インコは人の言葉をマネしてしゃべるのが得意ですが、なぜ人と同じように言葉を発することができるのか考えたことはあるでしょうか?実はインコが人の言葉をマネするのにはインコの習性や発声の仕組みが関係しているんです。
セキセイインコを飼っていて生物学に詳しいライターAnnaと一緒に解説していきます。

ライター/Anna

大学で生物学について幅広く学び、大学院では植物の研究をしていた。生物学の楽しさをたくさんの人に広められるよう日々勉強中。

インコはなぜしゃべるの?

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インコは人の言葉を覚えておしゃべりをする鳥として知られていますが、なぜインコは人の言葉をしゃべるのでしょうか?インコが他の動物と違って人の言葉をマネする理由や、インコが人と同じような言葉を発声できる仕組みを解説していきます。

インコはしゃべるのは「鳴き声をマネする習性がある」から!

インコは鳥の中でもおしゃべりが好きであることが知られています。野生のインコは通常群れで暮らしていて、親鳥や仲間の鳥の鳴き声をマネしながら様々な鳴き方を覚えてコミュニケーションを取っているのです。

しかし、ペットとして飼われているインコは鳴き方を覚えるヒナの時から人間に育てられているため、人間を「仲間」として認識し人間の言葉をマネしてコミュニケーションを取ろうとします。また、鳥類は鼓膜が大きいことが知られていて、ちょっとの音の違いも聞き分けられることから言葉の抑揚や高さまでマネして人間の言葉を「おしゃべり」できるんです。飼い主の発する言葉を一生懸命聞いてマネし、私たち人間とコミュニケーションを取ろうとしていると考えるととても可愛らしいですよね。

インコは「鳴管」を使っておしゃべりしている!

インコは人間と違い唇がなく、舌の大きさも人間と比べるととても小さいですがどのようにしておしゃべりをしているのでしょうか?

人が声を発する時には「声帯」を使いますが、鳥類は「鳴管(めいかん)」と呼ばれる気管の奥にある器官を使って発声します。インコは他の鳥と比べて鳴管の筋肉が発達しているため複雑な音を出しておしゃべりできるのです。また、インコの舌は他の鳥と比べて肉厚で柔軟に動かせるよう発達しているため、人のように舌の形を変えて様々な音を出すことができます。そのため人の言葉のような抑揚をそのままマネすることができ、上手におしゃべりするのです。

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メスよりオスの方がよくしゃべる!?

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インコのオスはメスに対して鳴き声でアピールをして求愛をします。メスは自分の声に似たオスに惹かれるため、オスは一生懸命メスの鳴き声をマネするのです。その結果、オスの方がメスよりおしゃべりであると言われているんですよ。

ただしメスでもおしゃべりな上手なインコもいますし、オスでもあまりしゃべらないインコもいますがこれは性格など個体差が理由と言われています。実際によく人の言葉をしゃべるのでオスだと思っていたら産卵してメスだと分かった例もありました。

おしゃべりな得意なインコの種類は?

インコならどんな種類でもおしゃべりができると思う人も多いと思いますが、種類によっておしゃべりが得意だったり苦手だったりと様々です。ここではしゃべるのが得意なインコを3種類ご紹介します。

1.セキセイインコ

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セキセイインコはオーストラリアが原産で体長20cm前後と小型のインコです。人に懐きやすいことや可愛らしいカラフルな色合いでペットとしても人気が高い種類で、小型のインコの中で最もおしゃべりが得意だと言われています。個体差はありますが生後2〜3ヶ月頃から人の言葉を覚えてしゃべるようになり、短い言葉だけでなく住所や物語などの長文まで覚えられる子もいるんですよ。色や柄によって種類が分かれていてスパングルやオパーリンなどの種類が有名です。

2.ヨウム

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全長30〜40cmほどある大型のインコで頭がとても良く、人間の5歳児ほどの知能があると言われています。そのため人間の言葉を覚えるのも早く、言葉や日常の生活音をマネるだけでなく言葉の意味を理解して人と会話できるヨウムもいるようです。また、余談ですが様々な種類のインコの中でもとても長生きすることが知られていて、寿命は約50年と言われています。

3.ボウシインコ

ボウシインコはあまり知られていませんが、日本で古くから飼われている全長40cmほどの大型のインコです。南米が原産で緑色の体に赤や黄色が入っていてとてもカラフルなインコなんですよ。非常に賢い上に人が好きなため、ヨウムにも負けないくらいおしゃべりが得意で、おしゃべり以外にも音をマネすることもできます。

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インコに言葉を教えるコツは?

