偶蹄類という言葉を聞いてどんな生物か思い浮かぶやつは、かなりの動物好きかもしれませんね。どんな特徴のある生物たちなのか、他のグループの生物とどんな関連があるのか…いくつかの項目に分けてみていきたい。
大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらおう。
ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
偶蹄類とは
偶蹄類(ぐうているい)とは、哺乳類の中でも偶数本の蹄(ひづめ)をもつ動物のなかまがまとめられたグループです。
「哺乳綱の偶蹄目(ぐうていもく)という分類群に属する生物が偶蹄類」と言われることもあります。
そうですね…分類学上の偶蹄類のまとめ方は、すこし説明が必要な状況になっているのです。
このあたりの話は最後にさせていただくことにして、まずは偶蹄類の特徴や、これに属する代表的な生物をご紹介しましょう。
偶蹄類の特徴
偶蹄類の生物に当てはまる特徴をいくつかピックアップしてみたいと思います。
偶数本の蹄
この記事の初めにも述べた通り、偶蹄類は偶数本の蹄をもつという特徴をもっています。もちろん、「偶蹄類」というグループの名前もここからです。
蹄は、人間でいうところの「爪」が大きく厚く発達したもの。指先を保護し、土をしっかりと蹴ることができます。私たちの爪とは見た目がかなり異なるようですが、蹄も爪も角質という硬いタンパク質の層からなるのです。
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偶蹄類では、四肢の先端に2本や4本の蹄をもちます。2本の蹄をもつものであれば、その指は人間でいうところの中指(第三指)と薬指(第四指)にあたるのです。
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