
代表的なアルミニウム合金
アルミニウム合金の中でも特に有名なものとして、ジュラルミンがあります。
アルミニウムに銅を4%、マンガンを0.7%、マグネシウムを0.5%添加するとジュラルミンとなり、炭素鋼と同様に熱処理が可能で高い強度をほこる合金です。
また、加工性もよく切削加工に向いているので、飛行機の機材や建物の構造材など、軽さと強度が必要なものに利用されます。
また、添加物の種類や割合を調整しより強度を高めた超ジュラルミン、超々ジュラルミンという強化版合金もよく用いられている印象です。
非鉄金属材料その2:銅

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アルミニウムと同様ベースメタルに含まれているのが銅です。はるか昔の太古の青銅器時代から使われている金属で、一節では人類が一番初めに発見した金属だとされています。
伸びやすく加工しやすいほか、熱や電気の伝導率が極めて高いことが特徴です。そのため、プレス加工や圧延加工に向いており、導線や回路部品などの電子機器部品として広く利用されています。
また、水などに溶け出した微量の銅イオンが細菌の繁殖をさまたげることから、抗菌性を示すことも銅の特徴です。そのため、水を入れるような容器や各種配管、靴下など衣服の繊維に銅を使用した製品も出回っています。
代表的な銅合金
代表的な銅合金に真鍮(黄銅)があります。
真鍮は銅と亜鉛からできた合金で、銅65%、亜鉛35%の配合が一般的です。銅よりも更に加工性に優れているためより複雑な形状をした製品に強く、一般で使用されている銅製品の大半が純銅製もしくは真鍮製となっています。
真鍮は英語でbrassであり、ブラスバンドでおなじみの金管楽器は真鍮製の製品です。銅と同じく電気を通しやすいため回路の接続端子といった電子機器の部品にも用いられています。
また、真鍮に鉛を微量加えると切削しやすい快削黄銅と呼ばれる合金となり、時計の部品や歯車など切削加工が必要な製品にも使われるようになるんです。
非鉄金属材料その3:チタン

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レアメタルにはニッケルやマンガンといったさまざまな希少金属が含まれますが、その中でも特に有名なのはチタンではないでしょうか。
チタンは比較的軽い上に強度が極めて高く、これまでに登場した鉄鋼、アルミニウム、銅と比べても断トツです。空気中では表面に酸化被膜ができるうえ、海水にも強く、アルミニウム以上の耐蝕性も持っています。その強度や安定性から、戦闘機含む飛行機のフレームや自動車のエンジン部品といった強度が重要な製品への使用が多いです。
更に、生体に対して無害であり、人体とも相性がいいことが大きな特徴となります。そのため、アクセサリーやメガネフレームといった体に触れる製品だけでなく、人工関節など直接体に埋め込むものへの利用も一般的です。
ただし、チタンは強度が高く安定した金属であるぶん、加工難易度がかなり高いため運用コストがかさみがちなのが弱点となります。
非鉄金属材料その4:金

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プレシャスメタル(貴金属)は銀や白金(プラチナ)、パラジウムなど8種類の金属が含まれています。その中でも代表的な金属として金について見ていきましょう。
金を含む貴金属に共通する特徴は、その化学的な安定性の高さです。通常の金属と違い、通常の環境では全く酸化する(さびる)ことがなく、さまざまな酸・アルカリとも反応しません。この安定性の高さと希少性から、貴金属が昔からお金や装飾品として利用されてきたことも納得できますね。
金自体の性質は、極めて伸びやすいため加工が簡単で、熱や電気の伝導性が高いことです。貴金属特有の高い耐蝕性も相まって、装飾品としての使用のほか、接続端子などの電気回路部品の表面に金メッキとして使用されることがあります。
鉄と非鉄金属という分け方は工業分野における分類
鉄とそれ以外の非鉄金属という分け方は、工業分野特有の分類であり学術的な意味はありません。
金属産業では鉄鋼の利用が圧倒的ですが、鉄が持っていない特性をそなえた非鉄金属も数多くあり、ピンポイントな製品、状況で利用されます。鉄鋼は炭素鋼、ステンレス鋼などさまざまな種類の合金があり、用途も広いです。
非鉄金属の中で、比較的生産量が多く用途の多いものをベースメタルといい、アルミニウムや銅などが属します。非鉄金属の中でも希少なレアメタルはユニークな特性を持つものが多く、ニッケルやチタンが有名です。
非鉄金属には、希少性と高い化学的安定性を持つプレシャスメタルという金属があり、金や銀、白金などが該当します。