端的に言えば口を濁すの意味は「発言をあいまいにする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「口を濁す」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ハヤカワ
学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。
「口を濁す(くちをにごす)」の意味や語源・使い方まとめ
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それでは早速「口を濁す」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「口を濁す」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。
「口を濁す」の意味は?
「口を濁す」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。
1.はっきりと言わず、あいまいにする。言葉を濁す。「肝心なところは—・してしまう」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「口を濁す」
「口を濁す」ははっきりとした発言をせず、あいまいな態度をとる様子を表す言葉です。立場・意見をはっきりとは主張せず、あいまいなままにする。「口を濁す」はこうした場面に使われている言葉となっています。本音を明かそうとせず、主張をあいまいにするというニュアンスに注意していきましょう。
基本的には書籍・新聞等の文章中に使われることが多い言葉となっています。人から何か問われた際、立場・状況からはっきり言ってしまうことが憚られ、あいまいに返事をすることでその場をなんとかやり過ごそうとする。「口を濁す」はこうした発言を表現する慣用句です。
「口を濁す」の語源は?
次に「口を濁す」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「口を濁す」の語源は現在はっきりとしていません。語源ははっきりしていないと覚えておきましょう。1956年の田山花袋には「口をにごして兄の失職の真因を衝かなかった」とこの言葉が登場しており、古くから使われていることが分かります。
「口を濁す」と同様の意味を表すよく似た表現に「言葉を濁す」がありますね。これについて文化庁は「口を濁す」は「言葉を濁す」の誤表記であり、「言葉を濁す」が本来の正しい表記だとしています。実際に使用する際は誤りだとされる場合もあるため、こちらの点についても注意していきましょう。
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