インコに言葉を教えるコツは?

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インコがおしゃべりをするのは仲間とコミュニケーションを取るためであると先ほど説明しましたね。つまり、インコが「飼い主とコミュニケーションを取りたい!」と思っていることが重要になります。そのためにもまずはインコにたくさん愛情を注いで、インコとの信頼関係を築くことを大切にしてみてください。

実際に言葉を教えるコツですが、インコも人間と同じで長い言葉より短い言葉の方が覚えやすいです。例えば「おはよう」などの短いあいさつやインコにつけている名前などを繰り返し教えるのがおすすめですよ。他にもインコの声は周波数が高いため、高めの声で話しかけてあげるとマネをしやすかったり、上手にマネができたらいっぱい褒めてあげるとよくおしゃべりするようになります。インコが人間の口元をじっと見つめている時は言葉を聞こうとしている合図なので、小さなしぐさにも注目しながら言葉を教えてあげてくださいね。

インコは鳴き声で様々な感情を伝えている

インコが人の言葉を話すのはとても可愛らしいですが、人の言葉をしゃべらないインコでも鳴き声で様々な感情を伝えています。例えば寂しい時やかまってほしい時にはピーピーと大きな声で飼い主を呼んだり、怒っている時や警戒している時にはギャギャッと威嚇する声を出したりするんですよ。他にもしぐさや行動で気持ちを伝えることもあり、飼い主にもっと話しかけてほしい時には口元をつついたり、飼い主の髪を毛づくろいして愛情表現したりすることもあります。

飼っているインコがなかなか言葉を覚えてくれず悲しいと思うこともあるかもしれませんが、人と同じ言葉を話さないからといってコミュニケーションが取れないわけでは決してありません。言葉を教えるのも楽しいですが、ぜひ様々な鳴き声やしぐさを頼りにインコと気持ちを通じ合わせてみてくださいね。

イラスト引用元:いらすとや

" /> インコはなぜ人の言葉をしゃべるの?インコの発声の仕組みやおしゃべりが得意なインコの種類についてもわかりやすく解説します – ページ 2 – Study-Z
理科生物

インコはなぜ人の言葉をしゃべるの?インコの発声の仕組みやおしゃべりが得意なインコの種類についてもわかりやすく解説します

メスよりオスの方がよくしゃべる!?

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インコのオスはメスに対して鳴き声でアピールをして求愛をします。メスは自分の声に似たオスに惹かれるため、オスは一生懸命メスの鳴き声をマネするのです。その結果、オスの方がメスよりおしゃべりであると言われているんですよ。

ただしメスでもおしゃべりな上手なインコもいますし、オスでもあまりしゃべらないインコもいますがこれは性格など個体差が理由と言われています。実際によく人の言葉をしゃべるのでオスだと思っていたら産卵してメスだと分かった例もありました。

おしゃべりな得意なインコの種類は?

インコならどんな種類でもおしゃべりができると思う人も多いと思いますが、種類によっておしゃべりが得意だったり苦手だったりと様々です。ここではしゃべるのが得意なインコを3種類ご紹介します。

1.セキセイインコ

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セキセイインコはオーストラリアが原産で体長20cm前後と小型のインコです。人に懐きやすいことや可愛らしいカラフルな色合いでペットとしても人気が高い種類で、小型のインコの中で最もおしゃべりが得意だと言われています。個体差はありますが生後2〜3ヶ月頃から人の言葉を覚えてしゃべるようになり、短い言葉だけでなく住所や物語などの長文まで覚えられる子もいるんですよ。色や柄によって種類が分かれていてスパングルやオパーリンなどの種類が有名です。

2.ヨウム

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全長30〜40cmほどある大型のインコで頭がとても良く、人間の5歳児ほどの知能があると言われています。そのため人間の言葉を覚えるのも早く、言葉や日常の生活音をマネるだけでなく言葉の意味を理解して人と会話できるヨウムもいるようです。また、余談ですが様々な種類のインコの中でもとても長生きすることが知られていて、寿命は約50年と言われています。

3.ボウシインコ

ボウシインコはあまり知られていませんが、日本で古くから飼われている全長40cmほどの大型のインコです。南米が原産で緑色の体に赤や黄色が入っていてとてもカラフルなインコなんですよ。非常に賢い上に人が好きなため、ヨウムにも負けないくらいおしゃべりが得意で、おしゃべり以外にも音をマネすることもできます。

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