今日は「エキストラバージンとオリーブオイルの違い」を見ていきます。エキストラバージンとオリーブオイルの違いをはっきりと説明できるヤツはいるか?エキストラバージンはオリーブオイルの一種じゃないの?と思ったら間違いです。今日勉強することで料理によってオリーブオイルの使い分けもできるようになるぞ。
今回は、世界各国から酒類や食品の輸入を手掛ける現役商社マンMIYABIと一緒にこの違いを解説していきます。

ライター/MIYABI

某大手商社の食品部門に勤務する現役営業ウーマン。オリーブオイルの輸入も手掛けているため、会社のデスク回りには常に何本ものオリーブオイルが並んでいる。その年によってオリーブオイルの味が違うのもまた天然ものの楽しみの一つ。

エキストラバージンとオリーブオイル、その違いは純度にあり!

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エキストラバージンオリーブオイルは美味しい!などと聞きますね。ですが、エキストラバージンオリーブオイルとオリーブオイル、その違いはどこにあるのでしょうか?ここではまずエキストラバージンとオリーブオイルの違いそのものを見てみましょう。

エキストラバージンとオリーブオイルの違いは「化学処理の有無」

日本で売られる食用のオリーブオイルは大きくは「エキストラバージンオリーブオイル」と「オリーブオイル」の2つに分けられます。この違いを端的に表すならそれは、「化学処理を施されたものかどうか」でしょう。エキストラバージンオリーブオイルと呼ばれるものは、オリーブの実を搾ったもののみで作られた純度の高いオイルのことです。一方で「オリーブオイル」はオリーブをただ搾ったものではなく、それを一度化学処理して加工することで、食用に適する状態にしたオイルのことを指します。

エキストラバージンオリーブオイルを詳しく!

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「エキストラバージンオリーブオイル」として売られているものをお店で見ると、とても高い値段がついていますね。オイルなのにこんなに高価なものはどんな商品を指すのか、さっそく調べていきましょう。

エキストラオリーブオイルとは健康効果も期待される高品質なオイル

エキストラバージンオリーブオイルはオリーブの実を搾ってできたオイル中で、酸度が0.8%以下で風味に欠点がない、最高品質の物を指します。オリーブの実から搾ったピュアなオイルのため、自然の香りや風味がとても豊かなのが特徴です。また風味の面だけでなく、カラダにもいいとされるのがオリーブオイル。オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、悪玉コレステロールの値を下げる働きがあると言われてます。またエキストラバージンにはさらに、抗酸化作用のあるポリフェノールが微量に含まれており、健康効果が期待できるオイルとして非常に人気です。なお、オリーブオイルには国際オリーブ理事会で定められた規格があり、ヨーロッパ等で製造されるオリーブオイルはこの規格に沿って分類されます。

エキストラオリーブオイルはオリーブの果実を濾したもの

オリーブオイルは菜種油やひまわり油などといった種からオイルを抽出するものとは異なり、オリーブの実そのものを絞って作られます。ペースト状にしたオリーブの実を、遠心分離機を利用して水分と油脂に分けて製造するのです。なおオリーブは、収穫後すぐに劣化が始まってしまいます。この劣化はオイルの風味に非常に大きな影響を及ぼすため、こだわりの強い生産者であるほど、摘みたてをすぐさま挽いてオイルを作るようです。

\次のページで「バージンオイルは「エキストラ」だけではない」を解説!/

バージンオイルは「エキストラ」だけではない

エキストラバージンオリーブオイルとは、まさにバージン(一番搾り)のオイルの中でもエキストラ(=特別な)なもの、の意味です。オリーブの果実から搾っただけの、人工的な手を加えない自然なオイルの中で極めて優れた等級のものが「エキストラバージン」と呼ばれます。しかし、酸度などの違いによりエキストラバージンと判定されなかったものは、「バージン」「オーディナリーバージン」「ランパンテバージン」にそれぞれ分けられ、バージンオリーブオイルは計4つのグレードに分類されるのです。ですが、搾ったそのままで食品として商品化されるのは主に「エキストラバージン」のみとなります。

エキストラバージンは加熱してはダメなの?

