燃焼範囲とは?引火点と発火点って何?原理や計算方法を機械系出身ライターが5分でわかりやすく解説!
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表の燃料のうち、ガソリン、エタノール、灯油、食用油は液体燃料、メタンおよびプロパンは気体燃料です。一見メタンとプロパンの引火点がかなり低く見えますが、そもそも沸点が低く常温ではすべて気化してしまっているので影響はないでしょう。
燃料の危険性という観点では、燃焼範囲の下限および引火点が重要なポイントです。燃焼範囲の下限が低い燃焼は、蒸発して空気中にわずかでも含まれると引火してしまう危険性があります。また、引火点が低い燃料は引火の準備が整いやすく、燃焼までのハードルが低い燃料です。
この点を踏まえると、液体燃料の中でも最も危険なのはガソリンとなるでしょう。引火点が-40℃と低く常温でも気化してしまううえ、少しでも蒸発すると引火する燃料となります。ガソリンスタンドで、静電気などの火花が気化したガソリンに引火する火災は、実際に起こり得る実例です。
また、このご時世では消毒液のエタノール類にも注意が必要となります。消毒液として使われる、純度100%でないエタノールでも20~25℃程度で引火してしまうため、気温が高い夏は特に取り扱い注意の品物です。
燃焼範囲は可燃性気体が燃焼できる濃度範囲のこと!
物体の燃焼は、気化した成分が発熱をともなう反応を繰り返す現象です。
燃焼が発生する可燃性気体の濃度を燃焼範囲といい、可燃性気体と空気の体積比で表されます。
燃焼範囲に達する量の蒸気が蒸発する液温を引火点といい、引火点が低い燃料は危険性が高いです。また、引火点とは別に、熱を加えられたことで自然発火してしまう温度を発火点といいます。
燃焼範囲が広いもしくは下限が低い燃料は特に危険であり、とりわけガソリンは室温で蒸発し燃焼範囲に入ってしまうため、取り扱いに注意が必要です。