ディズニーとピクサーの出会い後の歴史
ピクサーは自社の製品が優れた性能を持っていることをアピールするために、短編のCGアニメーション『ルクソーJr.』を制作。あの可愛い電気スタンドのキャラクターの誕生です。その出来の良さから徐々に評判となったピクサーには、ついにディズニーからもソフトウェア開発の依頼がきます。その内容はコンピューターに取り込んだ原画にデジタルペイントで着色ができるというもの。ディズニーもCG技術を本格的に取り入れる必要性を感じていたのですね。しかしピクサーの経営は思わしくなく、実は毎年赤字続きでした。1990年、スティーブ・ジョブズはハードウェア部門の売却を決断。ピクサーは「ピクサー・アニメーション・スタジオ」となり、アニメーション製作会社としての1歩を踏み出しました。
1991年、ディズニーはピクサーのアニメーターであるジョン・ラセターの実力を買って、とある契約を持ちかけます。それはピクサーが長編アニメーションを作り、ディズニーが配給するという内容。その契約により製作されたのが1995年公開の『トイ・ストーリー』です。この映画が世界中で大成功を収めたことで、ディズニーとピクサーの縁は切っても切れないものとなりました。
1997年になると、ディズニーとピクサーは新たに5本の映画製作と配給という契約を結びます。その内容に沿うと2006年公開の『カーズ』を最後にディズニーとピクサーの契約は終了するはずでした。しかし同年、ディズニーがピクサーを買収したことによって、両社は一体化し現在の体制が生まれたのです。それに伴い、ジョブズはディズニーの筆頭株主、キャットムルはウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオとピクサー・アニメーション・スタジオの社長を兼任、ラセターは両スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任することになりました。現在ジョブズは亡くなり、他の2名も退職されているようですが、ディズニーとピクサーを繋いだ功績は輝かしいものですね。
実写映画はどこで制作?
ウォルト・ディズニー・スタジオの子会社にウォルト・ディズニー・ピクチャーズという映画製作スタジオがあり、ディズニーの実写長編映画の製作をしています。代表的な映画は『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ。自由奔放な海賊ジャック・スパロウの壮大な冒険物語で、同スタジオで最も成功した映画シリーズです。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオやピクサー・アニメーション・スタジオの作品も、このウォルト・ディズニー・ピクチャーズのブランドで発表されますよ。
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズの映画製作はチャレンジ精神に満ちています。例えば2007年公開の『魔法にかけられて』はおとぎ話の国のプリンセスであるジゼルが現代のニューヨークにトリップしてしまうお話。どこでも歌って踊ろうとしたり、歌声で動物を呼んだらお世辞にも可愛いとは言えない生き物が集まってきたり……。ファンタジーの常識が現実では通用しないことをコメディチックに揶揄しています。『アリス・イン・ワンダーランド』や『マレフィセント』は既存の物語の続編や裏側という体裁を取りつつも、オリジナリティ溢れるストーリーが革新的。その反面『美女と野獣』や『アラジン』などは、アニメーションを見て育ったファンには堪らない、とても丁寧な実写化がされています。私たちを物語の世界に呼び寄せる、様々な手法とアイディアを考え出すのが得意な会社なのですね。
知れば知るほど奥深い!ディズニーとピクサーは魅力の宝島!
筆者はディズニー映画やキャラクターはもちろんのこと、それらに関する豆知識も大好きです。ディズニーがテーマのクイズ番組を見ながら答えが分かると得意になっており、自分のことを結構なディズニーオタクだと思っていました。しかし今では自分の知識などほんの一握りどころかひとつまみ程度だと痛感せざるを得ません。ディズニーにもピクサーにも製作スタッフがこだわり抜いた魅力や遊び心がまだまだ溢れかえっています。調べれば調べるだけ、新しい発見や楽しみをくれるこの2社。まるで宝島のような会社です。これは余談ですが、人気映画『トイ・ストーリー』の主人公のカウボーイ人形・ウッディ。彼のフルネームがウッディ・プライドだったなんてご存知でしたか?筆者はディズニーオタクの名に恥じぬよう、これからもっと研究を進めていこうと意気込んでいます。