この記事では「木目が細かい」について解説する。

端的に言えば木目が細かいの意味は「なめらかな手触り・丁寧な配慮」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「木目が細かい」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「木目が細かい」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「木目が細かい」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「木目が細かい」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「木目が細かい」の意味は?

「木目が細かい」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の人気無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載が掲載されています。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.人の皮膚や物の表面が繊細でなめらかである。きめこまかい。
2.ことをなすのに、配慮が細かい所まで行き届いている。

出典:精選版 日本国語大辞典「木目が細かい」

「木目が細かい」は物の表面・皮膚がなめらかであること、または行動の配慮が細かい部分まで行き届いていることを意味する慣用句です。2種類の意味をもった慣用句となっているため、文脈から意味を判断していきましょう。また表記として「キメが細かい」、「きめ細かい」など違った形で書かれることもあります。

なめらかな表面のもの、すべすべとしたきれいな肌、また、細部まで丁寧に配慮された仕事ぶりなど、「木目が細かい」はこうした意味を表して使われている言葉です。この機会にしっかりと意味・用法を覚えておきましょう。

「木目が細かい」の語源は?

次に「木目が細かい」の語源を確認しておきましょう。「木目が細かい」は元々、木の断面の「木目(もくめ)」を指して使われていた言葉です。この「木目」が細かく詰まっている木の断面の手触りは滑らかで、そこから転じ、細かい木目のように滑らかな人の肌を指しても使われるようになります。

またその後「木目が細かい」はさらに意味を広げ、現在は物事を行う際、配慮が行き届いていることを指しても使われていますね。また「木目が細かい」は、現在は「きめ細かい」・「キメが細かい」といった形で書かれることが多くなっています。こちらの点についても注意して覚えておきましょう。

\次のページで「「木目が細かい」の使い方・例文」を解説!/

「木目が細かい」の使い方・例文

「木目が細かい」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.木目が細かい美しい肌の人に憧れがある。
2.木目が細かい材質で、ずっと触っていたくなる。
3.義母の木目が細かい配慮に感じ入る。

「木目が細かい」は例文のように、すべすべとした美肌・表面、または細かいところまで行き届いた配慮を指して使われています。特に人の肌の様子を表現して使う場合には、一般的に「木目」を使わず「きめが細かい」・「キメが細かい」、また「肌理が細かい」と書くことが多いため注意していきましょう。

現在は「木目が細かい」という表記で使われることは少なくなっています。書籍・新聞等の文章中のほか、口語でも日常的に使われている言葉です。実際に使用する際は、すべすべとした表面・細部までしっかりと行き届いている状態、というニュアンスに注意して使用していきましょう。

「木目が細かい」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

続いて「木目が細かい」の類義語・違いについて確認していきましょう。「木目が細かい」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「木目が細かい」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「なめらか」

「なめらか」は物の表面に凹凸がなくすべすべしているさま、または物事が滞りなく進むさまを表す言葉です。こちらもすべすべとした物の表面を表す言葉となっており、「木目が細かい」とよく似た意味をもった類義語となっています。細部まで配慮が行き届いているという意味はない点に注意しましょう。

\次のページで「その2「滑滑(すべすべ)」」を解説!/

その2「滑滑(すべすべ)」

「滑滑」はすべるようになめらかでざらつきのない手触りを表す言葉です。こちらもなめらかな手触りを表す言葉となっており、「木目が細かい」とよく似た意味をもった類義語となっています。こちらも細かい部分まで配慮が行き届いているという意味は表さない点に注意していきましょう。

その3「手厚い」

「手厚い」は扱い方・もてなし方が、親切で丁寧であることを表す言葉です。こちらは配慮が行き届いていることを表す言葉となっており、「木目が細かい」とよく似た意味をもった類義語となっています。なめらかな手触りという意味は持っていない点に注意し、使い分けていきましょう。

その4「気が利く」

「気が利く」は物事をする際、細かいところまでよく気がつくことを表す言葉です。こちらも細部まで配慮が行き届いていることを表す言葉となっており、「木目が細かい」とよく似た意味をもった類義語となっています。なめらかな手触りという意味は持っていない点など、意味・用法の違いに注意していきましょう。

「木目が細かい」の対義語は?

つづいて「木目が細かい」の対義語についても確認していきましょう。「木目が細かい」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「粗い(あらい)」

「粗い」は手触りがなめらかでない・すべすべしていない、または粗雑で大雑把であることを表す言葉です。「木目が細かい」がなめらかな手触り、または細かい部分まで配慮が行き届いていることを表すのに対し、こちらはざらついた手触り、大雑把な様子を表す言葉となっています。対義語として覚えておきましょう。

「木目が細かい」の英訳は?

image by iStockphoto

つづいて「木目が細かい」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「fine texture」」を解説!/

「fine texture」

「fine texture」は細かい質感、なめらかな手触りを意味する英フレーズです。すべすべとした肌や、なめらかな手触りの表面を表す言葉となっており、「木目が細かい」の手触りに関する意味をしっかりと表現することができます。細部まで行き届いた配慮といった意味はない点など、細かい意味の違いに注意しましょう。

「木目が細かい」を使いこなそう

この記事では「木目が細かい」の意味・使い方・類語などを説明しました。「木目が細かい」はなめらかな手触り、または細かい部分に至るまで行き届いた配慮を意味する慣用句です。二種類の意味をもった言葉となっているため、どちらの意味で使われているか前後の文脈から都度判断していきましょう。

また類義語には「なめらか」、「滑滑」、「手厚い」、「気が利く」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、保有する細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事の情報が皆さんの参考になっていれば幸いです。

" /> 【慣用句】「木目が細かい」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「木目が細かい」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「木目が細かい」について解説する。

端的に言えば木目が細かいの意味は「なめらかな手触り・丁寧な配慮」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「木目が細かい」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「木目が細かい」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「木目が細かい」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「木目が細かい」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「木目が細かい」の意味は?

「木目が細かい」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の人気無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載が掲載されています。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.人の皮膚や物の表面が繊細でなめらかである。きめこまかい。
2.ことをなすのに、配慮が細かい所まで行き届いている。

出典:精選版 日本国語大辞典「木目が細かい」

「木目が細かい」は物の表面・皮膚がなめらかであること、または行動の配慮が細かい部分まで行き届いていることを意味する慣用句です。2種類の意味をもった慣用句となっているため、文脈から意味を判断していきましょう。また表記として「キメが細かい」、「きめ細かい」など違った形で書かれることもあります。

なめらかな表面のもの、すべすべとしたきれいな肌、また、細部まで丁寧に配慮された仕事ぶりなど、「木目が細かい」はこうした意味を表して使われている言葉です。この機会にしっかりと意味・用法を覚えておきましょう。

「木目が細かい」の語源は?

次に「木目が細かい」の語源を確認しておきましょう。「木目が細かい」は元々、木の断面の「木目(もくめ)」を指して使われていた言葉です。この「木目」が細かく詰まっている木の断面の手触りは滑らかで、そこから転じ、細かい木目のように滑らかな人の肌を指しても使われるようになります。

またその後「木目が細かい」はさらに意味を広げ、現在は物事を行う際、配慮が行き届いていることを指しても使われていますね。また「木目が細かい」は、現在は「きめ細かい」・「キメが細かい」といった形で書かれることが多くなっています。こちらの点についても注意して覚えておきましょう。

\次のページで「「木目が細かい」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: