他にも特徴や機能、使用されている製品での比較など調べるといろいろとあるみたいです。
今回はダウンコートなどの詰め物に使われるダウンとフェザーの違いを、鳥の種類から確認しつつ、元アパレル販売員ささき葵と一緒に解説していきます。

ライター/ささき葵

子ども3人を育てる専業主婦で、元アパレル販売員のファッション好きライター。アパレル経験を活かし、素材について詳しく解説。

ダウンとフェザーは鳥の羽でも部位が違う!

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ダウンと聞くとダウンコートなど冬のアウターのイメージがありますよね。ダウンコートと言っても中身が100%ダウンではなく、素材表示を見るとフェザーも何%かは含まれています。

ではこのダウンとフェザーの違いはご存知ですか?2つは同じ鳥の羽ですが、採取する部位によって種類が違うのです。

ダウンは水鳥の胸部の羽毛

ダウンとは、水鳥の胸部の羽毛のこと軸はなく、タンポポの綿毛のようにフワフワっとした形状です。

水鳥は水が接している部分にこの羽毛が生えており、寒さから身体を守る役目があります。この羽毛は、1羽の水鳥から10gから20g程しか採取できない貴重なものとされているため、ダウンが使用される製品は高級品とされるのです。

フェザーは鳥の羽毛以外の羽根

フェザーとは、鳥の翼部分にあたる羽根のこと羽根には軸があり、その両側に羽枝が生えていて、いわゆる鳥の羽をイメージするとこのフェザーの部分が思い浮かぶでしょう。

さらにフェザーも採取する部位で、大きなサイズのラージフェザーと、6.5cm以下の湾曲したスモールフェザーに分類されます

ダウンとフェザーは主に水鳥

鳥は水辺に生息する「水鳥」と、陸地に生息する「陸鳥」に分類されます。フェザーは水鳥と陸鳥の両方から取れますが、ダウンは水鳥からしか取れません

一般的にアウターなどの衣類や羽毛布団などに使われているダウンとフェザーは、弾力やボリューム感のある水鳥のものが多く使用されています。

水鳥の種類はダックやガチョウ

ダウンとフェザーが取れる水鳥は、主にダック(アヒル)かガチョウ(グース)です。

ダックはグースよりも体が小さいため羽毛の塊も小さくなり、グースは寿命も長く大きく育つものは羽毛の塊も大きくなります。グースの方が、フィルパワーと言われる空気の包含力の値が高く、保温性に優れており良質なダウンとされているのです。

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