この記事では「目が離せない」について解説する。

端的に言えば目が離せないの意味は「見守っていなくてはならない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「目が離せない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「目が離せない(めがはなせない)」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「目が離せない」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「目が離せない」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「目が離せない」の意味は?

「目が離せない」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載が収録されています。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.いつも見守っていなくてはならない。「危なっかしくて—◦ない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目が離せない」

「目が離せない」は、心配・面白さ・魅力から、ずっと見守っていなくてはと感じる様子を表す言葉です。子供の危なっかしい様子を見て、心配で視線を外すことができない。または魅力的なドラマなどを見て、その先の読めない展開に惹かれ、ずっと注視してしまう。「目が離せない」はこうした場面を表す言葉です。

ハラハラと心配している場面、面白さ・魅力に見入る場面と、使用される場面が複数ある点に注意していきましょう。古くから使われている表現となっていますが、現在でも書籍・新聞等の文章中、また口語においても日常的に使用されています。この機会にしっかりと意味を覚えておきましょう。

「目が離せない」の語源は?

次に「目が離せない」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「目が離せない」の語源ははっきりとしていません。語源ははっきりしていないと覚えておきましょう。1921年の佐々木邦による小説・珍太郎日記には「ネクタイを忘れて演壇に上ったり〈略〉迚(とて)も目(メ)が放(ハナ)せないのださうだ」と登場しています。

それを見守っていなくてはならない、注意・監督していなければならない。「目が離せない」はこうした意味をもって、古くから使われている表現となっています。「目が離せない」がどの程度古くから使われている表現なのかという点についても、この機会にしっかりと覚えておきましょう。

\次のページで「「目が離せない」の使い方・例文」を解説!/

「目が離せない」の使い方・例文

「目が離せない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.危なっかしい手つきで包丁を扱う息子の様子に、目が離せない。
2.目まぐるしく変わる話の展開に目が離せない。
3.レースは荒れに荒れ、目が離せない展開になった。

「目が離せない」は例文のように、心配からずっと見守ってしまう様子・面白さから見入ってしまう様子を指し示す言葉となっています。どちらもずっと注意して見続けてしまう様子を表していますが、その理由に違いがあるため、場面ごとのニュアンスの違いに注意していきましょう。

「目が離せない」は対象から視線をそらすことが出来ずにいることを表現しています。例文から言葉がどのように使用されるのか、イメージを捉えることが大切です。書籍・新聞等の文章中のほか、口語としても使われることがある日常的な言葉のため、自身でも使用することができるように正しい用法を覚えておきましょう。

「目が離せない」の類義語は?違いは?

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続いて「目が離せない」の類義語・違いについて確認していきましょう。「目が離せない」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「目が離せない」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「目を奪われる」

「目を奪われる」はあまりの美しさなどに夢中になることを意味する言葉です。こちらも思わず見入ってしまい、視線をそらすことができない様子を表す言葉となっており、「目が離せない」と似た意味をもった類義語となっています。心配からという意味はない点に注意しましょう。

\次のページで「その2「固唾をのむ(かたずをのむ)」」を解説!/

その2「固唾をのむ(かたずをのむ)」

「固唾をのむ」は事の成行きを緊張しながら見守っている様子を表す言葉です。こちらも心配などの感情から見守る様子を表す言葉となっており、「目が離せない」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは成行きを緊張しながら見守るという、より限定された場面で用いる言葉です。

その3「見入る(みいる)」

「見入る」は気をつけて見ること・見とれることを意味する言葉です。注意してじっと見ることを表すほか、魅力的な様子に思わず視線を外せない様子を表す言葉となっており、「目が離せない」とよく似た意味をもった類義語となっています。微妙なニュアンスに違いがあるため、用法に注意していきましょう。

その4「見惚れる(みとれる)」

「見惚れる」は我を忘れ、うっとりと見入ってしまう様子を意味する言葉です。魅力的な様子にぼうっと放心し、見続けてしまう様子を表す言葉となっており、「目が離せない」と似た意味をもった類義語となっています。こちらも心配などの感情を理由としない点など違いがあるため、注意して使い分けていきましょう。

「目が離せない」の対義語は?

つづいて「目が離せない」の対義語についても確認していきましょう。「目が離せない」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「眼中に無い(がんちゅうにない)」

「眼中にない」はまったく気にかけない様子・なんとも思っていない様子を表す言葉です。「目が離せない」が心配・魅力等から対象を見守り続けてしまう様子を表していたのに対し、こちらは対象を一切気にかけない様子を意味しています。対義語としてこちらの単語についても、あわせて覚えておきましょう。

「目が離せない」の英訳は?

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つづいて「目が離せない」の英語訳についても確認していきましょう。

\次のページで「「can't take one's eyes off」」を解説!/

「can't take one's eyes off」

「can't take one's eyes off」は、心配・興味などの感情から、対象から視線を外すことができないという意味を表す英フレーズです。日本語の「目が離せない」と同様に、心配・面白さ・魅力などの感情から見守り続けてしまう様子・視線を外せない様子を表現することができます。こちらも覚えておきましょう。

「目が離せない」を使いこなそう

この記事では「目が離せない」の意味・使い方・類語などを説明しました。「目が離せない」は心配・面白さ・魅力から、ずっと見守り続けてしまう様子を表す慣用句です。視線を外せないでいる理由には、場面によって心配・面白さといった異なる感情があるため、注意していきましょう。

また類義語には「目を奪われる」、「固唾をのむ」、「見入る」、「見惚れる」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「目が離せない」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「目が離せない」について解説する。

端的に言えば目が離せないの意味は「見守っていなくてはならない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「目が離せない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「目が離せない(めがはなせない)」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「目が離せない」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「目が離せない」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「目が離せない」の意味は?

「目が離せない」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載が収録されています。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.いつも見守っていなくてはならない。「危なっかしくて—◦ない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「目が離せない」

「目が離せない」は、心配・面白さ・魅力から、ずっと見守っていなくてはと感じる様子を表す言葉です。子供の危なっかしい様子を見て、心配で視線を外すことができない。または魅力的なドラマなどを見て、その先の読めない展開に惹かれ、ずっと注視してしまう。「目が離せない」はこうした場面を表す言葉です。

ハラハラと心配している場面、面白さ・魅力に見入る場面と、使用される場面が複数ある点に注意していきましょう。古くから使われている表現となっていますが、現在でも書籍・新聞等の文章中、また口語においても日常的に使用されています。この機会にしっかりと意味を覚えておきましょう。

「目が離せない」の語源は?

次に「目が離せない」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「目が離せない」の語源ははっきりとしていません。語源ははっきりしていないと覚えておきましょう。1921年の佐々木邦による小説・珍太郎日記には「ネクタイを忘れて演壇に上ったり〈略〉迚(とて)も目(メ)が放(ハナ)せないのださうだ」と登場しています。

それを見守っていなくてはならない、注意・監督していなければならない。「目が離せない」はこうした意味をもって、古くから使われている表現となっています。「目が離せない」がどの程度古くから使われている表現なのかという点についても、この機会にしっかりと覚えておきましょう。

\次のページで「「目が離せない」の使い方・例文」を解説!/

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