この記事では報告と連絡と相談の違いについてみていきます。この3つの言葉には誰かに情報を伝えるなど、組織内で働くのには必要不可欠なイメージがあるよな。違いはずばり伝える対象と伝える内容の違いなのですが、調べてみると他にも色々とあるみたいなんです。
今回はそんな情報のやりとりに欠かせない言葉の違いを、ビジネスシーンに於ける使い方などを確認しながら、少女向け小説家兼ライターのさらささらと一緒に解説していきます。

ライター/さらささら

少女向け小説家兼ライター、神社や名所を訪ねるのが趣味。お話のネタにするため様々な雑知識を集めました。わかりやすい言葉で説明します。

「報告」と「連絡」と「相談」の違いとは?

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「報告」と「連絡」と「相談」とは、私たちが所属する学校や会社などの組織内に於いて、他者と情報を共有することで円滑なコミュニケーションを可能にするための手段です。

日本ではそれぞれの頭文字を取って、「報・連・相=ほうれんそう」とも略されています。訓示としても有名なので、学校の朝礼などで聞いた方も多いのではないでしょうか。

そこでこちらでは、「報告」と「連絡」と「相談」3つの違いに加え、ビジネスシーンでの重要性や類語などの紹介をさせて頂きます。

「報告」は経過や結果を知らせる

「報告」とは物事の経過や結果を告げ、説明する事です。
英語での表現は「report=報告、通報、報道、申告、記事、届出」。

伝える相手は主に上司や先輩など、自分より立場が上の存在となるのが「連絡」や「相談」とは違います。大雑把ではありますが、部下(目下、後輩)が上司(目上、先輩)に対して、仕事や作業などの進み具合や気付いた事を伝えるのが報告です。

「連絡」は情報を知らせる

「連絡」とは、情報を知らせ(伝え)る事により、その内容を共有することです。
英語での表現は「contact=通信、コミュニケーション、連絡、伝達、伝送、交通」。

伝える相手は上司や先輩以外に、同僚+仲間+部下+関係者など幅広い点が「報告」や「相談」とは違います。つまり「連絡」とは、上司以外の同僚や部下など幅広い人々に対して、事実や情報を共有することです。

「相談」は相手と話し合う

「相談」とは、何かしらの問題に直面した際、自己判断ではなく、上司や先輩、同僚などに文字通り相談する行為です。
英語での表現は「consultation=相談、参照、参考、合議、談合、謀議」。

主に「相談」は重要性が高い内容や案件が多く、自分では判断できない情報や出来事について上司や同僚に助言(アドバイス)を求めることになります。

 

ビジネスにおける報連相(ほうれんそう)の重要性

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「報告」「連絡」「相談」3つそれぞれの頭文字をとった「ほうれんそう(=報連相)」は、現在では社会人が持ちうる常識だとも称されるほどの認知度ではないでしょうか。

この言葉は1982年頃、当時の山種証券(現・SMBCフレンド証券)の山崎富治社長が発案し、社内で「ほうれんそう運動」として始めたものなのだそうです。その後、山崎さんの著書『ほうれんそうが会社を強くする』がベストセラーとなり、ビジネス(会社・企業)関連を中心に、学校や教育などでも広がりを見せました。

そこで次からは、ビジネスシーンに於いて「ほうれんそう」の重要性や使い方の説明をしたいと思います。

\次のページで「上司や先輩と状況を共有し事態を円滑に」を解説!/

上司や先輩と状況を共有し事態を円滑に

私たちが学校や会社、社会生活を営む中で状妖精の高い言葉が3つも含まれている「ほうれんそう」。しかし、前述したように、「ほうれんそう」は元々がビジネスの為に生まれた言葉です。

不測の事態が起きた場合も、上司や先輩と状況を共有し事態を円滑にするため以下の「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」を心掛けましょう。

【ビジネスに於けるほうれんそう】
報告…主に上司や上の権限を持つ相手に業務遂行の状況を伝える。
連絡…上司に限らず、同僚や仕事先など幅広い相手と情報共有をすること。
相談…大きな損失や事故を回避することが多く、重要性が高い内容が多い。

また、「報告」「連絡」「相談」を行う際には、分かりやすく、簡潔に伝えることが大事です。とは言え、自分のミスや裁量以上の内容、急なアクシデントの場合は混乱してしまいます。そんな時は「5W1H」を意識しながら、一旦内容を整理してから伝えてみましょう。

報連相より相連報が上司の信頼を得る?

