この記事では「難色を示す」について解説する。

端的に言えば難色を示すの意味は「不賛成の態度」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「難色を示す」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「難色を示す」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「難色を示す」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「難色を示す」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「難色を示す」の意味は?

「難色を示す」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.不承知らしいようすを示す。賛成できないことを表す。「予算の増額に—・す」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「難色を示す」

「難色を示す」は提案内容に対して、相手が不承知・賛成できないという様子を見せていることを表す慣用句です。会社などにおいて上司に予算増額の提案を出した際、上司が難しい顔をして、中々賛成してくれない。「難色を示す」はこうした状況を表して使われている言葉となっています。

不承知らしいというニュアンスに注意していきましょう。提案を不承知と完全に決定されたことを表すのではなく、相手が提案に対して悩み難しい顔をする様子を表しています。「難色を示す」を表現として使う場合には、こうしたニュアンスに注意して使用していきましょう。

「難色を示す」の語源は?

次に「難色を示す」の語源を確認しておきましょう。難色を示すは「難色」と「示す」という二種類の単語を組み合わせて生まれています。「難色」はそれは難しいと渋る様子を表す単語です。「示す」は考え・気持ち・反応などが相手に伝わるよう、なにかの方法で相手に表すという意味をもっています。

「難色を示す」はこれら二種類の単語を組み合わせて、提案に対して難しいと渋る様子を相手に分かるように伝えるという意味を表す言葉となりました。提案をした際、角が立つためはっきりと口では否定しないものの、顔色や態度で不承知・不賛成であるという考えを示す。こうした場面で使用されています。

\次のページで「「難色を示す」の使い方・例文」を解説!/

「難色を示す」の使い方・例文

「難色を示す」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.銀行に出資してくれと頼むと、私のこれまでの経歴を見て難色を示した。
2.お願いだから給料を上げてくれと頼んでみると、上司は難色を示した。
3.予算増額のため奔走するも、どこも同じように難色を示した。

「難色を示す」はなにか提案をした際に、相手が不承知・不賛成である様子を見せることを表現して使います。提案に対して好い顔をせず、中々賛成してくれない。「難色を示す」はこうした場面を表現して使う言葉となっています。態度として不賛成であるというニュアンスに注意しましょう。

主に書籍・新聞等の文章中において使用されている言葉となっています。口語としては基本的に使用されていないため、こちらも覚えておきましょう。「難色を示す」は申し出・提案に対して渋る様子を表す言葉です。場面は申し出・提案があった際と限定されているため、こちらの点にも注意していきましょう。

「難色を示す」の類義語は?違いは?

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続いて「難色を示す」の類義語・違いについて確認していきましょう。「難色を示す」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「難色を示す」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「渋面(じゅうめん)」

「渋面」は渋いものを舐めたような苦々しい顔つき、しかめっ面を表す言葉です。こちらも不満や不愉快を表す顔つきを指す言葉となっており、「難色を示す」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは単に顔の表情を表す言葉となっているため、用法の違いに注意していきましょう。

\次のページで「その2「好い顔をしない」」を解説!/

その2「好い顔をしない」

「好い顔をしない」は好意的な態度を示さない、不賛成の態度をとる様子を指す言葉です。こちらも不満・不賛成の態度を表す言葉となっており、「難色を示す」とよく似た意味をもった類義語となっています。好意的な態度を表す「好い顔」を否定する語となっており、用法の違いに注意していきましょう。

その3「不服(ふふく)」

「不服」は納得しないこと、不満であることを表す言葉です。こちらも人が納得しない・不満を覚える様子を表す言葉となっており、「難色を示す」と似た意味をもった類義語となっています。服従しない・従わないことも表す言葉となっており、意味に違いがあるため、注意して使い分けていきましょう。

その4「首を横に振る」

「首を横に振る」は承知しない・賛成しないことを表す言葉です。こちらも提案に対して承知しない・賛成しない態度を表す言葉となっており、「難色を示す」とよく似た意味をもった類義語となっています。提案に対して、完全に否定・拒否する意味となっており、細かいニュアンスに違いがあるため注意しましょう。

「難色を示す」の対義語は?

つづいて「難色を示す」の対義語についても確認していきましょう。「難色を示す」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「首を縦に振る」

「首を縦に振る」は承知する・賛成することを意味する言葉です。「難色を示す」が提案に対して、不承知・不賛成の様子を示す意味を表していたのに対し、こちらは提案に対して承知・賛成することを意味しています。対義語として、こちらの表現についてもあわせて覚えておきましょう。

「難色を示す」の英訳は?

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つづいて「難色を示す」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「showed reluctance」」を解説!/

「showed reluctance」

「showed reluctance」は提案に対し、気が進まないこと・渋ることを意味する英フレーズです。こちらは日本語の「難色を示す」と同様に、ある提案に対し、人が気乗りしない・不承知らしい態度を示す様子を表現することができます。英語での表現として、こちらのフレーズについてもあわせて覚えておきましょう。

「難色を示す」を使いこなそう

この記事では「難色を示す」の意味・使い方・類語などを説明しました。「難色を示す」は不承知・不賛成らしい態度を表す慣用句です。人に提案をした際、相手が承知しない・賛成しない態度を見せる。「難色を示す」はこうした場面の相手の態度を表して使われている言葉となっています。

また類義語には「渋面」、「好い顔をしない」、「不服」、「首を横に振る」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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【慣用句】「難色を示す」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「難色を示す」について解説する。

端的に言えば難色を示すの意味は「不賛成の態度」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「難色を示す」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「難色を示す」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「難色を示す」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「難色を示す」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「難色を示す」の意味は?

「難色を示す」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.不承知らしいようすを示す。賛成できないことを表す。「予算の増額に—・す」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「難色を示す」

「難色を示す」は提案内容に対して、相手が不承知・賛成できないという様子を見せていることを表す慣用句です。会社などにおいて上司に予算増額の提案を出した際、上司が難しい顔をして、中々賛成してくれない。「難色を示す」はこうした状況を表して使われている言葉となっています。

不承知らしいというニュアンスに注意していきましょう。提案を不承知と完全に決定されたことを表すのではなく、相手が提案に対して悩み難しい顔をする様子を表しています。「難色を示す」を表現として使う場合には、こうしたニュアンスに注意して使用していきましょう。

「難色を示す」の語源は?

次に「難色を示す」の語源を確認しておきましょう。難色を示すは「難色」と「示す」という二種類の単語を組み合わせて生まれています。「難色」はそれは難しいと渋る様子を表す単語です。「示す」は考え・気持ち・反応などが相手に伝わるよう、なにかの方法で相手に表すという意味をもっています。

「難色を示す」はこれら二種類の単語を組み合わせて、提案に対して難しいと渋る様子を相手に分かるように伝えるという意味を表す言葉となりました。提案をした際、角が立つためはっきりと口では否定しないものの、顔色や態度で不承知・不賛成であるという考えを示す。こうした場面で使用されています。

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