爬虫類と両生類は脊椎動物に属するグループのことです。この2つのグループについて具体的にはいったい何が異なるのでしょうか?これを機会に爬虫類と両生類の違いについて、それぞれの生態や少し変わった進化を遂げたカメについても学んで行こうじゃないか。
大学で生物を学び、現在は食品メーカーの研究員であるライター、ハナイグチに解説してもらおう。
ライター/ハナイグチ
大学で生物学を学び、現在は食品メーカーの研究員として勤務している。
クジラがウシなどの偶蹄類の仲間だと知ってから生物の進化に興味をもっている。
爬虫類と両生類は何が違うの?
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爬虫類、両生類(両生類)の他に哺乳類、鳥類、魚類をまとめて脊椎動物と呼びます。これは背骨がある動物という意味ですね。今回は脊椎動物のなかで間違いやすい、爬虫類と両生類の違いについて解説していきたいと思います!
みなさんは爬虫類と両生類、いったい何が違うのか説明できますか?「子供の頃は水に住み、大人になると陸地で生活するのが両生類」、「なんとなく皮膚がしっかりしてるのが爬虫類、ツルっとしてて水がないと干からびてしまいそうなのが両生類」という印象が強いのではないのでしょうか。この章では生態の観点から爬虫類と両生類の違いについて解説していきたいと思います。
呼吸をする方法の違い
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一つ目の違いは呼吸の方法です。両生類はオタマジャクシとカエルに代表されるように、幼いころ、つまり幼生の時期は水中で生活し、大人、つまり成体になると陸で生活しますよね。このような生活場所の変化に適応するためには呼吸の方法を変える必要があります。
そのため、両生類の呼吸の方法は幼生の時期がエラ呼吸、成体になると肺呼吸や皮膚呼吸です。
本当ですね。実際にはどこかを堺に突然変わるのわけではなく、肺呼吸ができるようになってから、エラを退化させていきます。一方で爬虫類は生まれてから死ぬまでずっと肺呼吸です。ワニなど水中を泳ぐのが得意な爬虫類もいますが、呼吸方法は肺呼吸なので顔を自ら出して空気を取り入れる必要があります。
皮膚の違い
二つ目は皮膚の違いです。
先ほど解説した、両生類の特徴である皮膚呼吸ですが、これは生きている細胞を皮膚表面に露出させて空気の交換を行うことを指します。生きている細胞というのは水分が必要なので、常に湿っていなければなりません。両生類の皮膚は細胞を守るために粘膜層というヌルヌルに覆われています。実はこれが「両生類はなんだかヌルっとしている」理由なんですよ。
中には毒を含む粘液をまとって外敵から守っているものもいます。アマガエルやアカハライモリなどがそうで、この毒のある粘液が手についた状態で目をこすったりすると粘膜から毒が入ってしまうため、注意が必要です。だから両生類に触ってしまったら必ず手を洗った方が良いですね。
一方で爬虫類は皮膚は硬い角質や鱗、甲羅でおおわれており、乾燥しても問題ありません。つまり、水辺にいなくても大丈夫ということです。また、中にはヘビやトカゲなど古い角質を脱ぎ捨てる脱皮を行う生物がいます。
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