ビジネスシーンで重要視される「ほうれんそう(報連相)」ですが、使う順番としては並び順のまま「報告」「連絡」「相談」とされています。ところが、ありがちなのが「報告」「連絡」だけで終わってしまい、「相談」が行われない事です。事実を伝える「報告」+情報を伝える「連絡」で止まってしまい、意見が欲しい時に伝える「相談」が抜け落ち、結果として組織内の協力体制や統制が不十分となってしまっては意味がありません。

そこで、新たに見直されているのがこの「ほうれんそう(報連相)」の順番を変えた「そうれんほう(相連報)」です。最初に「相談」することで、上司は部下が抱える問題を把握し適切な指示を出せますし、互いの信頼関係も築けます。つまり、その後の「連絡」や「報告」を安心して待つことが可能となるのです。

実際は「ほうれんそう」が主流ではありますが、案件によっては「そうれんほう」の順を使う事で上司の信頼を得る事になります。

これからは「ほうれんそう」より「かくれんぼう」?

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前の項目で「そうれんほう(相連報)が上司の信頼を~」と記載しましたが、自立した人材を育てるためには「相談」を「確認」に差し替えた「かくれんぼ(確連報)」が効果的だとの声もあるそうです。

しかし、これら「ほうれんそう」関連は主に、部下が上司へと行う対応でした。今では「ほうれんそう」を行った部下に対して、上司側は「おひたし」が良いとの声も上がっています。

お…怒らない
ひ…否定しない
た…助ける(困り事あれば)
し…指示する

互いに「ほうれんそう」の「おひたし」を心掛ければ、新人や部下は早めの相談ができ、上司は問題点の早期解決が叶う訳です。

ここまでは主に「部下→上司」に対する情報共有の説明をしました。ですが、上司側には「おひたし」以外に、「こまつな」や「ちんげんさい」もあるとか。それらを分かりやすくまとめてみました!

【部下側】
・ほうれんそう=「報告」+「連絡」+「相談」…一般的
・そうれんほう=「相談」+「連絡」+「報告」…上司の信頼を得る
・かくれんぼう=「確認」+「連絡」+「報告」…自立した人材を育てる

【上司側】
・おひたし=「怒らない」+「否定しない」+「助ける」+「指示する」…ほうれんそうに対する返事
・こまつな=「困ったら」+「使える人(できる人)に」+「投げる(協力を要請する)」…ほうれんそうを貰った後の仕事の効率化
・ちんげんさい=「沈黙する」+「限界まで言わない」+「最後まで我慢」…ほうれんそうを行った後の部下に対する配慮

折角「報告」「連絡」「相談」をしても、上司が咎める様な対応だと次から部下は情報を共有してくれなくなって(黙って)しまいます。これらは会社関係だけではなく、教師と生徒、親子、兄弟、友人などにも当てはまるであろう大切な考えなので、今回ご紹介させて頂きました。

\次のページで「疑問や事態の詳細な伝達がトラブル解決に」を解説!/

疑問や事態の詳細な伝達がトラブル解決に

企業内に設置されたお客様サービスやサポートなどでは、この「報告」「連絡」「相談」が徹底されているそうです。担当の方がお客様の疑問にお答えし、内容によっては部署に連絡して事態を把握、問題が起きたら報告して意見交換、解決が難しいようなら上司に相談し指示を仰ぎます。

組織内で発生した疑問や事態を伝達する際、詳細な「報連相」がトラブル解決へと繋がるのです。社会や組織に於いて、私たちは必ず誰かと繋がっています。独断ではなく、他者との適切な情報交換で円滑な社会生活を送りましょう!

