
鉄鋼材料その2:ステンレス鋼

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鉄鋼の中でも使用量が増えてきているものに、ステンレス鋼があります。ステンレス鋼は英語だとStainless steelで、サビ(stain)の少ない(less)鋼という意味です。
ステンレス鋼は炭素鋼に成分としてクロムを10.5%以上添加した鉄鋼で、高い耐蝕性や耐熱性があり、加工しやすい特徴があります。またきれいな光沢を持っているので、食器や家庭用設備としての用途も一般的です。
ステンレス鋼がさびにくい理由は、添加物のクロムが酸化してステンレス鋼の表面に被膜をつくる作用によります。この被膜が鉄が酸素とふれて酸化する(さびる)現象を防いでいるんですね。
酸化クロムの被膜はナノメートルサイズでたいへん薄いですが、強度が高く、周囲に酸素があれば再生する優れた機能を持っています。
非鉄金属の種類と特徴
ここまで、鉄が主原料である鉄鋼材料について解説してきました。ここからは鉄以外の金属、非鉄金属を使用した金属材料について見ていきましょう。
非鉄金属の特徴は、鉄と比較して比重が低い(軽い)ことです。また、耐熱性や電気の伝導率など鉄とは違う個性的な特徴を持っています。そのため、軽量化や鉄では再現できない特性を活用した製品への利用が一般的です。
非鉄金属は、埋蔵量が多くよく使われる「ベースメタル」、希少性が高く特殊な性質をもつ「レアメタル」、貴金属とも呼ばれ希少性の高い「プレシャスメタル」とより細かく分類されています。これら非鉄金属は現在日本国内では生産されておらず、大半が海外からの輸入品です。
これで非鉄金属の概要を解説し終えたので、続いて代表的な非鉄金属をいくつかピックアップして具体的に見てみましょう。
非鉄金属材料その1:アルミニウム

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アルミニウムはベースメタルに含まれ、非鉄金属の中でも非常に多く使用されています。
アルミニウムはアルマイトという処理により、ステンレス鋼と同じように酸化被膜を作ることができ、高い耐蝕性を持つのが特徴です。毒性もなく光を反射するので、食品や医薬品の包装などにも使われています。
また、軽さに対して強度が高いうえに融点が低く、薄く伸びやすいので、鋳造やプレス加工などさまざまな加工に向いている優れた金属です。
これらの性質から、純アルミニウムおよびその合金は、装飾品や工業用タンク、自動車のエンジン部品などさまざまな用途で使われています。その中でも特に有名な合金について更に見ていきましょう。
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