今回のテーマは「猛禽類」というキーワードについて学習していこう。
猛禽類というのは鳥の中で他の動物を食べるグループのことです。この猛禽類はどのような生態なのでしょうか?これを機会に猛禽類について、ワシとタカの違いや自然破壊による影響との関係性も含めて学んで行こうじゃないか。
大学で生物を学び、現在は食品メーカーの研究員であるライター、ハナイグチに解説してもらおう。

ライター/ハナイグチ

大学で生物学を学び、現在は食品メーカーの研究員として勤務している。

サプリメントの広告を見るとついつい有効成分の含有量や作用機序を調べてしまう。

猛禽類って何?

image by iStockphoto

猛禽類(もうきんるい)は一部の鳥類の総称です。どのような特徴の鳥を指すかというと、鋭い爪と嘴を持ち、他の動物を捕食する習性のある大型の鳥類を猛禽類と呼びます。これが猛禽類の定義ですね。

みなさんが真っ先に思い浮かべるのはワシやタカでしょか?ハヤブサなんかもカッコイイ猛禽類のイメージですよね。他にもコンドルやフクロウ、ワシミミズク、ハゲワシなんかも猛禽類の代表です。夜に活動するものから日中に活動するものまで様々で、日本最大の猛禽類としてオオワシとオジロワシがいます。

それでは猛禽類の生態系におけるポジションや習性について学んで行きましょう。

弱肉強食の世界でトップに君臨する猛禽類

弱肉強食の世界でトップに君臨する猛禽類

image by Study-Z編集部

自然界は弱肉強食の厳しい世界です。弱いものが強いものを食べる、という一見残酷に見える構図のなかで野生動物は適切なバランスを保っています。これを食物連鎖というのですが、この食物連鎖においてワシやタカなどの猛禽類は頂点に君臨しているのです。

\次のページで「猛禽類は何を食べるの?」を解説!/

猛禽類は何を食べるの?

オオワシは主に、ハゲワシやコンドルは死骸、オオタカは小鳥、フクロウはネズミや小鳥をたべます。中にはヘビを食べる猛禽類も存在し、ヘビクイワシというワシの一種はとりわけヘビを好むのです。捕食の際はヘビに強力なキックをかまして仕留めるんですよ。

一方でネズミなどを主食とするノスリという猛禽類は獲物が現れるまで何時間もじ~っと電柱の上で地面を見つめていたりします。意外と忍耐が一番大事だったりするのかもしれません。

猛禽類は強さ・速さ・権力・高貴さの象徴

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猛禽類は生態系の頂点に立っていることから、強さ・速さ・権力・高貴さの象徴とされています。その証拠に猛禽類は国の国章や王室の紋章に取り入れられることがしばしばあるのです。

例えばワシはローマ皇帝の紋章に取り入れられていますし、ナポレオンやイギリス王室、ポーランドなどもワシを紋章として取り入れています。また、速さの象徴として猛禽類であるハヤブサの名前を使われることも多いですね。たとえば新幹線はやぶさや小惑星探査機はやぶさがなじみ深いのではないでしょうか。

ワシとタカは何が違うの?

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ここまでワシとタカの名前が登場しましたが、皆さんはワシとタカの区別つきますか?

そうは言うものの、ワシとタカを含め猛禽類の分類はこれまで色々と議論され、分類も色々と変化してきた歴史があります。この章では猛禽類の分類について解説していきましょう。

見た目による分類

17~18世紀には見た目を重視して、鷲類・鷹類・隼類・梟類の4グループに分類されていました。ちなみにかの有名なリンネは狩りをする鳥をひとつの目(もく)にまとめ、見た目の特徴からvultur(コンドル、ハゲワシ)属、falco(ワシ、タカ、ハヤブサなど)属、strix(フクロウ)属、lanius(モズ)属の4属にまとめています。

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リンネは分類学の父とも呼ばれる程偉大な人物ですよ!彼は生き物の名前を属名と種名で表す、という二名法を考案した人物です。

それまで生物の名前はてんでバラバラに呼ばれていたので関係性がわからず混乱を招いていましたが、二名法で統一されるようになってから、その生物がどのグループに所属する生き物なのか一目瞭然になりました。

残念ながら、さすがのリンネでも当時の情報だけでは限界があったようです。そこからさらに形態学的解剖学的な研究が進み、リンネが見出した外見上の類似は表面的なものであることがわかりました。つまり、進化的に共通しているわけではなく、狩を効率よく行うために似たような外見になったということです。これを収斂進化とよびます。

そのため現在はワシタカ類とフクロウ類がタカ目とフクロウ目に別れました。

DNAによる分類

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猛禽類の分類の議論はこれだけでは終わりません。1990年代以降に発達したDNA解析技術によってさらに色々なことが分かってきました。

中でも衝撃的なのが、猛禽類でもとりわけカッコイイ印象のあるハヤブサです。当初ハヤブサはタカ目に区分されていましたがDNA解析の結果、なんと「ハヤブサはインコの仲間」ということが発覚しました。これには驚きですよね。しかしながらハヤブサ科の一種であるピグミーファルコンという鳥は小さく愛らしい見た目なので、インコの面影を感じるような気がします。

猛禽類の天敵は人間!?