" /> 3分でわかる報告と連絡と相談の違い!ホウレンソウはビジネスの基本?使い分けと用法例を小説家兼ライターが丁寧にわかりやすく解説! – Study-Z
言葉雑学

3分でわかる報告と連絡と相談の違い!ホウレンソウはビジネスの基本?使い分けと用法例を小説家兼ライターが丁寧にわかりやすく解説!

この記事では報告と連絡と相談の違いについてみていきます。この3つの言葉には誰かに情報を伝えるなど、組織内で働くのには必要不可欠なイメージがあるよな。違いはずばり伝える対象と伝える内容の違いなのですが、調べてみると他にも色々とあるみたいなんです。
今回はそんな情報のやりとりに欠かせない言葉の違いを、ビジネスシーンに於ける使い方などを確認しながら、少女向け小説家兼ライターのさらささらと一緒に解説していきます。

ライター/さらささら

少女向け小説家兼ライター、神社や名所を訪ねるのが趣味。お話のネタにするため様々な雑知識を集めました。わかりやすい言葉で説明します。

「報告」と「連絡」と「相談」の違いとは?

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「報告」と「連絡」と「相談」とは、私たちが所属する学校や会社などの組織内に於いて、他者と情報を共有することで円滑なコミュニケーションを可能にするための手段です。

日本ではそれぞれの頭文字を取って、「報・連・相=ほうれんそう」とも略されています。訓示としても有名なので、学校の朝礼などで聞いた方も多いのではないでしょうか。

そこでこちらでは、「報告」と「連絡」と「相談」3つの違いに加え、ビジネスシーンでの重要性や類語などの紹介をさせて頂きます。

「報告」は経過や結果を知らせる

「報告」とは物事の経過や結果を告げ、説明する事です。
英語での表現は「report=報告、通報、報道、申告、記事、届出」。

伝える相手は主に上司や先輩など、自分より立場が上の存在となるのが「連絡」や「相談」とは違います。大雑把ではありますが、部下(目下、後輩)が上司(目上、先輩)に対して、仕事や作業などの進み具合や気付いた事を伝えるのが報告です。

「連絡」は情報を知らせる

「連絡」とは、情報を知らせ(伝え)る事により、その内容を共有することです。
英語での表現は「contact=通信、コミュニケーション、連絡、伝達、伝送、交通」。

伝える相手は上司や先輩以外に、同僚+仲間+部下+関係者など幅広い点が「報告」や「相談」とは違います。つまり「連絡」とは、上司以外の同僚や部下など幅広い人々に対して、事実や情報を共有することです。

「相談」は相手と話し合う

「相談」とは、何かしらの問題に直面した際、自己判断ではなく、上司や先輩、同僚などに文字通り相談する行為です。
英語での表現は「consultation=相談、参照、参考、合議、談合、謀議」。

主に「相談」は重要性が高い内容や案件が多く、自分では判断できない情報や出来事について上司や同僚に助言(アドバイス)を求めることになります。

 

ビジネスにおける報連相(ほうれんそう)の重要性

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「報告」「連絡」「相談」3つそれぞれの頭文字をとった「ほうれんそう(=報連相)」は、現在では社会人が持ちうる常識だとも称されるほどの認知度ではないでしょうか。

この言葉は1982年頃、当時の山種証券(現・SMBCフレンド証券)の山崎富治社長が発案し、社内で「ほうれんそう運動」として始めたものなのだそうです。その後、山崎さんの著書『ほうれんそうが会社を強くする』がベストセラーとなり、ビジネス(会社・企業)関連を中心に、学校や教育などでも広がりを見せました。

そこで次からは、ビジネスシーンに於いて「ほうれんそう」の重要性や使い方の説明をしたいと思います。

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