
年金や品質は「保証」
「保証」とは、確かに大丈夫だと責任を持つことです。そのため、「年金」のように公的機関が金銭的支援する場合も「補償」ではなく、国や保険会社が”責任を持つ”ので「年金受給の保証期間」のように「保証」の字が使われます(死亡は保障)。
パソコンや家電を購入した際に「保証書」が付きますが、これは「(適正な使い方をすればこの商品は)大丈夫である証」、「購入後、定められた期限内に破損や故障が生じた場合、必ず返金もしくは修理・交換といった形で保証を請け負います」を意味するのです。
また、”人”に対しても使うので、社会生活では「借金の保証人」「彼の実力は保証する」などの使われ方をします。
【保障】
・「社会保障」とは、国が全ての国民に最低基準の生活ができるようにする政策。
・コロナで困窮した家庭に社会保障の「こども給付金」が配られる。
・給与の支払いが保障されている。※金銭関係ですが、損害が生じて補填される「補償」ではありません。
・政府は国家と国民の安全保障を確約する義務がある。
・家のローンは銀行により保障された。
他)安全保障、権利保障、社会保障、身分保障など。
【補償】
・交通事故でケガを負い仕事を休んだが、休業損害補償で保険金が支払われた。
・自動車で他所の門扉を壊したが自動車保険で補償してもらう。
・会社でケガをして休んだが賃金は補償されるので安心だ。
・職場が安全配慮義務を怠りメンタルヘルスの労災補償請求が増えている。
他)災害補償、損害補償、刑事補償、遺族保証など。
【保証】
・テレビの保証書に記載されたメーカー保証は3年だが、量販店の保証期間は5年だった。
・ローンを組む際には両親に頼んで連帯保証人になってもらう。
・銀行などの金融機関と提携し、それらが扱っているローンの責務保証するビジネスが保証事業です。
例)保証金、保証人、身元保証、保証責任など。
【混在した文章】
・ファイナンシャルプランナーに社会保障制度や生命保険の補償内容について相談をする。
・メーカー保証に加えケイタイ補償サービスに加入した。※メーカーが商品(この場合スマホや携帯)に対して「保証」するのではなく、キャリアが損害に対して補填するサービスのため「補償」になります。
同音異義語の3つの「ほしょう」ですが、損害が発生したかを考えながら判断すると分かりやすいかもしれません。
保障=あらかじめ「損害が発生した」際の埋め合わせを取り決め・約束する。
それにより「保護」し「脅威から守る」こと。
損害が発生する可能性がある。→損害が発生したら取り決めで対処。
補償=「損害が発生した」ものに対して。
(金銭などで)「償い、埋め合わせをする」こと。
損害が発生した。→埋め合わせをする。
保証=「損害が発生しない」と請け負う。
「(人や物の)品質が確かである・責任を持つ」こと。
損害が発生しない。→損害が発生したら責任を持つ。
特に「補償」は償いや埋め合わせの意味が強いため、損害が起きた状況に使われることが多い単語です。もし、どの「ほしょう」か悩んだ時は、損害が発生したらどう対応するのか考えてみると良いでしょう。
3つの「ほしょう」は生きるために必要なシステム
今回ご紹介した「保障」と「補償」と「保証」。この3つの「ほしょう」とは、私たちが安全に、安心して暮らす上でなくてはならない存在でしょう。これらを適切に利用したり提供されることで、私たちは大きな損害を小さく抑えることができるのです。難しい、わからないと面倒がらずに、きちんとした「ほしょう」情報を持つ賢い利用者になりましょうね!