エキストラバージンオリーブオイルは風味が豊かなのが特徴。加熱してと香りが飛んでしまうことを避ける意味で、どちらかと言えば生食を勧められるのは事実です。ですが、だからといって加熱に向いていないということは全くありません。むしろ、オイルの風味によって炒め物や揚げ物の味が締まったりもするのです。実際に私も、エキストラバージンオリーブオイルを使用して炒めものをしています。高いのでもったいないな…と思いながらもその軽やかさには代えられず、結局は何にでもエキストラバージンを使いまわしています!

オリーブオイルを詳しく!

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ではここからは、「オリーブオイル」と呼ばれるものがどんなものなのかを見てきましょう。

オリーブオイルは精製したオリーブオイルを使って作られたもの

オリーブオイルとは、精製したオリーブオイルにバージンオリーブオイルを加えて作られたものです。この「精製」という過程では、若干品質の劣るオリーブオイルを、食用に敵した酸度に下げることができます。精製される間にオリーブオイルの香りや風味は飛んでしまため、それを補うために、精製したオイルにバージンオリーブオイルがブレンドされて製品として出来上がるのです。なお日本では以前は「ピュアオリーブオイル」と呼ばれていましたが、現在では「オリーブオイル」と表示されています。

加熱に向くと言われているが、使い方は自由!

オリーブオイルは、焼いたり炒めたりといった加熱料理に向いていると言われます。ですが、もちろん生のままでも問題ありません。加熱するものに向くと言われるのは、エキストラバージンオリーブオイルに比べて風味が弱く、また若干美味しさも劣るからです。とは言っても、生食で使っても十分美味しくいただけます。それにそもそも、自宅で何種類もオリーブオイルを常備して使い分けるのも、品質の問題からも難しいでしょう。よってあまり難しく考えず、せっかく家にある1本をどんなものにも気にせずに使ってしまうことをおすすめします。

\次のページで「オリーブオイルを知るためのヒント」を解説!/

オリーブオイルを知るためのヒント

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では、ここからは、オリーブオイルをさらに知るための基本的なポイントをお話ししましょう。いいオリーブオイルを選ぶためのヒントとなるでしょう。

暗い色の容器が多い理由

スーパーで売られているオリーブオイルを見ると、黒などの濃い色のボトルに入って売られているものが多いですよね。これは酸化を防ぐための策です。オリーブオイルは光や高温などにより酸化が進みますが、酸化が進むと風味が落ちるだけでなく、非常に不快なイヤなにおいを発するようにもなります。透明なボトルは見た目はきれいなのですが、光の透過性が良いため、オイルの酸化が進みやすくなってしまうのは否定できません。よって、お店ではできる限り色の濃いボトルに入っているもので、照明や陽の当たる場所に置かれていない商品を選ぶようにしましょう。

ガラスとペットボトルにも違いがある

オリーブオイルはガラスとペットボトル、どちらの容器も見かけますね。ガラスの方を買って帰ったときには重くてしまった!と思うこともしばしば…。ですが、これにも意味があります。オリーブオイルの敵は酸化です。しかし、ペットボトルは軽量というメリットはあるものの、酸素を通しやすい素材のため、長い目で見るとあまりおすすめではありません。対してガラスは非常にしっかりとした素材であるため、オリーブオイルの品質を保つにはとても向いています。いいオリーブオイルであるほどガラスのボトルで売られているものが多いですね。

世界一の生産量は実はイタリアではない!

日本では「オリーブオイルといえばイタリア!」というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。しかしながら、実は世界で一番オリーブを栽培し、オリーブオイルの生産量トップを誇るのは、イタリアではなくスペインなのです!スペインで生産されるオリーブオイルは世界の40~50%にも及びます。よくよく考えてみると、アヒージョなどといった代表的なスペイン料理のレシピにはたっぷりとオリーブオイルが使われていますね。またスペインやイタリアの他、ギリシャ、トルコ、シリアなどもオリーブオイルの原産国として有名です。産地によって味の違いもありますので、イタリアにこだわらず、是非様々な国の商品も手に取ってみて下さいね。

大事なのは鮮度!エキストラバージンにこだわらなくてもいい

エキストラバージンとオリーブオイルオイルの違いは加工度の違いでしたね。確かにピュアなエキストラバージンは本当においしく、ものによって辛味や苦味などを感じるのも天然ならではのおもしろさ!ですが私は、必ずしもエキストラバージンを使う必要はないと思っています。それよりも、よりフレッシュな状態の商品を使うことの方が重要です。オイルはすぐに酸化するため、なるべく早く使い切ってこまめに新しい商品に切り替えたほうが、開封してから時間の経ったエキストラバージンを使うよりもよっぽど美味しいと思いますよ!

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雑学

3分で分かるエキストラバージンとオリーブオイルの違い!特徴や作り方の違い、商品の見分け方まで食品のプロがわかりやすく解説!

オリーブオイルを知るためのヒント

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では、ここからは、オリーブオイルをさらに知るための基本的なポイントをお話ししましょう。いいオリーブオイルを選ぶためのヒントとなるでしょう。

暗い色の容器が多い理由

スーパーで売られているオリーブオイルを見ると、黒などの濃い色のボトルに入って売られているものが多いですよね。これは酸化を防ぐための策です。オリーブオイルは光や高温などにより酸化が進みますが、酸化が進むと風味が落ちるだけでなく、非常に不快なイヤなにおいを発するようにもなります。透明なボトルは見た目はきれいなのですが、光の透過性が良いため、オイルの酸化が進みやすくなってしまうのは否定できません。よって、お店ではできる限り色の濃いボトルに入っているもので、照明や陽の当たる場所に置かれていない商品を選ぶようにしましょう。

ガラスとペットボトルにも違いがある

オリーブオイルはガラスとペットボトル、どちらの容器も見かけますね。ガラスの方を買って帰ったときには重くてしまった!と思うこともしばしば…。ですが、これにも意味があります。オリーブオイルの敵は酸化です。しかし、ペットボトルは軽量というメリットはあるものの、酸素を通しやすい素材のため、長い目で見るとあまりおすすめではありません。対してガラスは非常にしっかりとした素材であるため、オリーブオイルの品質を保つにはとても向いています。いいオリーブオイルであるほどガラスのボトルで売られているものが多いですね。

世界一の生産量は実はイタリアではない!

日本では「オリーブオイルといえばイタリア!」というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。しかしながら、実は世界で一番オリーブを栽培し、オリーブオイルの生産量トップを誇るのは、イタリアではなくスペインなのです!スペインで生産されるオリーブオイルは世界の40~50%にも及びます。よくよく考えてみると、アヒージョなどといった代表的なスペイン料理のレシピにはたっぷりとオリーブオイルが使われていますね。またスペインやイタリアの他、ギリシャ、トルコ、シリアなどもオリーブオイルの原産国として有名です。産地によって味の違いもありますので、イタリアにこだわらず、是非様々な国の商品も手に取ってみて下さいね。

大事なのは鮮度!エキストラバージンにこだわらなくてもいい

エキストラバージンとオリーブオイルオイルの違いは加工度の違いでしたね。確かにピュアなエキストラバージンは本当においしく、ものによって辛味や苦味などを感じるのも天然ならではのおもしろさ!ですが私は、必ずしもエキストラバージンを使う必要はないと思っています。それよりも、よりフレッシュな状態の商品を使うことの方が重要です。オイルはすぐに酸化するため、なるべく早く使い切ってこまめに新しい商品に切り替えたほうが、開封してから時間の経ったエキストラバージンを使うよりもよっぽど美味しいと思いますよ!

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