この記事では「明暗を分ける」について解説する。

端的に言えば明暗を分けるの意味は「結果が決まる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「明暗を分ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「明暗を分ける(めいあんをわける)」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「明暗を分ける」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「明暗を分ける」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「明暗を分ける」の意味は?

「明暗を分ける」というキーワードを国語辞典・辞書・事典、ネット上の人気無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような一文があります。こちらの引用をはじめに確認していきましょう。

1.勝ち負け、成否、良し悪しなどがはっきり決まる。「二人の—・ける戦い」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「明暗を分ける」

「明暗を分ける」は勝ち負け、または物事の成否・良し悪しがはっきりと決まることを意味する言葉です。その点を境として、二者の勝敗・成否・良し悪しがはっきりするという意味となっており、主として試合・勝負事や、仕事・職場の関係、人生の出来事を客観的に見て使われることが多いですね。

「〜〜が明暗を分けた」など使われることが多く、何かをきっかけとし、勝敗・成否・良し悪しがはっきりしたことを表します。古風な表現ですが、現在でも書籍・新聞等の文章中、スポーツ解説時の口語などにおいても使用されていますね。意味とあわせて、使用される場面についても覚えておきましょう。

「明暗を分ける」の語源は?

次に「明暗を分ける」の語源を確認しておきましょう。明暗を分けるは「明暗」と「分ける」という二種類の単語を組み合わせて生まれています。「明暗」は明るいこと・暗いことを指す言葉です。「分ける」はそのまま、ひとつのものをいくつかの部分にすることを意味する言葉となっています。

「明暗を分ける」はこれら二つの単語を組み合わせて、明るいところと暗いところをはっきりと分けるという意味を表すようになりました。この場合の明るいところ暗いところは比喩となっており、勝敗・成否・良し悪しなど、対照的な二つの事柄を指します。しっかりと覚えておきましょう。

\次のページで「「明暗を分ける」の使い方・例文」を解説!/

「明暗を分ける」の使い方・例文

「明暗を分ける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.両者の経験の差が明暗を分けた。
2.あの日思いつきでとった行動が、人生の明暗を分けた。
3.我が社の明暗を分かつ重要な会議が始まった。

「明暗を分ける」は例文のように、勝敗・成否・良し悪しがはっきりと分けられることを指す言葉です。その点を境として、勝敗・成否・良し悪しの結果がはっきりとする。「明暗を分ける」はこうした状況で使われている言葉となっています。また「明暗を分かつ」といった言い回しで使われることもありますね。

「明暗を分ける」は主として書籍・新聞等の文章中において使われている言葉です。またスポーツ解説など、口語でも場合によって用いられることがあります。物事の優劣がはっきりする境目というニュアンスに注意し、活用していきましょう。

「明暗を分ける」の類義語は?違いは?

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続いて「明暗を分ける」の類義語・違いについて確認していきましょう。「明暗を分ける」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「明暗を分ける」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「分かれ目」

「分かれ目」は物が分かれるところ、またどちらになるかという境目を表す言葉です。物事の境目を表す言葉となっており、「明暗を分ける」とよく似た意味をもった類義語となっています。勝敗・成否・良し悪しに限らず、単に物と物が分かれている境を表現している点に注意していきましょう。

\次のページで「その2「分岐点(ぶんきてん)」」を解説!/

その2「分岐点(ぶんきてん)」

「分岐点」は物事の分かれるところ、分かれ目を意味する言葉です。こちらも物事の境目を表す言葉となっており、「明暗を分ける」と似た意味をもった類義語となっています。「明暗を分ける」のように、物事の優劣がはっきりする境目というニュアンスがなく、単に分かれるその地点を指す言葉です。

その3「節目(ふしめ)」

「節目」は物事の区切りとなる点を指す言葉です。こちらも物事が変化する境目を表す言葉となっており、「明暗を分ける」とよく似た意味をもった類義語となっています。勝敗・成否・良し悪しなど、物事の優劣がはっきりするというニュアンスはない点に注意し、使い分けていきましょう。

その4「分水嶺(ぶんすいれい)」

「分水嶺」は物事がどうなっていくのかが決まる分かれ目という意味をもった言葉です。こちらも物事のその後が決まる境を示す言葉となっており、「明暗を分ける」とよく似た意味をもった類義語となっています。物事の優劣がはっきりするというニュアンスはない点に注意していきましょう。

「明暗を分ける」の対義語は?

つづいて「明暗を分ける」の対義語についても確認していきましょう。「明暗を分ける」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「有耶無耶(うやむや)」

「有耶無耶」は物事があるかないかはっきりしない、物事の結末があいまいであることを表す言葉です。「明暗を分ける」が、勝敗や物事の成否・良し悪しがはっきりすることを示していたのに対し、こちらは物事がはっきりしないことを表す言葉となっています。対義語としてこちらも覚えておきましょう。

「明暗を分ける」の英訳は?

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つづいて「明暗を分ける」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「decide the outcome」」を解説!/

「decide the outcome」

「decide the outcome」は明暗を分けると同様の意味を表す英フレーズです。日本語の「明暗を分ける」と同様に、勝敗・成否・良し悪しがはっきりする分かれ目を表すことができます。英語での表現として、こちらもあわせて覚えておきましょう。

「明暗を分ける」を使いこなそう

この記事では「明暗を分ける」の意味・使い方・類語などを説明しました。「明暗を分ける」は勝敗・成否・良し悪しがはっきり決まるという意味をもった慣用句です。その点を境として、物事の優劣がはっきりとするというニュアンスに注意し、使用していきましょう。

また類義語には「分かれ目」、「分岐点」、「節目」、「分水嶺」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「明暗を分ける」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「明暗を分ける」について解説する。

端的に言えば明暗を分けるの意味は「結果が決まる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「明暗を分ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「明暗を分ける(めいあんをわける)」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「明暗を分ける」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「明暗を分ける」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「明暗を分ける」の意味は?

「明暗を分ける」というキーワードを国語辞典・辞書・事典、ネット上の人気無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような一文があります。こちらの引用をはじめに確認していきましょう。

1.勝ち負け、成否、良し悪しなどがはっきり決まる。「二人の—・ける戦い」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「明暗を分ける」

「明暗を分ける」は勝ち負け、または物事の成否・良し悪しがはっきりと決まることを意味する言葉です。その点を境として、二者の勝敗・成否・良し悪しがはっきりするという意味となっており、主として試合・勝負事や、仕事・職場の関係、人生の出来事を客観的に見て使われることが多いですね。

「〜〜が明暗を分けた」など使われることが多く、何かをきっかけとし、勝敗・成否・良し悪しがはっきりしたことを表します。古風な表現ですが、現在でも書籍・新聞等の文章中、スポーツ解説時の口語などにおいても使用されていますね。意味とあわせて、使用される場面についても覚えておきましょう。

「明暗を分ける」の語源は?

次に「明暗を分ける」の語源を確認しておきましょう。明暗を分けるは「明暗」と「分ける」という二種類の単語を組み合わせて生まれています。「明暗」は明るいこと・暗いことを指す言葉です。「分ける」はそのまま、ひとつのものをいくつかの部分にすることを意味する言葉となっています。

「明暗を分ける」はこれら二つの単語を組み合わせて、明るいところと暗いところをはっきりと分けるという意味を表すようになりました。この場合の明るいところ暗いところは比喩となっており、勝敗・成否・良し悪しなど、対照的な二つの事柄を指します。しっかりと覚えておきましょう。

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