猛禽類は食物連鎖の頂点にいると解説しましたが、実は猛禽類にも天敵が存在します。それはなんと人間です。この章では人間の行いが猛禽類をはじめ生態系に与えている影響を学びましょう。

\次のページで「自然破壊によって絶滅の危機に瀕する猛禽類」を解説!/

自然破壊によって絶滅の危機に瀕する猛禽類

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食物連鎖の頂点にいるため、猛禽類の個体数はもともと多くありません。にもかかわらず近年の環境改変や環境汚染等により減少しつつある種が増えているのです。実際に多くの猛禽類がレッドリストという絶滅の恐れがある生物のリストに掲載されています

猛禽類の減少で乱れる生態系

猛禽類が減少するとどのような問題が生じるのでしょうか?深刻な問題として生態系が乱れるということが挙げられます。

先ほど説明したとおり、猛禽類はネズミやヘビ、小鳥などを捕食して生きていますよね。こうして生き物同士の絶妙なバランスが保たれているのです。ところが猛禽類がいなくなってしまったらどうでしょう。エサとなっていた生き物が急増し、最終的にはそれらのエサとなっている植物や虫などを食べつくしてしまいます。そうして生態系の混乱は広がって行くのです。

猛禽類の保護

現在猛禽類の絶滅を危惧して、保護活動が様々な団体で積極的に進められています。売上金の一部をこのような活動に寄付している企業もあるようです。野生生物の保護には莫大な資金が必要となります。ささやかな額であっても一人ひとりの募金や寄付がこのような活動の支えとなるでしょう。

猛禽類は生態系の頂点!

力強く威厳のある見た目に違わず、生態系の頂点に君臨する猛禽類。生まれて初めて野生のオオワシを見たときは、その迫力に圧倒されたことを覚えています。猛禽類とひとくくりに言っても分類学的にも習性的にも様々な鳥がいるんですよ。それぞれについて調べていくとより面白く学べると思います!

イラスト引用元:いらすとや

" /> タカやワシは生態系の頂点?猛禽類の習性や分類、自然破壊による影響について食品メーカー研究員がわかりやすく解説 – Study-Z
理科生物

タカやワシは生態系の頂点?猛禽類の習性や分類、自然破壊による影響について食品メーカー研究員がわかりやすく解説

今回のテーマは「猛禽類」というキーワードについて学習していこう。
猛禽類というのは鳥の中で他の動物を食べるグループのことです。この猛禽類はどのような生態なのでしょうか?これを機会に猛禽類について、ワシとタカの違いや自然破壊による影響との関係性も含めて学んで行こうじゃないか。
大学で生物を学び、現在は食品メーカーの研究員であるライター、ハナイグチに解説してもらおう。

ライター/ハナイグチ

大学で生物学を学び、現在は食品メーカーの研究員として勤務している。

サプリメントの広告を見るとついつい有効成分の含有量や作用機序を調べてしまう。

猛禽類って何?

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猛禽類(もうきんるい)は一部の鳥類の総称です。どのような特徴の鳥を指すかというと、鋭い爪と嘴を持ち、他の動物を捕食する習性のある大型の鳥類を猛禽類と呼びます。これが猛禽類の定義ですね。

みなさんが真っ先に思い浮かべるのはワシやタカでしょか?ハヤブサなんかもカッコイイ猛禽類のイメージですよね。他にもコンドルやフクロウ、ワシミミズク、ハゲワシなんかも猛禽類の代表です。夜に活動するものから日中に活動するものまで様々で、日本最大の猛禽類としてオオワシとオジロワシがいます。

それでは猛禽類の生態系におけるポジションや習性について学んで行きましょう。

弱肉強食の世界でトップに君臨する猛禽類

弱肉強食の世界でトップに君臨する猛禽類

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自然界は弱肉強食の厳しい世界です。弱いものが強いものを食べる、という一見残酷に見える構図のなかで野生動物は適切なバランスを保っています。これを食物連鎖というのですが、この食物連鎖においてワシやタカなどの猛禽類は頂点に君臨しているのです。

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